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はしびろこう
2026-03-11 23:39:24
28368文字
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マハバ特異点
みんな大好き!1ページ練習のちよどさんが描かれたOPEDがはちゃめちに良くて‥三次創作書かせていただいたらアフターストーリーまで頂戴したっていうこの世の夢みたいな一週間でした‥
こちらに掲載許可頂いてるのでみんなぜひ
最初のOPED
最後のマハバ聖杯戦争後日談
がちよどさん作品です!
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ばいばい
じゃあな、ってくらいは、言いたかったもんなんだが。呼吸もできねえし、完全にそろそろ消えるやつだ。キラキラと、体が崩れ始める。
顔を覗き込む旦那の顔についた血を拭うつもりだったのに、塗り広げただけになってしまった。
――
ああ、俺が消えたらこの血も消えるかな。
なら、いいか。ぽろぽろ、涙が仮面に落ちる。はは、逆の立場になっちまった。
「あーちゃー、あ、あーちゃー
……
命令だ!生きろ!
……
いきて、いきてくれ
……
」
パァッ
――
令呪が光った。生きてくれ、と言う度に令呪がきられ
――
ああ、命の繋ぎ止めに過ぎないだろうが、体の怪我は治った。
ゴボッ、詰まっていた血を仮面の中で吐き出して、ようやく声の一つも出そうだった。
「あんがとよ、楽になった」
「!!あーちゃー、やだ、やだ、しぬな、」
あーあ、俺のために縋って泣いちまって
――
すまねえな、ありがとよ。
でももう、時間もないし力も入らねえ。
伝えたいこと、ああ、そうだ。
「悲しむなよ、あんたはすぐに、こんなクソみてぇな儀式に頼らなくても
――
なんでも自分で出来るようになるさ」
最後まで、顔を見ようとしないでくれてありがとう。
「じゃあな、旦那」
※
あーちゃーは、そういって暁に消えた。
ぼんやりと、しばらくは陽の光が、先ほどまでの人のものと思えぬ戦いの跡を照らしていた。
腕で目もとを拭う。悲しむなって、最後の願いは叶えてやらないと。私は〝旦那〟なのだから。
ああ、もう、また目元を拭う。朝日が眩しかった。それだけなのだ。
顔を上げて歩き始める。
子供の足には少し遠かったが、朝の市が畳まれる頃には王宮についた。
ひとりで歩いている俺に門番は驚いたようだったが、騒ぎにはならなかった。思っていたよりも、あーちゃーが来てから私はひとりで行動していたようだ。
これからは「あーちゃー』はいない。
刺客も毒殺も、もっと悪意を持った人間の政敵からも、自分で身を守らなくてはならない。
顔も見せなかった奴だけど、最後まで「あーちゃー』は
俺
・
の味方だった。
今日からは、一人きりで立って、王として
――
あーちゃーなしでもあいつらを追い出さなくてはならないのだ。
部屋に戻ろうとすれば、謁見の間の前で、手持ち無沙汰に手をもじもじとして立っている少年が目に入った。
そういえばこの前、井戸に落ちた妹を助けてくれた男が父王に謁見すると聞いたのだが、
――
今日がその日だったような気がする。
その息子が、遠目に見ただけだがこんな感じだった。
赤毛の、髪の長い少年。小さくて短い手足ながら、額には、神から授かったと一目でわかる黄金色の大きな宝石が埋まっていた。
「ドローナの息子か?」
「は、はい」
緊張したように姿勢を正した少年の前に立つ。
照れているのか、人見知りなのかはわからないが少し目が泳いでいる。
「私はドリダラーシュトラの息子、ドゥリーヨダナ」
私の名前に身体をピンと伸ばして挨拶をする。
「ドローナの息子、アシュヴァッターマンと申します。ドゥリーヨダナ様」
陽の光に額の宝珠が反射する。
朝露のような瑞々しさがあるそれに負けない程の輝きを宿した黄金のひとみがこちらを見上げる。
五兄弟は強敵なのだ。だから私は今から
――
今から強い仲間をたくさん集めないと。
何故かあーちゃーを思い出す。
こいつが「あーちゃー』のように俺の味方になってくれたらと、思ってしまった。
「そうか、アシュヴァッターマン。よろしくな」
微笑みかけると少年は顔を赤らめる。
「はい、ドゥリーヨダナ様」
※
部屋に戻れば、あーちゃーがいた形跡はもうほとんどない。
あいつは私物を増やさなかったし、いつも仮面をかぶっていた。血の跡だって、体と一緒に消えてしまった。
怪我一つつけさせねえ、という約束を守って消えた。
ぼんやりと、苛烈な七日間を思い出す。
ふと思い至る。
走っていては落としてしまうかもしれないから、と懐にしまっておいたあーちゃーに被せた花の冠があったな。
懐を弄れば、潰れてしまった花の冠が出てきた。
――
それを見たら視界が滲んで、鼻にじんわりと熱が集まる。
「あーちゃー、」
――
お前みたいな強い仲間、たくさんつくるからな。
(お前が何者でも、私の味方でいてくれたなら良かったんだ。だから私はこれからも、)(何者すらも仲間としよう)
20250323.
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