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akinoshiroihana
2025-03-30 21:14:51
28993文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫1
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ハッピープリンス
カム隼オンリーおめでとうございますおはようございます今朝の分です!
ツバメで某様の御本のチラシを突然思い出しましたwとか、
サーガでもアニアクでもカムイの選択を隼人は悲しみはしないんじゃないかなとか
===============
「白」は地上生物が本能的に恐れるもの
―――
そう書いたのは海洋小説『白鯨』の作者だった。
「じゃあこんなお天気の日の皆さんはどうなさるんですか」
世界がみんな真っ白じゃないですか、そう尋ねた真っ白い子供に
「庭を駆け回ったりコタツで丸くなったりだな、あー地上人類か?んーそうだな、こういう遊びもするもんだ」
いかにも幼い存在に物を教える仕草でもって伊賀利が雪ダルマを作ってみせるのをカムイは静かに見守り、しかし男の方の完成と同時に作りあげていたのはむしろちいさな雪像だった
「
……
よく出来て
…
出来すぎてるじゃないか、D2か」
参ったな、一応まだ機密事項だから、そこらに飾って残しておけないぞこいつは、などという男の前でゲッターD2の上半身はくしゃりと潰れた。「あ」
「だいじょぶです、ちゃんと始末しますから」
押し固められ石のように固く滑らかになっていたそれを、子供の小さな手はやすやすと破壊した。爬虫人類の
―――
いやそれ以上の剛力は混血ならではのものか。
「海底粘土みたいな使い方ができるかやってみたんですけど、失敗してみっともなくなったら潰しても罪悪感の無いものにしようと思って。」
「おいおい」
それで本番は何を作るつもりだ、坊ちゃんよ。
*
神隼人はそうそう開けることのない冷蔵庫の扉を開いて少しだけ視線を揺らした
昼間伊賀利と外に出ていたカムイのしわざだろうか、そこには小さな青いネクタイ
―――
伊賀利のハンカチを借りて作ったのか
―――
をぶら下げた雪だるまが、木炭と木の枝で作られた仄かな笑みを浮かべている。夕刻には戻る予定だった彼に見せるために屋内に持ち帰り、更にはこちらに移動する事態となったのだろうか
彼はため息を
―――
けして落胆からのものではなく
―――
をひとつついた後に、
*
雪をぎゅぎゅっと固めて固めて固めてそして研いで
「ハート?」
「戯画化した心臓かな、です」
『トニースタークにも心はある』、もしくは幸福の王子が心無い人たちに燃やされても残った心臓
「これを雑に神司令っぽい意匠で作った雪だるまの中に入れておこうかなって。外殻が融け切った後、できればこれ単体で残ってコロンと出てきてくれるといいな」
真っ白どころか透き通るようなハート形の心臓
「D2みたいにリアルな司令にしたら僕への情操教育が心配されそうですし」
そりゃあ違いないな!
*
「敷島博士、お持ちになった共有の流国サンプルを、いい加減戻してくださいって言ってきてます」
「ありゃすまんのー、完品の敵兵死体はレアじゃもんの
―
」
マイナス85度まで下がる理化学用冷凍庫には、昔神司令のヘッドショットだけでうまい具合に活動を止めてくれた、節足動物型異星人の「きれいな」死体が収められている。それを重装備の職員がえっちらおっちら運び出す中、ひとりほぼ普段と同じ格好の青年カムイは喜怒哀楽の読めなくなった顔で言う
「いい加減片付けてください、奥の方、見たことのない氷菓まで入れっぱなしでしたよ、調べたら70年代の発売でした」
「あーそりゃワシじゃないわい、武蔵がオヤツ隠してたのがそれっきりになったんじゃ」
あの頃はのー、あの子らが、隼人らが食われたくないものや下手に触られたくないものを軽々に放り込みにくる場所でもあったんでのー。お前さんのちっこい頃のもまだあるじゃろ
「!
……
本当だ、ありますね
…
なにもこんな厳重管理のところに置いてくれなくっても」
微笑む雪だるまを取り上げ、カムイは首をかしげる
「これにはあの人に言っていない秘密が何かあった筈なんですが
……
駄目ですね、もう俺自身が思い出せない」
なあにそういうのはポロっと出て来るわい、手遅れかもしれん時にな、ひひひ
広場に縫い留められ、小さなツバメを肩に休ませた「幸福の」王子”The Happy Prince”には鉛の心臓が込められていて、深い悲しみの時にはそれが裂けてしまうのだと、既に裂けているのかもしれないと、とまれ持てる全てを人々に捧げつくしたあと、灰燼溜めに捨てられたそれを迎えに来る者がいる話だと
思い出せるものは
今は、まだ。
(了)
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