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柩木
2025-11-15 17:28:24
18035文字
Public
崩壊:スターレイル
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丹穹|ワンライ企画参加作品まとめ
ワンライに参加した時の小説をまとめました。文字数の上限いっぱいになるまで追加していきます。
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手
事務作業をしていると、どうにも集中力が続かない瞬間がある。
気分転換に場所を変えてみようとタブレット端末だけを持ち出して資料室から出た丹恒は、テーブル席が空いているようならそこで少し作業させてもらうつもりでエントランスに移動した。
扉をくぐり、目的の座席がいくつか空いているのも認識したうえで、そこに穹の姿があることに気が取られてしまった。椅子に座って机に肘をつき、スマホを横にしていることからゲームをしているのが分かる。
穹は丹恒が来たことに気付くと、スマホを視線から下ろして表情を明るくした。
「あれ、作業終わったのか?」
「いやまだだ。集中力が戻ってきたらまた戻る」
「なんだ丹恒も気分転換かー。なんか飲む? 珈琲がいい? 缶コーヒーでいいならあるよ」
「随分と用意がいいな」
「ゲームのお供にね。部屋から持ってきた」
二人掛けのテーブル席は他にもあるが、話しかけられた流れのまま穹と同じテーブルに腰をおろした。缶コーヒーを受け取って開ける。穹がすでに開けていた炭酸飲料の缶を差し出してきたので、そのまま乾杯の真似をした。
そこからはまたそれぞれの時間に戻っていったはずなのだが、いつからか穹の視線が刺さるようになってきた。
「
……
なんだ」
「ん、流石に気付かれるか」
頬杖をついて完全に見守りの体勢をとっている穹は、戸惑う丹恒とは対照的にふにゃりと笑う。
「丹恒が文字打ってる時の手、なんかいいなーって思って見てた」
手。そう言われて思わず自分の手を見てしまう。槍使い特有のタコや、一部皮膚が分厚いだけの何の変哲もないただの手でしかない。
「ただの手だぞ?」
「それはそうなんだけど、好きだな〜って思っちゃったんだよな」
おもむろに丹恒の右手を両手で包み込むようにした穹は、好きなように掌をマッサージをしてから最後には指を絡めるように手を繋いできた。
「惚れた欲目ってやつ?」
にや、と笑う穹はどうしてか満足気で、それがとても、愛らしくて。そんなつもりはなかった筈なのに、構い倒してやりたいという欲求が強くなっていく。
「はぁ〜
……
」
「あ、照れてる? 照れてらっしゃるの丹恒先生」
「
……
あともう少しで終わるから大人しくしておいてくれ」
「えー、可愛いかよー」
終わらせると言ったが、正確にはキリのいいところで一旦休憩を取る気になった、というのが正しい。何も知らない穹は手を繋いだまま落ち着きなく腕を振り回している。行動が無邪気な子供そのものだ。
頭の中で残りの作業とそれにかかる時間。そして自分の欲求を満たせるだろう時間を総合的に考えると、ここで穹を構い倒す時間くらいは取れる。
「
……
煽った責任は取ってもらうからな」
それまで好きに腕を振り回していた穹が動きを止めた。この言葉の意味が分からない穹ではない。みるみる頬を染めていく様子に多少満足したものの、口付けたいという欲求を抱えたまま作業に戻る鋼の精神は流石に持ち合わせていない。
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