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osorakirei_
2024-05-20 18:18:49
19184文字
Public
小説
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# いいねした人をイメージして小説の書き出し一文
※前提としてタグ改変をしています。書き出し一文でイメージが伝わるわけがないため、500〜1000(+100)の掌編として書いています。
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鋏の持ち手、切っ先は内
タタタン。タタタン。枕木を蹴る列車の音。タタタン。タタタン。ミシンが稼働し、糸が縫い付けられていく。この糸は線路で、どこまでも遠くへ運んでくれた。タタタン。タタタン。口のない友人に目のない隣人。見返りがないことなんてわかりきっていて、だからこそ献身的になった。バツン。停止の汽笛。丁寧に糸の処理をしたら、今日の運行は終了。また明日、と目を瞑る。
教室は異界だ。ぱらぱらとクロッキー帳を意味もなくめくりながら耳を澄ませてみる。昨日のテレビの話、一週間後の課題の話、好きなアーティストの話、恋人の話、進路の話。毎日話題を取り換えながら、それでも同じような喧騒が形成されている。色んな話が溜まって淀んで、消えていって。異界だ。呼吸の仕方を間違えれば生きてはいけなかった。でも、正しい呼吸の仕方は知らなかった。そういえば、そろそろ夏至だっけ。
月白
げっぱく
色
いろ
を使ったデザインが目に留まる。海のモチーフは涼し気でこれからの季節にぴったりだ。くらげの帽子に合わせるなら、どんな服がいいだろう。全体的にトーンを合わせて透明感を意識して、でもそれだと埋もれちゃうから
……
。紙が汚れていく様を必死に追う、ざわめきが遠ざかっていく。
何年も何年も、枕木が跳ねるのを聞いていた。あの音はいつでも寄り添って運んでくれる、けど私は車掌で、始点も終点も決められていて。どこにだって行ける訳じゃなかったけど、それが良かった。
切って、繋げて、縫って、いとを通して。たった一枚の布が形を持ち、誰かを着飾るようになっていく。縫製は魔法。息を吸うことが上手く出来ない私は、いつか溺れてしまうかもしれない。でも、小さな緑に水を与えられるなら、吐いた息を必要とする人がいるのなら、正しい呼吸なんて知らなくていい。受け取るより与える方がうんと簡単だった。私は送り出す側が良い。童話の中の魔法使いだって、自分のために魔法を使いはしないのだから。
・・・・・・
○中島
はやく仕事をやめてください 本当にいつも何か 仕事が
……
仕事ってか職場
魔の巣窟か?地獄? 自分より人優先 自機のグッズつくれ クラゲ
寄せては返す波にただ揺られている。
花に水をあげる人 とにかく ひたすら 静かに
服飾デザインすごい 服飾の学校に通っている子にでもしようかな~自分の着る服はいつもジーンズとTシャツ。
テレビの中の魔法使いだって魔法は誰かのために使っている。縫製は魔法なんだから、私は送り出す側が良い。私は鋏の受け渡しに、刃を向けるようなことはしない。
・・・・・・
優しさ、というか、気遣いの一つに「刃物の受け渡しの際切っ先は自分に向ける」というものがあると思っています。大抵小学校などでそうしましょうと習うかとは思いますが、それを実行し続けることが出来るかどうかは別の話なので。
「私」の積み重ねたやさしさや気遣いは当たり前ではなく、刃を向けないという信頼と安心はきっと助けになるでしょう。「私」自身にも、周りにも。
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