はしびろこう
2026-01-29 21:30:58
25104文字
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メカクレ特異点

メカクレ特異点再録
アシュヨダと、ちらっとパーバソが香るかも
バーソロミュー、アシュヴァッターマン、ドゥリーヨダナ、カルナ、岡田以蔵、最後にパーシヴァルがそっと出てきます


瓦解
 「っふーーー」
 タゲ集中を受けながら、流石の数の多さにいくつか打撃を受けるが、なるほど、甚だしい打撃と斬撃。とてもじゃないが旦那には遠く及ばない。だが、それとまともに食らっていいか悪いかは別問題。
 避ける時、正味な話攻撃がきたら、薄皮一枚レベルのギリギリで避けるのが一番安全だったりする。
 避けた先の武器と腕を辿れば、すぐさま急所である。
 直進で入る男たちの刃を避け、首まできたら顎を歩く捻って失神させる。こいつ壁に使うか考えたが、頑健になったとはいえ刃物で切りつけられたり銃で撃たれるのは考えものということで床に捨ておく。
 テーブルの足を蹴り上げて何人か壁に叩きつけ、そのテーブルを足場にすべく駆け出す。
 旦那の腕を引っ掛けて重心を落とさせれば、承知したとばかりに体を預けてくれる位置に来たので腰を抱えて右脇に挟む。
 頭を狙った一撃を足首の力を抜いて落下のスピードで避け、滑らせた前足に重心を乗せる。
 ついでに左右の2人を掌底、殴った勢いを殺さず跳ね返された衝撃で裏拳叩き込んで、1人は襟引っ掴み――もう一歩――ひっくり返ったテーブルに足をかけて窓ガラスを割って駆け出す。
 首筋を引っ掛けた男を1人、窓の方にほん投げて追撃を一瞬かわし、そのまま全速力で駆け出せば、目線の隅に、バーソロミューとカルナが映った。
 方向を誤魔化すのに町一周ほどして巻いてから宿に戻る、と目配せして――後ろからなげとばた男を押し除けた男たちが追って、見失うスピードで走る。

 ▪︎

「ふーー、ただいま」
無様なものだこちらはダメでした
 そのタイミングでそのセリフを選ぶな、と思うがやはり向こうもやられたようだった。
「ああ、船着場に着いたのはロイヤル・フォーチュン号ではなかった。もちろん、聖杯もマスターもいない」
「だろうなァ、クソッ」
 こちらに来た時にあれだけ用意してきたということは、怪しんでいたということだ。乗り慣れた、よりもお気に入り聖杯を乗せておらず、客も乗せず、速攻のできる船で――少しでも航行が早い船でつけていたはずだ。
 ドゥリーヨダナも抱っこされていた形からベッドに座らされ、やれやれと頭を掻く。
 
「マスター奪還も聖杯もまだ手がかからん。まったく、食えんやつだ」

 時間がない。当初の予定ならば、戦闘なしで行く予定だったが、バーソロミューが見立てた髪が伸び切るまでの期限は、あと一週間ほどだ。もう絡め手を取る時間はない。
 しかし一気呵成に行けば、船という船に囲まれ、マスターを戦闘の渦中にぶち込みかねない。ついでに沖まで行く手段は――、と、思考を巡らせていれば。
 
「ふ、ふふ」
 
 バーソロミューが笑い始めた。
 
「まったく、私としたことが、いけないね」
頭でも打ったかつかれていませんか?
 
「全盛期の私に、今の私が小手先でだなんていけないよねえ――海賊らしく、行こうじゃないか」

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