この者を毒として、愛と成す(Dom/Subユニバース うちよそパロ)

うちよそオスラッテ、またパロった。リクエスト多かったDom/Subユニバース初めて書きました。



「全く、兄さんはどうしてこう……ストレートに物を言ってしまうんですか」
「面目ない……
 すぐに駆けつけてくれたウゲツに診てもらったところ、大事には至らないと言われて本当に安心した。が、初対面でいきなりプレイをしようと言うのは良くないと、しばらくの間説教をされた。
「そもそも、プレイというのは互いに信頼関係を築いていることが前提にあるんです。それがないままプレイを行うことによるリスクを抱えるのは、Subの方が大きいんですよ」
「はい」
「まさに今、この方がSub dropで苦しんでいるのはそういったことも関係しているのかもしれないんです。それなのに、知らない場所でいきなりプレイしましょうなんて言ったら、例えるなら強姦と同じようなものです」
「はい……
「今まであのお二方とプレイをなさっていて問題なかったのは、兄さんとは元々信頼関係があったからこそです。だからこそ今回は慎重に、相手を思いやるようにって私は言いましたよね」
「仰る通りです」
「では兄さん、クルーシュさんが次に起きたらまずは誠心誠意を持って謝罪をしてください。それから、少しでもこの方が快適に過ごせるようにお世話し尽くすこと、それが体調の回復にも繋がります。いいですね?」
「はい、本当にすみませんでした」
「謝るのは私じゃないですよ」
 それからもウゲツは俺に言い聞かせるように繰り返し同じ内容の説教をしていた。俺も充分に反省して説教が止んだ時には、もう日が傾いていた。
 その頃にはクルーシュも目を覚まして、幸いウゲツからも悪化はしていないと改めて診断してもらった。クルーシュは俺にもウゲツにも申し訳ないと何度も謝ってくれたが、今回悪いのは全面的に俺だ。
 だから、今度は丁寧に、彼の意志を確認しながらプレイについて話し合った。クルーシュも少し悩んでいる様子だったが、それでも最終的には俺とのプレイを同意してくれた。俺も、師匠たち以外とプレイをするのは初めてだから、精一杯尽くそうと心に決めた。



 それからはまず、ウゲツが作ってくれたお粥を食事としてクルーシュに与えた。お粥自体は消化の良さを優先しているので味が薄く、エオルゼアから来たクルーシュの口に合うのか心配だった。けれど、俺が食べられる分だけでいいと伝えてもクルーシュはとても美味しそうにお粥を食べていた。そうして気が付けば土鍋の中は空っぽになっていて、美味しかったと感想を言うクルーシュはとても満足そうにしていたから、思わずウゲツと顔を見合わせてしまった。
 その後は風呂に入れてやろうと思ったが、ウゲツから今日は入浴は控えて身体を洗うだけにするようにと伝えられた。クルーシュを浴室まで連れて行き、着せていた寝間着を脱がせてみると、同じミコッテ男性のシェイに比べてかなり痩せ細っていると改めて感じた。シャワーの前の椅子に座らせて髪の毛や尻尾を洗ってあげると、汚れの取れた白い毛は艶を出して輝いているように見えた。彼もこちらに任せてくれているのか、目を閉じたままじっとしていた。全身の肌もどうやら元から白めだったようで、身体が温まったことで浮かんでくる朱色が良く映える。そして自分が身体を洗う前にクルーシュを浴室から出そうかと考えていた時に、彼から手伝いをしてみたいと言われた。流石に全身というわけにはいかないので背中だけお願いしてみたが、肌は傷つけないように優しく、鱗の部分は少し強い力で擦っていたが、それでも心地よさを感じる丁度いい力加減だった。
……うん、すごく丁寧にやってくれてるな。ありがとう」
「あ、いえ」
 普段は1人でやることだから、こうして背中を洗ってもらったのもいつぶりだろうか。彼の心遣いが伝わってきたことが嬉しくて、浴室から出て髪や尻尾の毛を乾かす時にはこれでもかというほど構い倒してしまった。これについては、毛の触り心地がとても良かったというのもあるかもしれない。



