柩木
2025-11-15 17:28:24
18035文字
Public 崩壊:スターレイル
 

丹穹|ワンライ企画参加作品まとめ

ワンライに参加した時の小説をまとめました。文字数の上限いっぱいになるまで追加していきます。



首筋


ふっと目が覚めた丹恒は、穹の自室の天井をしばしぼんやり眺めてからこの日の予定を思い出す。早急にこなさなければならない約束や仕事はない筈だが、星穹列車では朝食の時間が定められている。時間を確認すればもう起きてもいい頃合いだ。
起き上がろうとして、重みを感じ動きを止める。穹の腕が己の胸板へ起き上がるのを拒むように乗せられているのに気付いた。
隣で眠る穹の寝顔を眺める。普段、好奇心旺盛に輝く一等星のような瞳が、今はまぶたの向こう側に隠されていた。起きている様子はないため、わざとではなさそうだ。起こさないように腕を掴んで、ゆっくりベッドの上に戻す。
シャワー代わりに雲吟の術を使いさっと身なりを整えてから、ベッドの周りに散乱している自分の服や下着を回収して楽に身につけた。そこで一度ベッドの端に腰を落ち着け、端末の通知をチェックする。

「んー……

背後でベッドが軋む。上掛けで腰回りだけを隠した穹が、寝ぼけた様子で起きてきた。上半身を起こしたもののぼんやりとしている。夢と現実の狭間で眠気と戦っているのが分かった。

「おはよう」
……ん。……はよ」

ぼんやりとした顔でへら、と笑ったその顔が可愛らしい。その穹が距離を詰めてきた。背後から腕が回され、肩を両腕でぎゅうと抱きしめられたかと思えばぐっと体重をかけられる。甘えられているのだとは思うが、その仕草は置いていかれないように親を抱きしめる子供のようだった。

「起きたなら身なりを整えてしまった方がいい」
「あー……。朝ごはんか……

穹の頭がぐりぐりと丹恒の肩口に押し付けられる。その動きが徐々に静かになって、不意に袂が後ろに引っ張られた。まだファスナーを上げる前で身体が引っ張られる事はなかったものの、晒されたであろう首筋にぬるりとした感触が這っていく。この不意打ちには背筋にぞく、と痺れが走った。続け様にピリッと、刺すような鈍い痛みも与えられる。
何をされたのかは想像に容易い――が、なぜ今なのか。

……おい」
「本当は昨日したかったのに出来なかったから。満足」

丹恒同様、昨晩からの地続きで一糸纏わぬ姿の穹からそんな事をされたら――正直、やり返してやりたいところではある。穹がした可愛らしい甘え方よりもっと過激な事をしてやりたくなるが、それでは時間を溶かしてしまいかねない。
丹恒はやり返す代わりに床へ散らばった穹の服一式を回収すると、早く着るように言い含めてベッドの周囲から一時退却した。うっかり約束の時間に遅刻してパムを怒らせるのは避けたい。
ドリンクコーナーを借りて何か飲む事に決め、丹恒はさっと首元のファスナーをあげた。