ツキシキ
2023-07-01 22:03:50
117641文字
Public
 

★天使のうつわ・おばけと魔法とまとめ

13作品。「空想地球儀」作品の二次創作。


ぎゅー(おばけと魔法と)


ムム×メルル。メルル視点でほのぼのカップル。
____________





 アタシとムムの違いを話しましょう!
 ムムは無口なクールガイだけどアタシの口はおしゃべりで、ムムはとっても頼れる力持ちだけどアタシはか弱い女のコで、ムムの身体は二本足で柔らかいけどアタシの下半身はのっぺりウロコでゴツゴツしてて、ムムは魂だけでもずぅっと居られるけれどアタシはおばあちゃんになってそのうちぽっくりしてしまう。
 まだまだまだまだアタシたちの違いはたくさんあって、一つ一つを数えるだけで夜はぐるんと一回転。それってつまりは一日中ムムのこと考えていられるってことで、まあアタシのいつも通りなんだけれど、ならアタシってなんて幸せものなのかしら!

 ムムのこと考えてると胸の奥がぎゅうってなったり、あり得ないお別れを想像してかなしみが目元を濡らしたり、アタシのココロは大忙し。くるくる変わる働き者のココロはそのうちたまらなくなって、外に出たいと叫び出す。

 だから、アタシはいつもこう。

「ねえムム、ぎゅーってしてもいいかしらっ!?」
……
「わぁい!」

 ムムはいつでもにっこりさんで、アタシが急にワガママ言ったって目元を緩めて受け止めてくれる。
 しゅるしゅる尾っぽを絡ませて、互いの身体をぴったりひっつけて、けれども胸の凸凹とお腹の固さと背丈の違いと、そのほかいっぱいの違いをどうあがいたってアタシたちの間に隙間はできる。だからってぎゅうぎゅう力を込めちゃったらボキンと身体が折れてしまうのは前の前の前のムムで知ったから、それから気を付けてはいるけれど。
 でもそれって無理難題。だって愛をどうやって加減しろっていうのかしら!

 ムムもとってもアタシ想いなダーリンだから、痛いとかつらいとかやめてとかはちっとも言わないでどれだけ締めても締めてもやっぱりいつでもにっこりさん。そんなムムに甘えてしまう、アタシはやっぱり小悪魔ガールなのね。

「ムム、ムム、痛くない?」
……
「ムム、アタシのこと好き?」
「♥」
「ムム、アタシとずっと一緒にいてね」
……♪」

 みしみしと音が鳴る中、ムムはアタシのオトメな質問にもありのままで返してくれる。ムムの身体はヒンヤリしてて、ドキドキ高鳴るアタシの熱い上半身とは全然違うけど、冷たいウロコを貼り付けたアタシのお蛇ちゃんな下半身とはとっても似てる。

 ムム、ムム、大好き。引っ付いてるだけで気持ちのぜんぶが馬鹿みたいに丸ごと伝わればいいと思うけど、そうしたらアタシとムムが縫い合わさって、できそこないのパッチワークになるんじゃないのかなって、どんどん想像が育っていく。

 そうして膨らんだ想像は、怖いことを言ってくる。

 アタシはこんなにムムが大好きだし、ムムも好きって返してくれるけど。
 ほんとのほんとにムムの好きって、アタシとおんなじ気持ちなのかしら?



 ときどきふっと考えて、でもその意味のなさに笑ってしまう。

 もしおんなじならきっととっても幸せだけど、違っていたらいたとして、それでもやっぱり幸せなのよ。
 ムムのこと考える夜がまた一回、長くなってくれるんだもの。

 おなじもちがいも愛してるから、きちんとこぼさず抱きしめなくちゃ。

「ね、ムム!」
……?」

 ムムは小首を傾げて、それでもやっぱりにこにこ顔だった。アタシと、おんなじ!





<END>