お芋さん太郎
2022-07-26 21:11:55
38092文字
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僕のヒーロー

#ツイステ×映画ベイマックスのクロスオーバー
#シュラウド兄弟
#設定捏造
#オリキャラ・モブキャラ
#爽やか読後感
#最後にオマケあり





『ヒロたちが通う大学で充電させてもらったから、もう大丈夫!今から帰るね、兄さん』
「k。くれぐれも気を付けてよ。寄り道しないで帰ること。知らない人から声をかけられたらすぐに魔導砲を打つこと」
『もう、兄さんってば!心配しすぎだよ!じゃあまたあとでね』

 オルトからの知らせを受け、イデアはモニターと通信を切った。彼のスピードならほんの数時間で帰ってくるだろうし、しばらく肩に力が入りっぱなしで酷く疲れたからだ。そもそもオルトの新しいギアを作成するために徹夜が続いている。そろそろ寝ないとマズいなと思いながら、何杯目かのコーヒーをマグに継ぎ足した。

 実は、オルトのギアの構想はずっと前からあった。子供のころオルトはずっとヒーローに憧れていたし、大冒険を夢見ていたからだ。それがもとで大惨事になってしまったから、イデアにとっては地獄みたいな思い出でもある。
 でも、そんな子供のおとぎ話みたいな夢だったからこそ、イデアは叶えてやりたかったのだ。
 オルトいや、ORTHOを初めてその手で生み出したときから設計していた。しかしヒーローを目指したゆえの過ちにトラウマを覚え、その図面は机の引き出しの奥底へと仕舞われた。
 それを引っ張り出したのは、はじめにサンフランソウキョウから帰ったあの日だ。ヒロとベイマックスにインスピレーションを与えられ、少々手を加えながら数日で一気に仕上げた。

 あの日イデアは、ヒロの後ろにタダシを見たような気がした。
 性格は違うとはいえ、2人はどちらも陽キャで無意識で人を煽るタイプ。全然悪気が無いからタチが悪い。
 イデアはズルズルと音を立ててコーヒーを啜りながら、PCのメール画面を立ち上げた。検索機能に文字を打ち込む。表示されたメールは、本文が長かったり短かったり。一方的に送られたものがほとんどで、イデアは返信すらしない時が多かった。
 しかしすべてのメールに目は通してある。このメールに助けられた時すらある。悔しいが、本当に悔しいが、励みになっていたと思う。

 メールの送信元は、タダシ・ハマダ。
 イデアはそれらをゆっくりと見返しながら、ハンッと鼻で笑い呟いた。

「笑っちゃうよね。ヒーローだってさ、僕らの弟」




◆おしまい◆