osorakirei_
2024-05-20 18:18:49
19184文字
Public 小説
 

# いいねした人をイメージして小説の書き出し一文

※前提としてタグ改変をしています。書き出し一文でイメージが伝わるわけがないため、500〜1000(+100)の掌編として書いています。



偶像崇拝

 祈りを捧げている。
 一心に、手を組んで、首を垂れ。名前だけが存在している神。詳細がなくとも不思議なことに共通のイメージというものはあるらしく、そうして作り上げられた偶像をみんなが崇拝している。この地域では伝統的信仰が根付いていて、生活の一部になっていた。年に一度のお祭りがその内の一つ。広場は人でごった返していて、彼らは当然のようにの存在を讃えている。宗教や信仰は個々人の自由によるというのが大前提であっても、敬虔けいけんな民に囲まれる信仰心のない私は、自由などないように感じた――あ、フランクフルトください。一本――それで居心地の悪さを感じるほど繊細ではないのがせめてもの救いかもしれない。
 憧れは欠陥から象られる。あるいは畏怖。ないものねだりを誰もがしていて、補い合える存在を探している。圧倒的な力は魅力に代わるし、強い感情は心を屈折させる。信仰や崇拝は憧れによるものだと思う。自分の欠けた部分を、庇護される安寧を見出している。弱いからじゃない、相手が強すぎるだけだ。
 ただそれが形を持つ時、本物とかけ離れてしまっていたら。憧れを取り出して固めた像は、全く同じにはならないだろう。似たようで違う、違うようで似ている、歪な何かに縋る様子は滑稽ではないだろうか。整然と並ぶ文字を指でなぞる。祭囃子が鳴っている。詳細な文献は残っていない、名前と偶像だけが語り継がれている存在。たったこれだけが、私以外のみんなの救いになっている。不思議でならなかった、みんなが何を見ているのか。私の目にはただの文字にしか映らない。祭囃子が鳴っている。とっくにフランクフルトは食べ終わっていて、所在無げに片手の指先で揺れていた。そろそろ帰ろうか、と広げていた本を閉じては道端に備えられたベンチから立ち上がる。屋台飯は魅力的だけど、ゴミの処理には困るんだよな。
 目が合った。
 群れに戻るための一歩を踏み外したまま、心臓が止まって、息が震えた。祭囃子が鳴って、いた、はずなのに。こちらを見つめる彼女は背が高くも、力がありそうでも、強そうでもない。不思議でならなかった、けれど、理解した。事実と離れている方が良い、どうしたって分かってしまう。この感情から逃れられないのならば。
 文化が根付くのには理由がある。偶像は救いだ、本物とかけ離れていることが重要だった。偶像を目に入れない私だけが、本物の姿を認められてしまう。畏怖が笑う。憧れが、象られる。
 伝承や信仰は、こうして作られていくのだ。視界が白く染まる中、目を離せないままに思った。





・・・・・・ ○つる
強い 二次創作 兄がいる 兄貴呼び 共通イメージ →集合的無意識?
絶対年上 モブ視点にしようかな 伝承や信仰はこうして作られていくのだと思った
偶像崇拝 アイドルとかよりは神話や民話的な破壊神
憧れは欠陥からかたどられる あるいは 畏怖
目が合った 心臓が止まって息が震えた 「私」は陰だろうし「彼女」は陽だろうし
祈りを捧げている 事実とかけ離れている方が良い どうしたって分かってしまう この感情から逃れられないから

人が群れていないというだけで、何かが断絶されているような気がした。ベンチの前にある……きっとこの辺りにあるだろうこの線の、外と内で、空気が違った。雑音が消えるわけなく、喧騒は耳に届いているというのに。祭囃子が、鳴って、いた。
・・・・・・

つるは絶対に年上なので(!?)神になってもらいました。まぁ神って年齢の概念とかない気がするけど。
ちなみに「彼女」は兄弟神がいるとかいないとかも話されています。
きっと悪いようにはされないでしょうから、「私」は「彼女」の下で本当の意味で敬虔な民になれると良いですね。