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osorakirei_
2024-05-20 18:18:49
19184文字
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小説
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# いいねした人をイメージして小説の書き出し一文
※前提としてタグ改変をしています。書き出し一文でイメージが伝わるわけがないため、500〜1000(+100)の掌編として書いています。
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春一番
兄が出て行ったのはもう何年も前のこと。いわゆる家出というもので、外に出かけたっきり、そのまま。散歩、と言っていたような気がする。お昼を過ぎた十四時くらいのあたたかさはよく覚えているのに、兄の言葉はぼんやりとしていて明瞭じゃない。とにかく陽が程よく出ていて風もそう強くなくて、過ごしやすい春の昼間だった。全部が心地よくて、だから気が緩んで甘えて、ちゃんと聞かなかった。散歩。この三文字が事実だったのかずっと自信がない。こんなたったの三文字なのに。
別に、おかしくはない。だってあの時はもう二十歳を越えていたんだし、二十を過ぎた大人が実家を出るなんてこと珍しくもない。だから多分家出と言う方がおかしくて、でも家族が急に消えちゃったら驚くし、心配にもなるでしょう。分かるのに分からないことをぐにゃぐにゃと考えている。庭にある桜の木はもうすっかり散ってしまって青々とした葉をたっぷり蓄えて、大胆にイメチェンを済ませていた。これからどんどん、カエルの声が大きくなる。ちっくたっくと回る時計の音なんか比べものにならないくらいの大合唱が。ああ、もう買い物に行かなくちゃ。
びゅおお! ぶわり。
前髪がひっくり返って、思わず目を瞑る。開けた扉から入り込んできた強い風が、さっきまで頭の中で繰り返されていた合唱を吹き飛ばした。その代わりに、なのかなんなのか、その風は幻聴でない音を置いていく。もう何年も聞いていなかったのに、人は声から忘れるって聞いたことがあるのに、やわらかく耳になじむ。
兄がいた。本当に兄なのか? 半信半疑で開いた口が塞がらないまま、目の前の男を見つめる。きっと鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていると思う。慣用句の擬人化になったみたいだ。自我を取り戻すため、一旦こわごわどこ行ってたのと聞いてみる。
散歩、と笑う彼の足元には桜が舞っていた。季節外れの春だった。
・・・・・・
○ぜず
かわいいアザラシちゃん 人生 家族 パモ 絵かわいい~~~ いのち
勘ガキ たまに鋭角から攻めてくるのすごいよな 癖近フォロワー デデンネ ゆびをふる
季節なら春!カービィちゃん
・・・・・・
家族といえばぜずさん、ぜずさんといえば家族。とりわけ兄弟、兄
……
の印象が強かったのでそんな感じです。
春は出会いと別れの季節。桜に攫われるなんて言われるけれど、兄はきっと攫われてしまったのだろうけど、そんな風には思っていないんだと思う。別れた季節を連れて帰った兄は春そのものみたいだって、思った。
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