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お芋さん太郎
2022-06-03 21:08:54
21068文字
Public
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ドキッ! 護衛なしでお友達と初めてのお泊り花火大会 in 熱砂の国
※ツイステ
※ディアソムニア寮
※オリキャラ
※アリアーブ・ナーリヤ
以前pixivに投稿していた作品です。
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『というわけでクジャク組諸君、お主らの出番じゃ』
「了解です、副寮長」
クジャク組の愉快なメンバーは3人。いずれの者も隠密行動に長けたちょっと危ないユニーク魔法の使い手だ。
アジーム公園はプライベートパークということもあり、事前許可も無しに直接の撮影は難しい。
しかしこういう時に限って面白いことが起きたりするものだ。長年の経験から面白そうな気配を感じ取っていたリリアは、こんな場合に備えて私有地での撮影について旅行前日にカリムに相談しあっさりと許可をもらっていたし、ジャミルにも報告済みだった(報告・連絡・相談は仕事の基本だ!)。
しかしあくまでもコンセプトは『ドキッ! 護衛なしでお友達と初めてのお泊り花火大会 in 熱砂の国』である。
マレウスに気づかせずにこっそりと、それでいてじっくりと撮影をしたいというリリアの強い希望により誕生したのがクジャク組だ。
3人はアジーム家の印の入った撮影許可証を首からぶら下げ、不審者に間違われないようにという完璧さ。
この許可証を受け取ったときのジャミルのゴミを見るような目と言ったら、それだけで熱砂に雪を降らせそうな冷たさだった。
「デカい公園だけど、これアジーム家所有って本当ですか?」
「富豪ヤベーな
…
」
想像の100倍は大きな公園に目を剥くが、それなら逆に隠密行動はしやすそうだと3人はテキパキと準備を進めた。
カメラを持ったとある寮生が残る2人に手で合図した。
目を瞑り、1、2、3と数える間にその姿はスっと消える。
彼の能力は『擬態』。人間の意識の隙間を掻いくぐり、さも存在しないように見せかけるのだ。
カメラの寮生は「それじゃあ行ってくる」と一言だけ残し、消音魔法でも使ったのだろう、その後は足音1つ残さずに公園へ入った。
このチームの年長者である3年のとある寮生は草むらに入りカバンを漁った。
口笛を吹くと寄ってくるのは虫、虫、虫。
虫嫌いなジャミルが目撃したら発狂しそうな光景だが、虫をある程度操り、視界の共有ができるというのが彼のユニーク魔法だ。
集まった虫たちの数と種類を確認し、カバンから取り出した超小型の集音装置を取り付けてもう一度口笛を吹くと、虫たちはそれぞれの場所へ散っていった。
残る1人、大荷物を背負っていたとある寮生は背負っていた器具を地面に下した。
見かけはディアソムニア寮でよく見かける糸車と糸の巻かれていない糸巻きのような器具だが、もちろんこれは糸車でも糸巻きでもない。
彼が虫を送り出した寮生の肩に手を置きもう一方の手を糸車にかざすと、カタカタと音を立てて糸車が回り出す。
リズミカルに動くその先では、糸巻きに黒いテープが巻かれていく。
次々に巻き取られるそれは、実は磁気テープだ。ユニーク魔法によって、虫たちと視界を共有した彼の思考を磁気テープに写し取り、映像化している。
監督生の世界で有名な魔法学校を題材にしたとある児童書で例えると、記憶を複製して取り出す『ペンシーブ』のような能力だ。
試し撮りが成功したことを確認し、二人で目を見合わせ頷き合う。
「よろしく頼む」
「ベストを尽くしましょう、先輩 。」
いよいよ仕事の時間だ。
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