ゑ/圓堂
2025-03-26 23:47:58
23375文字
Public 管理NO3250本丸
 

【刀剣乱舞】その愛を何と呼ぶ・後編<web再録>【創作男審神者×一文字則宗】

2021年8月インテックス大阪開催の閃華の刻で頒布し現在は完売となったさにごぜ本のweb再録となります。こちらは後編となります。
再録にあたり(色々ととんでもなかったので)そこそこ加筆修正を行っています。
刀剣乱舞というジャンルにきて初めて出した、最初のさにごぜ長編です。前編のあと3250本丸が時間遡行軍の襲撃に遭い、それをきっかけにふたりが結ばれる話です。
本をお迎え下さった皆様本当にありがとうございました。



***


本丸襲撃から丸一日。

時の政府からの通達もあり、その日は朝から刀剣男士全員で本丸の修繕にあたっていた。
建物の崩壊は免れたものの、あちらこちらの屋根と柱、障子戸が破損してしまっている。他の本丸からの応援含め、全員で手分けしても数日はかかりそうであった。

しかし、皆それはそれで楽しそうに朝から賑やかに作業を進めている。元々人間よりも体力も筋力もある刀剣男士である。力仕事でも然して苦戦する事もなくこなしている。
負傷した刀剣男士達も粗方手入れが終わり、本調子になるまでは修繕作業にあたる者達の手の回らない雑用や内番を引き受けている。

そして軽傷であったものの、近侍として動かなければならない蜂須賀虎徹もまた、炊事場に立って昼食の準備を手伝っていた。
本丸に来た頃は散々文句も言い、どれも何一つ出来なかったが、今となっては内番も雑用も慣れたものである。
元は刀である自分がまさか今こうして握り飯をせっせと作っているなどと、一体誰が想像出来ただろうか——そんな事を考えると、少しだけ蜂須賀虎徹の心は穏やかになったような気がした。

今はただ、少しでも前を向いていたい。
昨晩から沈みそうになる心を、そうやって蜂須賀虎徹はどうにか宥めていた。