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ゑ/圓堂
2025-03-26 23:47:58
23375文字
Public
管理NO3250本丸
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【刀剣乱舞】その愛を何と呼ぶ・後編<web再録>【創作男審神者×一文字則宗】
2021年8月インテックス大阪開催の閃華の刻で頒布し現在は完売となったさにごぜ本のweb再録となります。こちらは後編となります。
再録にあたり(色々ととんでもなかったので)そこそこ加筆修正を行っています。
刀剣乱舞というジャンルにきて初めて出した、最初のさにごぜ長編です。前編のあと3250本丸が時間遡行軍の襲撃に遭い、それをきっかけにふたりが結ばれる話です。
本をお迎え下さった皆様本当にありがとうございました。
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「
——
御前、前衛は我々が」
すっかりと戦闘態勢の整った日光一文字が、目の前で悠然と身支度を整える一振りの男士へと詰め寄らんばかりの様子で語りかけている。
男士は白磁のような唇に笑みを湛えたまま、彼の方に目もくれず、まるで世間話の延長のような語り口でそれを制した。
「お前さんはお前さん達のお頭についてやりなさい。僕みたいなじじぃは似合いの持ち場ってのがあるのさ」
そうしてようやく支度を終えたらしい男士
——
一文字則宗は、自室へ駆け付けた日光一文字をやっと振り返る。
目の醒めるような白と赤の対比が眩しい戦闘装束に身を包んだその姿は、好々爺のような口調と相反してこの刀剣男士の異様なまでの風格を一層に引き立たせる。
その姿にぐ、と日光一文字は俄かに言葉を失う。
しかしそれでもまだ食い下がらんとする彼を、一文字則宗はさっさと部屋から追い出して自身も廊下へと歩み出た。
「御前、何処へ行かれるのです!」
珍しく焦りの滲む日光一文字の鋭い言葉に、背を向け片手をひらめかせて応え、一文字則宗は悠々と迷いなくひとところへと向かい始める。
既に本丸は時間遡行軍がそこかしこに溢れ返り始めていた。
これはひどい、などとのんびりと彼らを眺めながら、一文字則宗はそれでも足を止めない。
ぎいぎい、と耳障りな音が足元を掠める。
一文字則宗は腰に佩いた『己』に手をかける。
刹那、彼の足元に纏わりついていた時間遡行軍の短刀達が、短い断末魔と共に四散した。
それらにすら一瞥もなく、一文字則宗はただ一点を見据えて進む。
次々と群がる敵をまるで虫でも払うかのように、ただ斬り捨てて進む。
そして、誰にともなく呟く。
「僕みたいなじじぃは、殿を守るものさ」
やがて彼が辿り着いたのは、執務室の障子扉の前である。
初めてこの本丸に一文字則宗として顕現した時にも、まずこの扉の前に来た事を、何故かこんな最中に彼は思い出していた。
付喪神たる刀剣男士として人の身を得た、あの日を少し思い出す。
そして、それからの日々の事も。
「
……
折角ここまで来たんだ、暴れさせてもらおう」
既に迫り来ていた時間遡行軍へと、一文字則宗は戦刀としての不敵な笑みを向けた。
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