夏・ウタウタウ

いやあああジャスラック物件んんん💦
(聞き比べてみませう)
(1975年)
(5:45)
武蔵が天地真理好きでポスターか何か貼ってるのは東映設定書のメモです
山口百恵は竜馬たちとほぼ同い年で当時もうデビューしてるんですね
^^^^^^^
あさま荘の学生部屋に、小使いや用務員は入らない。
良家の子息と言えど自ら掃除をするのは戦前からの習いであり、共同風呂や手洗いまで当番があるのは軍隊式か欧米式か。しかし、「男子たるもの」に西洋建築で這いつくばらせるのは沽券にかかわると判断されたのか、当時からデッキブラシだモップだといったいささか欺瞞じみたものが備えられていたそうであり。
部活動も対人関係もお座なりな隼人がこれをさぼっていないのは竜馬どころか武蔵も驚かせ、二度見させた。別に不承不承でもなく小さく鼻歌を歌いつつワックス引きをしている彼に「なんでえ、機嫌いいじゃねえかよう、変なトコいい子なんだから」などいう武蔵の横で、竜馬も聞いた
「誰の歌だい?」
「オイラ知ってる、百恵ちゃんだろ新曲だろ!」
天地真理のピンナップをベアー号に貼っている武蔵は速い。
「でもよう、百恵ちゃんはそんな怖そうってかカッコイイ歌い方じゃないよなあ、ハヤトがモップかけてるから勢い付いちまってんのかな。百恵ちゃんは上手だけどキレイな歌い方で、でもこっそりすごくエッチなんだ歌ってることが」
えへへへ、と彼がやに下がるから、
「へえ、どんな」
さして気もなく竜馬が尋ねるまでをどうやら隼人は聞いていた、そしてひとふし歌詞で歌って見せた
数秒の間をおいて、竜馬はおっ、おう、そ、そうかそうだったのかなど言いつつ赤い顔でばたばたと去った。
*
「あれえ、懐メロかよ」
研究所に急ぐジープが拾った歌に號が片眉を上げる
「まいっか、山口百恵、大体強気でカッコイイしよ」
きれいな泪色にかがやく 大切なものをあげるわ
駆け抜けていくような夏の風のような歌い方に號はふふんと拳を固める
昔はそういう歌い方でもなかったのだと、だから旧友は歌詞内容と自分のアレンジに仰天して逃げて行ったのを今思い出したとは言わず、隼人はアクセルを踏み込む。
「あなたに」
あなたにいちどだけの たいせつなものをあげるわ
なあ百恵ちゃんは「まごころ」のことだって言うけどさあ、とニヤつくよりはやがてもじもじする武蔵の言葉を流しつつ、隼人はモップの柄に白い顎をのせ、ばたばたと遠ざかるスリッパの音を聞いていた
泣いてもいい 汚れてもいい
壊れてもいい 捨ててもいい
「 」は尊いわ
「だっれっ(誰)でもいっちっっど(一度)だっけっ」とクライマックスを口ずさみかけた號は、歌うのが自分一人でないのに気付いて目を丸くし、風の中空の青を齧った。
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.