 部屋に戻ると、交換されて敷き直された布団一式と、クルーシュの荷物と洗濯されて綺麗になったスーツが隅に置かれていた。どうやら師匠たちの調査は終わったようだ。あとで報告を聞きにいくべきだろう。ただ、まずは目の前にいる彼の世話が優先だ。
「あの、ディルさん。もしかしてあのスーツ、洗濯して頂いたんですか?」
「ん、ああ。汚したままなのも良くないと思ってな、勝手ながら洗わせてもらったんだ。何か不都合でもあったか?」
「いえ、全然ないです! むしろありがとうございます……
 お礼を伝えてくれたクルーシュは、しばらくその場を動かずボーっとしている様子だった。もしかしてのぼせたか、体調が悪化してしまったのだろうか。しかし、最初に起きた時に比べればかなり動けるようになっているし、足取りもある程度しっかりしている。
「クルーシュ? どうしたんだ、ボーっとしたままで」
……っいえ、なんでもないです」
「そうか。ならそこの布団の上に座ってくれないか?」
「わかりました」
 返事をした彼は、そのままペタンと布団の上に座った。その姿勢には見覚えがあった。
 あれ、俺、彼に座れKneelのCommandを使ったか?
……あれ」
 クルーシュも困惑している。俺もどうしてこうなったのか分からない。けれど。
「なんで……?」
 その座り方は、プレイの始まりの合図にもなりうる行為だ。いいのだろうか、クルーシュに俺が命令しても、許されるだろうか。
「クルーシュ」
「あ、あの」
 聞いてみたい。彼の口から、どうしてほしいのか言ってほしい。
「その姿勢をするってことは、プレイしても構わないってことだろうか?」
「ええと、その、今、Commandは……使っていませんよね?」
「ああ。でも自分からそれが出来たんだから、充分偉いと思うぞ」
「んっ……
 俺の声に対して、反応している。ああ、なんていい子なんだろう!
「その、ディルさん。よければプレイ、してほしいです。俺がんばりますから」
 彼から申し出てくれた、本当に素直な子だ。だからこそ、守ってあげたくなる。庇護欲が溢れだし、独占欲にかき乱され、今まで味わったことのない高揚感を感じる。これが本来のDomとしての本能だというのか。
……はは、そうか。ありがとう、そんなに気を張らなくても大丈夫だからな。今回は少しだけだから、な?」
「はいっ」
「ふふ。じゃあ、Safe wordを決めてくれ」
……なら、Redで」
「了解した」
 やっと手元に来てくれた、その喜びに全身が満たされそうだった。
「じゃあ、クルーシュ、こっちにおいでcome
「ん……んんっ……!」
 Commandを受けたクルーシュは嬉しそうにこちらにゆっくりと近づいてくれる。早く来てほしいという気持ちを抑えて待ち、目の前に来た時には褒美として抱きしめてあげた。
「ああ、いい子だなgood boy
……っう、ん」
 ニコニコと笑いかけてくれるクルーシュは、本当に可愛らしい。こちらを見つめてくる橙色の瞳はとろけてしまいそうだった。
「じゃあ、次は、布団へ寝転んでくれRoll
 クルーシュはすぐにゴロンと寝転んで、お腹を曝け出すかのように仰向けになった。まるで本物の猫だ。少し呼吸が荒く、体温が高くなっているのか頬が僅かに赤くなっているが、ここまでのプレイを嫌がる様子はない。
「よし。どうだ、少し息が荒いが、どこか具合が悪くなったりはしてないか?」
「だい、じょうぶ、です……はあっ」
「ん、よく頑張ったな。今回はここまでにしておこう」
「はい……っ」
 最初のプレイとしてはこれで上々だと判断してプレイを終わらせる。あとはDomとしての責任として、アフターケアもしてあげるべきだ。俺もクルーシュの隣に寝転んで、身体を冷やさないように抱きしめてあげる。先程一緒に身体を洗ったばかりなので、同じ石鹸の香りがする。触り心地の良い頭を撫でたり、暖めるように背中を撫でてあげたが、そのたびに耳や尻尾がピコピコと動くのが本当に愛らしい。
 そのまましばらく撫でていたが、やがてクルーシュの瞼が閉じかけていることに気が付いた。まだ体調も万全ではないし、プレイをしたことによる疲れもあるだろう。
「おやすみ、クルーシュ」
 そう言ってから彼が寝入るまで、彼を撫で続けていた。穏やかな表情のクルーシュの寝顔をじっと見ていると、このまま1人で寝かしておくのが妙に不安になってきて、俺は速やかに自室から自分の布団一式を抱えて持ってくると彼の隣に敷いた。そうして彼の寝息を聞きながら、俺もゆっくりと眠りについた。