はしびろこう
2026-03-11 23:39:24
28368文字
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マハバ特異点

みんな大好き!1ページ練習のちよどさんが描かれたOPEDがはちゃめちに良くて‥三次創作書かせていただいたらアフターストーリーまで頂戴したっていうこの世の夢みたいな一週間でした‥
こちらに掲載許可頂いてるのでみんなぜひ
最初のOPED
最後のマハバ聖杯戦争後日談
がちよどさん作品です!


おとうとたち

 噂話をした弟たち、というのを見てなるほど、と思った。
 パーンダヴァの連中(という名のビーマ)に怪我をさせられた弟たちを優先して一緒に寝ていたのだ。怪我をした弟たちをあたればすぐに見つかる。このサイズだとこの弟たち可愛いんだなあとか思ってしまう。
 わらわらと兄上の役に立ちたいと噂話をしてきた情報集めは旦那に任せることにした。
 その間にハスティナープラで体調を崩したバラモンを探したが、そっちは空振り。
 そりゃそうか。バラモンなら体調が悪くて寝込んでても「瞑想してくる」と引きこもって仕舞えばバレやしない。
 その代わり、バラモンが死んだ、という情報が入った。
 ふと、嫌な糸が引っ張られた気がした。
 
 神秘の隠匿のためだろう、人がたくさんいるところでは旦那にことに及ばないようだと確信をもてたので、宮殿の奴らに任せてその現場を見に行くことに。
 こっちがビンゴ。サーヴァント召喚の儀式の形跡だ。――残りは、セイバーとキャスター。
 どちらかが、召喚と同時にマスターを殺したのだ。
 どちらだろうかはわからないが、旦那に召喚されたのが俺で良かったと心の底から思う。
 生きて欲しい、俺が生前願ったそれを、俺とすら会わないうちに潰されてしまうなんて我慢ならない。
 調べ終わった現場を、もう一瞥もすることなく後にして、旦那の宮殿へ戻る頃には夕飯時だった。

 ※
 
 食事の後に旦那の部屋に着いたら旦那が上着を着はじめたので出かける予定でもあんのかと思ったら声をかけてきた。
「あーちゃー!」
「出かけんのか?」
 実体化せずに声をかけたら、まさかの。
「シヴァ神の祠!」
「今から?寝る時間だろ」
「あーちゃーはあそこにいる方が元気になるんだろう?」
「そうだけど、旦那が休めねえだろ」
「ひざでねる!あたたかい時期だから大丈夫!」
 ありがたい話だが、こんな小さい子供に無理はさせたくない。夜は健やかに寝てくれ。
「内緒の作戦会議はあそこでするんだろう?」
……
 確かに、今日集めた話も聞きたいし――布団に包んで、膝で寝かすか……。言い出したら聞かん坊だ。今夜だけ、一回やって快適じゃなければ次から提案もしないだろうし。
「わかったよ」
 にこにこした旦那は、実体化した俺に両手を伸ばして。
「移動はまかせたぞ、わたしのあーちゃー!」
「乗り心地は勘弁してくれよな」
「えー?しかたないなぁ」
 許してやろう、とくすくすと笑う少年を抱き抱える。こんなん思春期に膝に受けたら普通に人生狂うだろ。

 ※

 霊脈に座れば、昼間とは違い、空には満点の星空と月が見下ろし、視覚が少し落ちるせいか木々のさざめきが強く聞こえる。
 一応霊脈の地面に横になる。何かが近寄る足音やらが体を伝うので、この方が索敵に向いているのだ。
 旦那を体の上に寝かせる。ガチ、旦那の後頭部が当たってる。
「かたい」
「だから休めねえって言ったろ」
 毛布に包んではいるが、甲冑に寝かしたらそりゃ硬いだろう。
「なあ、この格好しかできないのか?」
……絶対に顔見ないって約束できるか?」
「お前が嫌がることはしない」
「わかった」
 そこまでいうなら俺も信用しよう。
 第一再臨にもどって、鎧も編まない。体の上に寝かせている旦那は、顔を見ない、をちゃんと守って星を見上げている。
「さっきよりはマシかなぁ」
「ベッドとは違うっつーの」
「ふふ、冗談だ。今日弟たちから聞いた話をするぞ」
「頼まぁ」
 弟たちからの噂を辿って、旦那に神兵召喚の話を聞いた相手の名前は、やはりバラモンだった。
 ――そう、旦那が生まれた時に殺せと言った、バラモンたちの一人である。
 召喚時に殺されたバラモンも、そのひとり。
「ハハ」
 理解する。
 ――これは、聖杯戦争ではない。

 凶兆の子を殺すための儀式戦争だ。

 20250321.