pinopipi
2026-07-14 08:08:32
26803文字
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きみがいい

ヌヴィフリ/貴族パロ/捏造&改変だらけ/1P目の注意書き必読


翌日、ヌヴィレット邸。
ここ1週間、通常業務に加え法改正の件で多忙を極めていたため、今日は久しぶりの休暇だった。
昨日、あの後終業時間ギリギリではあったが、法典に追加・修正する内容を記載した正式な書類を無事女王陛下へ提出できたので、ヌヴィレットはやっと肩の荷が下りた心地であった。
ーーーーが、一向に動悸がおさまらず、全身が火照り続けている。なんとなくずっと気分が優れない。その原因がなんなのかハッキリと分かってはいたが、あえて考えないようにしていた。
ゆえにヌヴィレットは気分を紛らわせ少しでも心を落ち着かせようと朝から自室に籠り、趣味である水のテイスティングを楽しんでいた。世界各地から取り寄せた名水をひとつひとつ時間をかけてじっくりと味わい、ひとり満足げな笑みを浮かべる。ふと窓の外を眺めると、昨日からずっと厚い雲に覆われていた空は次第に晴れ間が差し、青空が広がった。
屋敷の使用人として働くメリュジーヌ達の声が庭の方から聞こえる。「やっと晴れてくれた!」「今のうちにシーツを干しちゃおう!」と嬉しそうに話していた。
ヌヴィレットは彼女達の明るい会話に耳を傾けながら、グラスの中の水に視線を戻す。穏やかで平和な良き休日だ。気付けば動悸や火照りはおさまり、天気とともに気分も晴れやかになった。どうかこの平穏がいつまでも続いて欲しいと心の内で願ったーーーーその時。
こんこん、と扉を叩く可愛らしい音が聞こえた。

「ヌヴィレット様、女王陛下からお手紙が来ていますよ!」
「ありがとうセドナ。受け取ろう。」

メイド長・セドナからヌヴィレットへ、1通の手紙が手渡された。
金箔で煌びやかに飾られた上質な素材の白い封筒に、王家の雫型の紋章が鮮明に刻印されたロイヤルブルーの封蝋。セドナの言う通り、これは間違いなく女王からの手紙だった。
ペーパーナイフを使い丁寧に開封すると、中には便箋ーーーーではなく、封筒とほぼ同じサイズの、これまた上質な厚紙が1枚入っていた。通常とは異なる仕様に、ヌヴィレットは戸惑う。
王家主催のパーティーの招待状だろうか?いや、しかし直近でそのような予定はなかった筈。封筒の中を覗くとキラリと光る装飾が見える。それはまるで最高審判官の辞令を正式に賜った時のようなーーーー
ヌヴィレットは緊張した面持ちで厚紙を丁寧に取り出す。そして、その内容を恐る恐る確認した。


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フォンテーヌ王国 大公 ヌヴィレット殿

貴殿を第2王女フリーナ・ドゥ・フォンテーヌの婚約者に指名する。

フォンテーヌ王国 23代女王 エゲリア・ドゥ・フォンテーヌ

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………………は?」

ヌヴィレットは目を見開いたままその場に立ち尽くす。驚きのあまり思考が全停止しーーー確かに女王の印が押された正式な文書が、手からこぼれ落ちた。

『僕は、ヌヴィレットのことが好き。もし結婚するなら……ヌヴィレットとがいい。』

不意に再生されるソプラノ。昨日盗み聞きしてしまった、フリーナの言葉。
まさか、あれは聞き間違いでも夢でもなく、本当にーーーーーー

「〜〜〜〜〜ッ!!」

ヌヴィレットは素早く文書を拾い上げ、それをジャケットの内ポケットへ乱雑に突っ込む。そしてそのまま自室の扉を出て勢い良く駆け出し、後ろから話しかけるセドナの声も耳に入らぬ程に焦った状態で屋敷を飛び出した。

自身の顔が真っ赤に染まっていることに、ヌヴィレット自身はまだ気付く余裕すらなかった。