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akinoshiroihana
2025-03-30 21:14:51
28993文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫1
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咆哮
「空を仰いで歌う隼人(内田さん声で)」を書こうとしてだいぶ漂流しました。
新ゲ竜馬は新宿くん新宿くん言うならそこにだけ住んでたらどうかというテスト設定で数本書いてます。
=====
所内自販機用の飲料の入っていた段ボールの、節電中の薄暗いスペースで所員が畳もうとしていたやつを、ひとつ。
広い両側面を一回り小さく三方ぐるりと切り、翼状に折って地面に拡げる。本来の箱開け口は閉じ、底面として立たせる。段ボールはアーチもしくは短いトンネルの様相だ。
先日の鬼獣が「でかいイノシシみたいに」(弁慶談)アスファルトまで引っくり返した一角をこれ幸いと清掃用に持たされたスコップで掘り進める、ただし先程の段ボール底面の寸法、かたちそのままに長方形にだ。掘れたら段ボール箱を穴の上に置く、先程拡げたハネ部分が箱を支えてくれる。段ボール箱開け口部分に食堂からくすねてきた魚の切れっぱしや麦飯(いったいここは刑務所かなんかかよ)を少々乗せてやり、待つこと、しばし。
「
―――
で?なんだこりゃ」
「スズメや野良インコだったら軽すぎんだろうが、ハトなら入った重みでちゃんとワナが働く。重みで箱が穴に落ちてくのに合わせて両翼が獲物を抱き込む形で箱の内側に誘導してストーン。」
箱は天井が残ってるから逃げられやしねえ。ソレをあいつらの目が効かねえ夜になってからうまい事取り出して、首をポキッとやって羽をむしってよ、西口地下のバスターミナルに流れて来ることもあるオッチャン連中仕込みよ。まあああいうオッチャン達でもいまどきはそんなやらねえらしいけどな。
昔は食うにマジで困った時以外にも道路工事用器具を拝借して、結構南口の真ん前にコンクリートチェーンソーで長方形の落とし穴作って悪い連中と遊んだぜ懐かしい
うわひでえガキだ
「だからよ、釣り堀よ釣り堀、みたいなもん!」
山手線の外じゃめっきり減っちまってるって聞くけどよ、
ああいうのどかな狩りもたまには恋しくなんだよ
しかしその奇妙な区切り方に尋ねてみれば、流竜馬は基本新宿から、よくて周遊する山手線の中から出たことが無いとのことだった。生まれ落ちた場所から巣立ったことのない、おそらく良くない育ち方をしたけもののように。
それのどかって言うか?俺が知ってる釣り堀は観光地でもお客さんに早いとこ獲物を渡そうってえのか
プール脇に係のオバサンが鎌持って歩き回ってておっかなかったぜ、引いた糸を手繰り寄せては、魚の頭に鎌ぁぶち込みやがんの
おかげでプール周りは濡れて血だらけだった、くわばらくわばら
あーそうだ、鳩なら行けっけど、カラスだったらなあ、
「おい聞いてなかったのかよ、いっつもこれだ情けない!」
カラスの肉はカレーに入れたらギリ食えるってんで、炊き出しボランティアがカレーの時に鍋失敬してきて、カラス肉入れて善意のカサ増ししてやろうとしてたら公園のオッチャン達が本気で殺すつって、埋めるって山ほど寄って来たんで逃げたこともあんだよな
あんな怒るかねえ?
あの公園周りはぜってえ埋められっぱなしの死体もあるんだぜ
けどあれだよ、逆さにぶら下げて血抜きすんのはどのタイミングだっけかなとか、そもそもここじゃなんだか末広亭の講談でしか聴いたことのねえ鳴き声がいっぱいしやがる、おい弁慶、あんなかに魚みてえにドクがあるトリとかいねえのかよ?
はあ?
いや、隼人の野郎みてるとそういうのもいるんじゃねえかと急に思い当たったってか、まあ
その言い澱みはなんだと聞こうとした弁慶の背後で、不意にがあぁぁぁっ、と実に剣呑な鳴き声が上がった、と思うに、烏が一斉に、そしてその他の鳥たちもパニックのようにつづけざまに空に舞った。
「なんっ
……
」
鳥の声、ではない、講談師の芸のような声真似、巧みな声帯模写。
舞台俳優か歌い手もかくやの思いがけないよい声での警戒鳴き。それはシートンなら嘗てこの程度までは音階として解読し残したという
危険危険鉄砲だ
鷹だ 鷹だ
「は、合ってた、いや通じたか」
カラス語はユニバーサルかと隼人がうそぶく、フル装備の警備員たちに体よく押し付けられた、鬼獣大暴れ後の表の掃除の為の金箒を蜘蛛のように細くて長い腕に挟んで、長く伏せった人間のような土気色の細い面で。そういえば、竜馬と弁慶もそうした事情でしばしの放牧の身だったのだ。
「無理もねえ
この研究所は素人に毛の生えたのがすぐ銃振り回しやがる」
おい隼人てめえ、なに台無しにしやがんでいとの怒声を聞き流しつつ、隼人は今は飛べない空を見上げまた鳥の言葉で叫んだ。
大危険 鉄砲だ
全速力散開
回れ右
(了)
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