pinopipi
2026-07-14 08:08:32
26803文字
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きみがいい

ヌヴィフリ/貴族パロ/捏造&改変だらけ/1P目の注意書き必読


屋敷へ戻る道中、ヌヴィレットはふと推しの顔を思い浮かべた。
最近ずっと会っていない。数日前の公演にも出演していなかった。王城内ですれ違うどころか、遠目で姿を見かけることも、声を聞くこともなく、どこか物寂しい日々が続いている。
会いたい、と。ヌヴィレットは心の中で小さく願った。
フリーナの、愛らしく笑う顔が見たい。『ヌヴィレット!』と、透き通るような美しいソプラノで名を呼んで欲しい。もっと、彼女のことが知りたい。
気付けばコリオとして舞台に立つ姿ではなくーーーー王女フリーナの姿を思い浮かべ、頭の中がいっぱいになっていた。
この気持ちが一体何なのか、ヌヴィレットには分からない。
けれど、ヌヴィレットの中でフリーナの存在が大きくなっていく度、心地良い熱が全身に巡り、心が温かくなっていく。
だから。
他国になど、くれてやるものか。どんな手を使ってでも、彼女の永住権を勝ち取ってみせよう。
望まない婚約は白紙にし、彼女自身に選ぶ権利を。
どうか、生涯この国で幸せに生きて欲しい。
"フリーナはフォンテーヌ王国の宝だ"と初めに言ったのはフォカロルスだった。今ではヌヴィレットも、フォカロルスと全くの同意見だ。

そう思考を巡らせているうちに、次第に眠気に襲われる。
空は既に白み始めている。
ヌヴィレットはフリーナのことを想いながら、静かに瞼を閉じた。