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akinoshiroihana
2025-03-30 21:14:51
28993文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫1
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サーガでクリスマス
トクホン=トクホンチール(大正製薬)昔、サロンパスというとこっちのほうが多かったような記憶です。うちの大正生まれの祖母は生涯完全にこっち派
プリティウーマン=80年代末映画、サーガG(75年)の彼らが観るわけないわけですが、見逃してください。ハニーちゃん(73年)はいじりネタになってたんじゃないかと思いますw
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「空手ならリョウという奴が得意なんです」
戯れにしてはきわどい距離に来る野口ヒデキのパンチを彼は躱した。そしてシャンパンはやめておきますと新聞記者らしき女性の勧めるグラスをも断る、ゲットマシンに乗ったら血管が開いて覿面に酔いますからね、あいつがここに一緒に来ていて先に酔ってしまってくれればよかったんですが、とかすかに笑んで。
「嫌だったら俺のこと理由にして適当に切り上げてこいよ」などとてめえは旦那かとつっこみたくなるようなことを言った誰かさんは、いつだったかかなりフォーマルな装いが必要だったのでソックスガーターを身に着ける彼を二度見三度見し、こんりんざい俺はついてかねえと言ったのをいまだ曲げていないのだ。
だからそう言って送り出した友人の影を彼はさりげなくではなく最大限盾にして、けれど滑るようにとらえどころないままにパーティ会場を泳ぐ。かつての学生運動の冷徹と凶相で知られたカリスマのその後よりも、みちがえるまでに端正に静まりかえっている今現在よりも、その彼が柔和なまでの雌伏に至っているその戦友とは何者なのかのほうに、会場に居合わせた多少訳知りの人々の関心も大いにぶれただろう。その当人はサンタに「餅ください」との短冊をモミの木の下にぶら下げてみせるおふざけを止められたし、なんなら今頃はクリスマスソングでハイテンポに拍子をとりつつ尽きぬ体力で欅の杵を振り回して餅をついているのかもしれないが。「そいつですか?あいつ今日は研究所に残って皆の分のケーキを作るのに忙しいんじゃないかな、ふふ」そう、ジャパニーズ・ライスケーキを。だが彼の周囲にたむろしていた女性陣からは押し殺しきれなかった悲鳴が上がる。
その世界の十方鬼はクリスマス休暇中だったのかなんなのか、地上七十階のビルに惨劇が起きることはなく、メリー・ホワイト・クリスマスの中を車は帰ってきたので
「確かに言ったけど本当に持ってくるかよ」
百鬼獣でも出たらドサクサに紛れて一本ぐらいかっぱらって来いと言われていたシャンパンを一ケース持たされて戻った彼に、竜馬は、半日杵をふるい、餅をちぎり、まるめ、ぺたぺたやって燃え尽きた竜馬は、風呂上りにベッドでうつぶせ大の字になったまま聞く
「どうしろってんだよ、シャンペ~~~ンの味なんかわからないぜ俺、ってぇか、トクホン貼ってくれさすがにコレいててて」
「ああそれはな、会場で冬生りではあるが碌なもんじゃねえイチゴが出てたから、ちょうどいいと思って」
「ん?」
逞しい筋肉の分、人よりぽかぽか温かい背中に軟膏テープをぺたりと貼られて、その冷たさにひゃああとあられもない声を挙げたあと、竜馬はジーンズ一丁のまま起き上がって体をコキコキ鳴らし確かめ、ベッドの上に置かれていた、パックごと丸洗いされたらしい濡れた赤い実を見る
「ケーキを飾るのに向いてねえぐらいのイチゴ食いながらだとな、シャンパンの甘みがわかって旨いんだよ」
最近だと『プリティ・ウーマン』でも言ってたかな
など言いつつベッドの端に腰掛けネクタイを緩める隼人に
「なんだあそりゃ、『キューティハニー』みてえなタイトルだな、ああいうの好きだったかよお前」
首周りの体温そのままに温かいネクタイを強く引っ張り、淡くコロンの移り香などもらってきた彼に白状させてやろうとでもいうように悪い笑顔を近付ける相手がいたが
「ばぁか」
艶のある長い髪が撫でた鼻の先、小さくキス。まばたきする竜馬、そこめがけて隼人の背後肩越しにはシーツからいたずらに顔だけ出すように、喉元のワイヤーはもう外されたシャンパンボトルの栓が竜馬の眉間あたりに照準が合うよう誘導されていて。とはいえそれは何の造作もなく二本の指で止められて終わるだろう余興のつもりだったのだ。が、
ぽんっという音、うわああとの叫び、てっ敵襲ばか違うよよせとのどたばたは果たしてその夜どのあたりでどうやっておさまるのか
今のところそれを問いに冬の夜の廊下をいく物好きはいない、聖夜のできごと
(了)
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