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柩木
2025-11-15 17:28:24
18035文字
Public
崩壊:スターレイル
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丹穹|ワンライ企画参加作品まとめ
ワンライに参加した時の小説をまとめました。文字数の上限いっぱいになるまで追加していきます。
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誓い
「丹恒さー、最近昏光の庭の方によく手伝いに行ってるよな」
プライベートルトロに戻って来た丹恒の姿を見るなり、穹はそんな事を口にした。
「なんか面白いことでもあった?」
「面白い
……
という訳ではないが、情報収集の一環だ。記録を取る為でもあるが、昏光の庭に属する医師を手伝うことで得られるものもある」
「アーカイブに記録できるような資料探しみたいなもの?」
「それもあるが
――
」
これ以上を伝えるか一瞬迷い、口を噤む。だが、隠すようなことでもないかと思い直して再び口を開いた。
「以前誓っただろう。命の危険を伴う状況であってもお前を一人目にはしないと。その為には戦闘能力だけじゃなく知識も必要なんだ」
幽囚獄に閉じ込められた時。穹にそう宣言した。その思いは今でも変わっていない。大切だと思うものを取りこぼさないように、この手で守りたいと強く思う。
なのに
――
その誓いを守れなかった。その事実は今に至るまで丹恒の肩に重くのしかかっている。オンパロスに不時着した時の光景を嫌な夢だと思えていたのが一転して、実際に起こった記憶として丹恒を責めるのだ。
そんなことあったなー、なんて言って笑っている穹だが、時々嫌な記憶が脳裏にちらつく。普段通り元気に過ごす彼と血の海に力なく横たわる姿が重なり、丹恒の罪悪感を増幅させ続けていた。
だから知識が欲しい。戦う力だけではなく、すくい上げる為の力が。列車で待つ仲間と合流して、穹との旅を続けていく為に。
「あれって、あの時限定の話じゃないのか?」
「俺は列車の護衛だ。危険な場面において守るべきものを優先すると決めている」
「ほーん、そっか。
……
そっか」
カウチに座る穹は意味ありげに腕を組む。それから少し考え込むような仕草をすると、唐突に顔を明るくした。まるで何か閃いたかような表情の輝き方は、丹恒を身構えさせるのに十分だった。それだけ穹の発想は斜め上を行く場合が多い。
「じゃあ丹恒の事は俺が守るよ」
得意げに胸を張った穹だが、丹恒からすればそれでは少し困る。護衛である自分より前に出られては本末転倒なのだ。
「どうしてそうなる」
「だってそれだと丹恒を守る人がいないじゃん」
穹の指摘に、何を言うべきか分からない。守りたいという思いに、守りたいと返された時はどう返答すればいいのか。必死に言葉を探すが何も出てこなかった。
「丹恒が俺を守るなら俺は丹恒を守れば良くない? という訳で、これから丹恒には俺と一緒にご飯を食べに行ってもらいます。時間も丁度いいし」
「ま、まて。どこがどうなってそこに繋がるんだ」
「これも丹恒を守る活動の一環だから! ほら行くよ!」
唐突に立ち上がった穹は丹恒の手を取って扉に向かった。目的が食事なら行き先は恐らく雲石市場だろう。必要最低限の栄養は取っているのだが、きっと今の穹にそれを伝えても納得してくれない予感がする。
それに、久々に繋いだ穹の手は温かく、離れ難かった。
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