お芋さん太郎
2022-06-03 21:08:54
21068文字
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ドキッ! 護衛なしでお友達と初めてのお泊り花火大会 in 熱砂の国

※ツイステ
※ディアソムニア寮
※オリキャラ
※アリアーブ・ナーリヤ

以前pixivに投稿していた作品です。





「こちら本部、こちら本部。みなの者、首尾はどうじゃ?」
『こちらキリン組、配置につきました!!』
『クジャク組、準備万端!』
『ゾウさん組もOKだぜ』
『こちらラクダ組、マレウス様がリムジンに乗るのを目視で確認しました』
「承知した。ラクダ組はご苦労、次のポイントに移行せよ。キリン組、クジャク組はそのまま待機、ゾウさん組は箒でリムジンの追跡を」
『『『『了解』』』』』

絹の街の外れ、とある宿。
異国情緒溢れるそのある一部屋にて、リリアは流れるように寮生らに指示を出した。

熱砂特有の歯が溶けるほどに甘いお茶を1口飲み、ドカりと背もたれに寄りかかる。
簡易的な木の椅子に申し訳程度のクッションで既にケツは痛いが、それもまた一興、旅の醍醐味というもの。
乗ればギシギシと鳴る粗末なベッドに、棚に飾られたよく分からない民芸品と色鮮やかな一輪挿し。
壁にかけられている名も知らない画家の風景画は夕焼けの赤が眩しい砂漠にラクダが一頭。
開け放たれた窓からはガヤガヤと通りを歩く人の声がそよ風に乗って聞こえてくる。
簡素な木の机の上に並べられたモニターやたくさんのボタンが付いた機材、ごちゃごちゃした配線コード、そして自らの頭に装着されているインカムがやけに無機質に感じられるほど、この国は情熱的で開放的で実に人間的である。

茨の谷と学園しか知らないマレウスの眼に、この国は、この国の人々は、暮らしは、どう映るのか。そしてこの旅から何を学ぶのか。

「子どもの成長とは、早いものよ」

リリアが一人、楽し気に呟いた。