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お芋さん太郎
2022-07-26 21:11:55
38092文字
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僕のヒーロー
#ツイステ×映画ベイマックスのクロスオーバー
#シュラウド兄弟
#設定捏造
#オリキャラ・モブキャラ
#爽やか読後感
#最後にオマケあり
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◆
マイクロボットを自在に操るキャラハンはあまりにも強かった。
決して油断をしていたわけではない。しかし、彼の娘をポータル事故で死なせてしまったクレイを前に溢れ出すキャラハンの真っ黒な心は、立ちふさがる5人のヒーローをいとも簡単になぎ倒す。
はるか頭上には大型トラックがまるまる入ってしまいそうなほど大きな円形のポータルがパックリと口を開けており、クレイの会社が瓦礫となってどんどん飲み込まれていく。ポータルを支えているのはキャラハンが操るマイクロボットであり、ヒロの発明品の優秀さが不本意な形で証明されることとなった。
かつてキャラハンの娘がこのポータルの中で行方不明になり、有名な科学者であるキャラハンでも彼女を取り戻すことができなかった。つまり一度入ったら最後、出る術は誰にもわからないということだ。天に開いたポータルはまるで天国への入口。憎らしいほどに青い空が無慈悲にすべてを迎え入れる。
そんな中でヒロたちは防戦一方の厳しい戦いを強いられていた。それぞれの得意分野による多彩な攻撃も、キャラハンの「手」の多さによってどれもこれもがいなされ、躱されてしまうのだ。
黄色い女性ゴーゴーは彼女を球状に取り囲むマイクロボットによって動きを封じられ、緑の男性ワサビは2枚の鉄板に挟まれそうになり両手両足でどうにか対抗している。ピンクのハニーレモンは化学物質のシールドに身を隠すも突き破られる寸前。怪獣の着ぐるみのフレッドは両手両足を封じられていた。
ベイマックスと離れ離れになってしまったヒロも、ポータルに吸い込まれそうなところを、建物から伸びたケーブルに捕まることでなんとか耐えている。ベイマックスが助けに向かおうとしてもキャラハンの猛撃は止まらない。すぐに足止めをくわされ、伸ばした手はヒロにはとうてい届かなかった。
小さな瓦礫がヒロのフェイスシールドに当たり、そのままポータルへと舞い上がる。カツカツという音が不気味に耳に触った。しかしここでヒロは活路を見出す。瓦礫と共に制御を失ったマイクロボットも吸い込まれていっているのだ。キャラハンが娘を失ったのと同じように、クレイのすべてをぶち壊そうと設置したポータルが仇になった。
「聞いて」
キャラハンの強さに心が折れそうになっている皆に、ヒロがゆっくりと確かな口どりで語りかける。
「周りをよく見まわせ。視点を変えるんだ!」
言葉を聞き、皆の目つきがギラリと変わる。
彼らは科学者だ。常識はいつも彼らの敵であり、目の前にそびえる打ち破るべき壁である。魔法的に言うと「呪い」のようなものだろう。彼らは常にその「呪い」にかかることを恐れていたが、知らぬうちに蝕まれていたらしい。
彼らの本当の武器は鋭い刃でも、危ない化学物質でもない。彼らの頭にみっちり詰まった脳みそだ。その脳みそにヒロがいま、電流を流した。
「よっ!ハッ!」
鉄板に挟まれていたワサビは床をくり抜き、下に降りる。頭上で勢いよく鉄板のぶつかる音がした。
「ふッ!やった!」
ハニーレモンはシールドを突き破るマイクロボットの触手に粘着性の物質をくっつけ、それにつかまり窮地を脱した。
「腕がちぎれそう
…
!って、待てよ。着ぐるみだった」
両手足を拘束されていたフレッドは、拘束されていたのが着ぐるみの手足だったことを思い出す。生身の手で看板を引き寄せ、着ぐるみを羽交い絞めにしているマイクロボットをバラバラにした。
「うおぉぉぉ!」
球状に形作ったマイクロボットに閉じ込められていたゴーゴーは、その中で超高速回転。鋭い車輪で壁を切り裂き、再び空の下へと舞い戻る。
各々が攻撃を打ち破り反撃の体制を整える中、ヒロはもう限界に達していた。手からワイヤーが滑り落ち、ついに宙に投げ出された。重力の反対の方向へと体が持ち上げられていく。
「ベイマックス
…
」
『ヒロ!』
マイクロボットに絡みつかれ飲み込まれたベイマックスが、それらをロケットパンチで振りほどき、ヒロの元へと飛び上がった。
間に合うか間に合わないか、誰にも分らないギリギリのタイミングだ。だがベイマックスは諦めなかった。人を助けるようにプログラムされているからだ。ただ胸の中にあるディスクに従って、恐れも知らずに空を駆ける。
ヒロがジタバタと手足を動かす。しかし浮かび上がる速さは緩まらない。片足がポータルに入りかける。
間に合わない。
「ヒロ!」
皆の叫ぶ声が聞こえて思わず顔が歪んだ。
もうだめだ。
その時、視界の端で青い炎が揺らめき、体の浮遊が止まった。
ポータルの入口寸前だ。
「こんにちは、ヒロ!怪我は無い?」
「オルト⁉君、どうしてここに⁉」
オルトはクスクスと笑いながら、その腕に抱えたヒロをベイマックスの上に乗せてやる。
以前会った時とは別の、スタイリッシュなデザインの恰好だ。レモン色のフェイスシールドの向こうで、クリクリとした眼を悪戯している子供のように歪めていた。
力強く並走して飛び、地に降り立つ。すると各々の拘束から抜け出した仲間が集まってきた。
「みんな、こんにちは!ヒロのお友達だね」
「誰⁉」
「おいヒロ!そいつ誰だよ!」
「味方なの⁉」
「大丈夫!彼はオルト・シュラウド、僕らの味方だよ!」
「ちょっと待って、シュラウドって聞いたことあるんだけどもしかして
…
」
いきなり現れたオルトに不信感を抱きつつ、しかしながら彼の人ならざるボディと頭の炎に興味津々だ。オルトの人懐っこい子供のような声とその姿のギャップが、皆の頭をオーバーヒートさせた。
だが悠長に自己紹介をし合っている暇など無い。マイクロボットの波が抵抗する者すべてを飲み込まんと、タイミングを見計らっているからだ。
「プランBだ!ロボ集団を崩して、ポータルに吸わせよう!」
「了解!」
ヒロの指示に5人が頷き、持ち場へとつく。戦いはこれからなのだ。オルトの耳元で『それでは諸君、健闘を祈る』と、イデアの声がおかし気に響いた。
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