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お芋さん太郎
2022-07-26 21:11:55
38092文字
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僕のヒーロー
#ツイステ×映画ベイマックスのクロスオーバー
#シュラウド兄弟
#設定捏造
#オリキャラ・モブキャラ
#爽やか読後感
#最後にオマケあり
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◆
フレッドの放った煙幕が濃い霧のように視界を遮る中、弾丸のように宙を飛び行く青い炎があった。オルトだ。彼の通り過ぎた後では、乱れた気流で霧の乱れがグルグルと渦を巻く。舞い上がる瓦礫を高性能センサーで感知しながら飛行しており、前は見えなくともその道筋に一切迷いはみられない。
まっすぐに、しなやかに。一筆書きの軌道はしっかりと煙幕に刻まれていった。
『装甲はある程度の衝撃なら吸収できるけど、くれぐれも気を付けてよ』
「うん、わかってるよ兄さん。にしてもこのギアってすごく
…
最高だ!」
兄の声が聞こえると、オルトはその場に居ないイデアも共に戦っているような気がして、なんだか不思議と回路を巡るエネルギーの流れが速くなってるような気持になった。
いても立ってもいられなくなり、飛行しながら宙返りまでしてしまう。
『フヒヒッ、とーぜん。拙者の最高傑作ですぞ』
兄は兄で、自室の多機能チェアの上でふんぞり返っていることだろう。思考を巡らせ、オルトは微笑む。結局のところイデアだって、漫画やゲームのような冒険は大好きなのだ。外に出ることすら満足に叶わなかった兄弟は、それらに世界の広さを教わったのだから。
煙幕を張った主、フレッドがピョンピョンと飛び跳ねながら看板を両手で回し、マイクロボットに一撃を入れた。オルトもそれに加わり、パンチを繰り出す。
今やオルトの拳は鋼鉄よりも固い。飛行の勢いも加わり、マイクロボットは四方八方に飛び散った。
「ヒーローFさんだね、動画を観たよ。あなたのおかげでここまで来れたんだ」
「オイオイ水くせーぜ、フレッドって呼んでくれ」
「僕はオルト!よろしくね、フレッドさん」
フレッドが着ぐるみからひょっこりと顔を出し、クイっと口角を上げた。
そこに黄色の閃光が現れる。
「アンタもなかなか速いね。でもこれについて来れる?」
ゴーゴーがオルトの周りをまわりながら黒の塊を散らしていく。
とんでもない速さだ。これを生身の人間がやっているということを忘れてしまいそうになる。
「わあ!すごいや!」
「ちょっと手ェ貸して!」
「もちろん!」
オルトが構えると、ゴーゴーが猛スピードでオルトに突っ込んでくる。オルトはタイミングを見計らって彼女の手を握り、高速回転。さらに加速をつけて彼女の手を放すと、勢いを増した彼女はマイクロボットの壁に大きな切れ目を入れていった。イデアが耳元で『本当にピザカッターじゃん』と言うのが聞こえた。
「よそ見は厳禁だぜ!」
襲い掛かってくるロボットの波を退けたのはワサビだ。彼の両腕に輝く光の刃は、オルトの炎と同じ色をしている。
「ありがとう、ワサビさん!」
『オルト、エネルギーの節約だ。腕のシールド機能を使って』
「了解!」
アームシールド機能を展開すると、肘から手にかけてのパーツが一瞬にして組み代わり、イグニハイドの寮章を連想させる六角形のシールドになった。ただしそのシールドに描かれているのはケルベロスではなく、デフォルメされたドクロのマークだ。いつもお馴染みイデア印である。大きさはオルトの顔よりも一回り大きいほどであり、展開したままでも激しい動きに対応できる。
ワサビと背中合わせになって互いに守り合う。オルトがシールドで攻撃を防ぎ、その隙にワサビが切りつける。と思えば、彼の背後に迫る影を彼がしゃがんだ瞬間にシールドで殴りつけた。
地に足つけて戦うワサビのスタイルと、宙にフワフワ浮きながら素早い攻撃を繰り出すオルトのスタイルは不思議なほどに相性が良いらしかった。
爆発音に顔を上げる。
ピンクとオレンジの爆炎が空気を震わせながら、ガラガラとマイクロボットを崩していった。ハニーレモンの攻撃だ。
彼女はハンドバッグ型の製造機で化学物質をその場で調合し、それをボールのように成形して投げつけることで攻撃の援護を行っていた。だが奥の手は他の誰の攻撃よりもド派手なものだった。持ちうるすべての材料を惜しみなく使って、誰もが見とれる大輪の花を咲かせたのだ。
オルトのデータベースどころかネットを検索してもヒットしない反応に、オルトは思わず拍手をしてしまいそうになった。インカムの向こうのイデアも小さく息を飲んだ。
『かなり複雑な化学反応だ』
「うん、興味深いな」
「知りたいなら後で教えてあげるわよ」
ハニーレモンがまるで歌をうたうように陽気に言った。オルトがパッと彼女と目を合わす。
「いいの?ハニーレモンさん」
「もちろん!秘密じゃないもの!
…
でもまずは、」
二人揃って上を見上げる。キャラハンとヒロが、攻防を繰り返すのが見えた。
「彼を倒してからね」
「僕、ヒロの援護に行ってくるよ」
「ええ。彼をお願い」
コツンと拳を合わせて、オルトは空へと飛び立った。巻き上がる風がハニーレモンの腰まである長いブロンドを揺らした。
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