お芋さん太郎
2022-06-03 21:08:54
21068文字
Public twst
 

ドキッ! 護衛なしでお友達と初めてのお泊り花火大会 in 熱砂の国

※ツイステ
※ディアソムニア寮
※オリキャラ
※アリアーブ・ナーリヤ

以前pixivに投稿していた作品です。





リリアの指示でリムジンの上空を連なって飛ぶのは、ゾウさん組の4人。

飛行術が寮内随一のこの四人組は全員マジフト部員だ。
今回の作戦では主に空からの撮影を担当している。

「とんでもなく長いリムジンだが、寮長はどこに乗っているんだ?」
「窓際に乗っていてくださると良いのだが
「いたぞ! よしきた、窓際だ! 右側後方に確認」
「カメラの準備を!」
「もうしてるッ」
「ヴァンルージュ、こちらゾウさん組。リムジンに寮長の姿を確認。撮影を開始する」
『了解。よろしく頼む』

ゾウさん組のリーダー、ジャスティンがインカムでリリアに報告し、満を持して撮影が開始された。

「車酔いを疑われてムスっとしてる寮長レアすぎるッ!!!」
「俺たちの寮長、ようじょじゃん」
「今更だろそれ」
「ちょ、待って、オレにも見して見して」
「バッカお前の持ち場はあっちだろ!」
「はァ~~~尊っ」
「「「それな~」」」
『マレウスは車に乗るのも初めてなはずじゃ』
「「「「え~~~!」」」」
「じ、じゃあ
「初めての車に乗って」
「上機嫌でほほ笑みながら景色を眺め」
「友人にからかわれつつ」
「談笑してる寮長ってこと?」
「なにそれしんどい」
「心臓がギューってなった」
「オレ、涙出てきた」
「無理」
『ほれ、頑張れ。初っ端からそれでは先が思いやられるぞ』
「「「「は~い」」」」

道路には街路樹や標識もたくさんあったが、戯れながらもヒョイヒョイと軽く躱して撮影を進めていく。
彼らに気が付いたトラックの運転手が驚きのあまり飲み物を吹き出しているのを嘲笑し、乗用車の後部座席で指さす子供ににこやかに手を振った。
日差しは暑いが首筋を撫でる風は心地よく、いつまでも飛んでいられる気持ちになる。

「ところでなんで俺たち箒部隊が『ゾウさん組』なんだ?」
「ほらあれだろ、耳で空飛ぶゾウのやつ」
「おっと無駄話はそこまでだ。こちらゾウさん組、リムジンがアジーム公園で停車した」
『ふむ、予定には無い行動じゃな。そこからはクジャク組に対応させよう。主らは休憩をとるがよい』
……! 了解!」
「やった!休憩だぞ!」
「あっちに屋台がいっぱいあったぜ」
「腹も減ったな!」

せっかく来たのだ、観光も楽しまねばと4人は足早に市場に向かう。

こんなことでもなければ人生の中でも来ることのなかったかもしれない国である。彼らにとってもすべてが新鮮、すべてが初めて。
事前にリリアに教えてもらったスポットや、熱砂出身の寮生に聞いていた情報とガイドマップを頼りに街を進む、ただそれだけで胸が弾むのだ。

寮長も楽しんでくれているといいな、4人は心の底からそう願った。