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柩木
2025-11-15 17:28:24
18035文字
Public
崩壊:スターレイル
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丹穹|ワンライ企画参加作品まとめ
ワンライに参加した時の小説をまとめました。文字数の上限いっぱいになるまで追加していきます。
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撫でる
「ほんと、気持ちよさそうな顔するよなぁ。ゴミケーキ」
何故か自室にいる一匹の創造物。本来宇宙ステーションヘルタにいる筈の彼は、アンカーを使って移動する穹にくっついて星穹列車への登場を果たした。
もう何度目かの脱走になる。初めは元の場所に戻していたが、特に悪さをする訳でもなく大人しくしているので、そのままにしている。
戻すまでの期間をあまりにも空けてしまうとそれはそれで大変なことになるのだが
――
以前、もち団子が号泣していてあやすのが大変だった
――
今はまだ余裕がある。よって穹はベッドに腰掛けるとゴミケーキを膝の上に乗せて、額の間や顎の下。そして全身をくまなく撫でていた。
うにゃうにゃと言いながら目を細めるその表情がまんざらでもなく気持ちよさそうで、その反応が見たくてついつい延々と触り続けてしまう。
――
この日部屋を訪れていた丹恒を放置して。
「
……
お?」
唐突に頭へ何か乗ってきた。横目で隣を見ると、穹と同じくベッドに座る丹恒から腕が伸ばされ、頭に伸びているのが分かる。おそらく頭の上に乗っているのは丹恒の手のひらだが、一体どうしたというのか。
次第にゆっくりと動き出した丹恒の手のひらは、穹の頭を撫で、耳をくすぐり、輪郭をなぞって、頬に添えられる。それが気持ち良くて、もっと撫でて欲しくて大人しくしていた。
「
……
穹」
「んー? 何
――
おあッ」
――
カシャ。
シャッターが切られる音がした。意味が分からなくてきょとんとするしかない穹は、口元を抑えてスマホの画面を見ている丹恒に問う。
「
……
なんで写真撮ったの?」
「検証しようと思ったんだ。ほら」
丹恒がみせた画面には先程撮ったばかりの写真が表示されている。丹恒の手のひらに自ら擦り寄り、目を細めて笑う自分の顔だ。被写体としては直視しがたい、だらしない顔。膝の上に乗せられているゴミケーキの表情が「やれやれ」と言いたげに見えてしまう。恐らく、そんなことはない筈なのだが。
「えっ。
……
こ、これは」
「お前もゴミケーキとそう変わらない。創造物は創造主に似る、と言ったところか」
無表情に見えて、少しだけ口角を持ち上げている丹恒。穹にとっては恥ずかしい写真も、彼にとっては違うらしい。
「お、俺ってば流石美少女が過ぎるな! だけどこんな写真出回ったら銀河中が大変な事になるからデータは消そう」
「俺が流出させると思うのか」
「そ、れはそうか
……
。いやでも盛れてないからそのデータは消そう。もっとカッコいいポーズで撮り直して
――
」
「これがいい」
スマホの中ではにかむ穹を見つめるその眼差しが、あまりにも優しいものだから何も言えなくなってしまう。嬉しいが、恥ずかしくて。やめてほしいのに、やめさせるのは惜しい。
そんな相反する感情で頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
「これがいいんだ」
再度言った丹恒の眼差しは、液晶の中ではなく穹本人に注がれる。思わずひるんで後退しそうになるが、膝の上で重しになっているゴミケーキが居て不発に終わった。
「
……
もっと撫でてくれたら、いいよ」
「分かった」
「その代わり絶対流出させるなよ。見せるのも駄目」
「ああ、勿論」
幸せそうに微笑まれてしまっては、もう太刀打ち出来ない。
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