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望月 鏡翠
2026-01-22 20:21:07
30877文字
Public
庭師は何を口遊む 霊山班
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やばい店に潜入捜査するパロ その2
自陣の二次創作/庭師通過済み前提/
https://privatter.me/page/696cf10600785
の続き
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ブルーライトカットの眼鏡でも、眼精疲労は防げない。眼鏡をずらして眉間を揉み込む。コーヒーの匂いがして、顔を上げた。
今この部屋には霊山しかいないはずで、彼がコーヒーの豆を手ずから挽くようなことがあっただろうかと疑問に思ったからだ。
卓上コースターの上に、いつものマグカップが置かれた。
そこで班長以外の人間が室内にいると気がついた。驚いて顔を上げると、井伏は比叡がのリアクションにびっくりしたように、手を止めた。
「それが例の仕掛ける細工か」
一人だけディスプレイの多い比叡のパソコンは画面に向き合っていると周囲の状況がわからない。
「え、ええ。井伏さんどうしてここに?
……
まだ三時ですよね」
腕時計を確認した。
短針は三時を少し過ぎたあたりを指している。
「どうしてって
……
ミーティング五時からって獄から連絡来とったじゃろ」
「あ、あ〜。そうですね。そうでした」
画面に目を移す。モニターの表記は十五時だ。まだ午前三時だと思っていたなんて言えない雰囲気だ。そも、開けてすらいないブラインドの外はいつの間にか明るい。
井伏が怪訝な表情になったあと、、一度差し出したコーヒーを回収していった。
「その作業いつからやっとるんじゃ」
「いつだったかな。別にタイムカードつけてるわけじゃないですから」
眼鏡を直して画面に向き直った比叡を冷ややかな目で見下ろし、霊山の方に向き直る。
「獄、こいついつからここに座っとるんじゃ」
言わなくていいです、と無言で首を横に振ったのは見えていたはずなのに、当たり前のように無視された。
「いつだろうな。昨日の夜から動いてないが」
「寝てこい」
問答無用でオフィスチェアがパソコンの前から引き剥がされていく。
「いや、待ってください。あと少しなんです。全体の形はできていて、ただもう少し動きを軽くしたいんですけど、なぜか挙動がうまくいかなくて、そこだけ詰めれば今日中にお渡しできるのでミーティング前にお渡ししたくて
……
」
比叡の訴えは虚しく、椅子ごと仮眠室に押し込まれる。
「あの、本当になんともないので」
「どうせ飲まず食わずじゃろうが。起きたら腹に入れるもんも用意しとく」
忘れていた。
年若いメンバーが加わってから、労働時間と食事は実に健康なものだ。諦めて一度横になることにした。
ベッドを他に使っている人間はいない。
体を横たえると、突然体が重たくなったような気がした。過集中で忘れていたが、疲労は溜まっていたらしい。
潜入捜査が始まってから、若手二人が不在だから明らかに徹夜が増えている。
止める人がいないと自制ができないというのも、情けない話だ。
そう言えば、あの死体の情報もそろそろ出てきている頃なのではないだろうか。
ベッドから身を起こそうとして、やめた。
どうせ二時間後には、わかる情報だろう。
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