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ゑ/圓堂
2025-03-26 23:47:58
23375文字
Public
管理NO3250本丸
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【刀剣乱舞】その愛を何と呼ぶ・後編<web再録>【創作男審神者×一文字則宗】
2021年8月インテックス大阪開催の閃華の刻で頒布し現在は完売となったさにごぜ本のweb再録となります。こちらは後編となります。
再録にあたり(色々ととんでもなかったので)そこそこ加筆修正を行っています。
刀剣乱舞というジャンルにきて初めて出した、最初のさにごぜ長編です。前編のあと3250本丸が時間遡行軍の襲撃に遭い、それをきっかけにふたりが結ばれる話です。
本をお迎え下さった皆様本当にありがとうございました。
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***
清々しく穏やかな本丸の朝は一変した。
普段は比較的静かな本丸に、悍ましい時間遡行軍の咆哮やひしゃげた唸り声が散乱する。
先に気付いた獅子王と太鼓鐘貞宗が、まだ事態の把握に気付かぬ者達へと知らせんと奔走する。
遅れてこの有様を目の当たりにした者達が、各々に戦闘の準備を始める。
蜂須賀虎徹は主が籠る執務室へと真っ先に向かい、この緊急事態を端的に報告し、自身も戦闘態勢を整える為に自室へと取って返す。
「本丸内の全刀剣男士に告ぐ!最優先事項は『己の身を守る事』だ!本丸は手入れ部屋以外どれだけ失ってもいい!まずテメェの身を守れ!」
この本丸の主たる男の、未だかつて誰も聞いた事のないような張り上げた大声が騒然とした本丸内に響き渡る。
彼は繰り返し叫びながら、広大な本丸の建物内を早足に駆けていく。
そして、合間に背面のスラックスとベルトの間に無造作に挟んだ拳銃の弾丸を確認する。
対時間遡行軍向けに改造済みの英国ウィルキンソン社製ウェブリー・モデル1892リボルバーには全弾装填されている。
ポケットにも予備が数発ある。
「主、」
自身に掛けられた声に歩みを止めぬまま振り返ると、すっかりと戦支度を済ませた蜂須賀虎徹が小走りに駆け寄ってきた。
「全員問題なさそうか」
「ああ、本丸に残っている皆は臨機応変に動いてくれているよ。出陣中や遠征中の部隊には?」
「もう既に『鳩』を飛ばした」
「そうか、早く合流出来るといいけれど。手数は多いに越した事はないしね」
リボルバーを元の場所へと捻じ込みながら、主はああ、と短く答える。
いつもはやる気など微塵も感じられぬような色をしている筈の瞳が、精悍な火を宿している。
「全員で生きて凌ぎきるぞ」
瞳の中の火は、その言葉に炎となる。
「
……
主、君は俺が」
「いや、お前は現場の総司令官だ。見落としのある場所を確認して人員を振り分けろ」
「だったら君は」
「政府から言われてんだよ、『自分の身は自分で守れ』ってな」
僅かに不安の色を滲ませた蜂須賀虎徹に、主は先程無造作に仕舞った拳銃を手で叩いて示す。
それを見ても尚蜂須賀虎徹は小さく逡巡したが、直ぐに顔を上げて真っ直ぐに主を見据えた。
「
……
分かった。だけどくれぐれも気を付けてくれ」
「ああ。俺は暫くあちこちに連絡しなきゃなんねぇから執務室に籠る。手が空いた奴がいればそいつらを執務室前に回してくれ」
「了解」
何か変わった事があったらすぐに知らせてくれ
——
そう言って踵を返す主の背中を蜂須賀虎徹は刹那に見送り、そして己に課せられた使命を全うせんと再び駆け出した。
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