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お芋さん太郎
2022-07-26 21:11:55
38092文字
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僕のヒーロー
#ツイステ×映画ベイマックスのクロスオーバー
#シュラウド兄弟
#設定捏造
#オリキャラ・モブキャラ
#爽やか読後感
#最後にオマケあり
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◆
身体の中の正確な時計機能では数十秒しか時を刻んでいないはずなのに、頭の中の電気信号が数時間ぶん巡っているような感覚だ。残存エネルギーはもう3%を切り、そのせいで感覚が狂っているのかもしれない。
オルトが目の奥で灯る警告ランプにうんざりしながらイヤホンのスイッチを入れると、イデアの声が爆音となって耳をつんざいた。
『バッ、何を考えてるんだよ!!!』
「うわ!兄さん!」
『うわ、じゃないよ!本当に最悪だ。どういうつもりだよ。勘違いするなよな、僕は君にその身を犠牲にさせたくてそのギアを作ったわけじゃないんだ』
「兄さん、でも」
『はァ?言い訳なんて聞きたくないね。帰ってきたらそのギアをバラバラにぶっ壊して二度とヒーローなんかになれなくしてやる。短いヒーロー人生だったね。でも拙者が悪いんじゃありませんしィ?』
あまりの音量に音漏れしていたのだろう、ワサビがオルトの肩に手を置き、フレッドが脇腹を小突いた。ニヤニヤしているゴーゴーの隣で、ハニーレモンがそっと囁く。
「きっとあなたを心配してたんだわ」
ハニーレモンが「あなたのことが大切なのね」と続けてパチンとウィンクをした。
「ごめんなさい、兄さん」
『頼むから危ないことはよして。
…
もう、失わせないでくれよ』
「うん」
イデアの声が後ろに向かってだんだんと小さくなるにつれ、震えているように思えた。オルトは先ほどまで自分のことでいっぱいいっぱいで、イデアの気持ちを考えるのをすっかりと忘れていたのだ。
オルトはすっかりと肩を落とし、頭の炎をワシャワシャといじるフレッドのされるがままになった。
ポータルの吸引力がどんどん増していく。吹き抜ける風に立つこともできなくなり、瓦礫の陰に全員集まって身をひそめた。誰一人逃げ出すことなく、ヒロたちの帰りを待ち続ける。
装置がガタガタとうなりを上げ、入り口はもう崩壊し始めている。
と、次の瞬間、風が止んだ。完全に崩壊したのだ。それと同時に飛び出したのは白いポッドと、それにしがみつく一人の少年。
「ヒロ!」
「無事に戻った!」
言葉を発さず静かにポッドから降りるヒロに駆け寄る。
突入前に彼と共にいた影は見えない。
「ベイマックスは
…
」
悲しみを背にうつむくヒロに、かける言葉は見当たらなかった。言葉の代わりに、オルトはギュッと彼を抱きしめる。
ポッドの中ではキャラハンの娘、アビゲイルが穏やかな顔で眠っていた。
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