お芋さん太郎
2022-06-03 21:08:54
21068文字
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ドキッ! 護衛なしでお友達と初めてのお泊り花火大会 in 熱砂の国

※ツイステ
※ディアソムニア寮
※オリキャラ
※アリアーブ・ナーリヤ

以前pixivに投稿していた作品です。





土産に食料、日用雑貨が所狭しと並ぶラクダバザール。
人混みで溢れる中、右に左に忙しなく目を動かしながらスルスルと進む一行を、空からこっそり見守るのはゾウさん組だ。
手にはそれぞれ好みの味のシャーワルマーを持ち、その美味しさに舌鼓を打ちながら上空からの撮影に勤しんでいた。

「僕のラップサンドに野菜たっぷりチリソースがけも美味しいけど、ジャミルのおすすめも美味そうだよな」
「本当、これ買う前に聞きたかった。バイパーのチョイスならハズレ無しだろ」
「後でまた買いに行こうぜ!」
「うーん、空からだと人混みのせいで寮長が上手く映せないな。あまり近づくと気づかれちまう」
地上のラクダ組、そちらの撮影は順調か?」
『ああ、人が多いから簡単に紛れることができる』
『ファストフードにかぶりつく寮長なんて貴重だぜ!』
『音声も今のところバッチリさ』
「そいつは良かった。引き続きよろしく頼む」
『承知した』

承知したと同時に眠気に襲われたシルバーは、同級の寮生に叩き起こされた。
彼に礼を言い、マレウスらとつかず離れずの物陰から撮影を進める。

ラクダ組は、シルバーに、シルバーと同級の寮生、そして熱砂出身の三年生の三人組だ。土地勘のある熱砂出身の寮生がいるため、このグループはちょこまかと市内を駆けまわりながら他のグループの撮影を補助する役割だ。

空からの撮影は難しいとなると地上からの撮影がメインとなる。
人が多く見失う可能性も考慮して、三年の寮生はゾウさん組との通信を終えた後、すぐにクジャク組とキリン組にも応援を頼んだ。

「シルバー、先輩がこっちの方が撮りやすいって言ってる。移動しよう」
「ああ、ありがとう。先輩も」
「俺は俺のできることをするまでさ」

三人でコツンと拳を合わせて笑い合った。


撮影はカメラのバッテリーが不安になるほど順調に進んだ。
クジャク組とキリン組も合流し、撮影ポイントを教え合う。
マレウスも思ったよりも旅行を楽しんでおり、寮では見られない表情も見て取れた。

「ドラゴンに関しては譲らないところがまた!」
「マレウス様らしいな」
『ただのフルーツなんだけどな~』
『判定ガバガバじゃの』

『はい! ご当地アイスにご満悦な寮長レアスチルいただきました~~~!』
「はァ~尊っ!」

「シルキーメロン、友情の証だって! っていや分けねェんかいっ!」
『ン~、まァな~野郎とは分け合わねェよな~』
『これくらいのメロンなら一人でペロリだよな!』
「ちょっと来てみろよ、こっちのアイスも美味そうだ!」

「協調性なさすぎだろあのグループ」
『ジャミルの妹が可哀そうだよ』

『なにグリムと日陰争いしてるの寮長!?』
『小動物と戯れる姿は貴重だぜ!』
「あの軽い身のこなし!!! 流石マレウス様!!!」
『好き!』
『ごめんな、お前の想いには応えられねえ
『アホかお前じゃねーよ』

「副寮長、ココナッツジュース飲んだことあるんですね」
『おおマレウス、わしの話を覚えておったか。それは嬉しいのう。なかなか国外旅行に出かけられないマレウスに夜な夜な語ったかいがあったというものじゃ』
『マレウス様もみんなに頼られて嬉しそうですね』
「おれも寮長にココナッツ割ってほしいなあ」
「ホラ貸してみろ、オレが割ってやるよ」
チェンジ!」

『妹にガチ心配されてるスーパー従者ジャミル、笑えるぜ』
「スカラビアとの交渉に使えるな」

撮影を続ける寮生らも、もはや他の観光客と変わらない。
アハアハと笑いながら楽し気に市場を眺めた。

シルバーも例外ではなく、綺麗な陶器の並ぶ屋台から目を上げて、そして違和感に気が付いた。

「ん?」
「どうしたシルバー?」
「マレウス様が、いない」
『『『え!?』』』

バタバタとあたりを確認するが、マレウスらしき影は無い。
そもそも2mという長身でしかも輝かんばかりの伝統衣装を身にまとっている美丈夫など、意識しなくとも目がいくはずだ。

「半径10m以内を確認してきたが、どこにもいないぜ!」
「まさかこの人混みの中で迷子!?」
『何をしている、シルバー!!! あぁ若様!!!』
『セベクうるせぇ!』
「一瞬のうちに消えたよな、空間転移魔法か?」
『オレたちは箒で上から探すッ!』
「ああ、頼んだ!」
『クジャク組は東の通りを探してみよう』
「了解した。俺たちラクダ組は大通りを、キリン組は西を頼む」
『捜索時もカメラを回しておけよ、ハプニング集も作りたいからの』
「だから、副寮長なんでそんなに楽しんでるんですか!?』