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akinoshiroihana
2025-10-31 01:18:47
17272文字
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名刺置き場13
ゲッター25年後半
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竜馬みたいなことしてた某さんのTLでふとw
「Gメン歩き」という化石語を使おうとしていたら、75年の番組でしたヽ(・ω・)/たかが一年されど非常にまずい一年差!しかし『キィハンター』はさすがにちょっと古すぎた
……
東映竜馬が学校成績が三人の中で一番いいのは、DVDBOX情報です
●
"それ"を意識することで、あなたは相手を尊重しつつ、自分の感情や意見も大切にできる、健全な関係を築くことができるでしょう。
「うんっ」
書物相手に澄んだ目で頷き返し声に出して応と応える、出来すぎて気持ち悪いような好青年の仕草で何かの文庫本を手にしているのは、御安心ください、いつもの我らが流竜馬であるから。
「ためになるいい言葉だ、覚えておこう」
など言い、平編み紐のしおりをそこに挟むと、そのまま何事か口の中繰り返しながら会計の方に向かう。
「なんだい親御さんの持たせてくれた五輪の書以外も読む気かいリョウさんは」
「うん、実用書だよ」
「へえ?」
そんなのでよく読みやすい字が書けるものだという2Hか3Hの鉛筆を買った隼人と肩を並べて店を出ようとする中にも、竜馬は何事か唱えていたようだったが
「おおいリョぅぉっぷ」
「あっムサシ、どこに行っていたんだ」
『キイハンター』オープニングみたいに仲睦まじくも公道でやるには聊か迷惑な横並びをしていた彼らには早々に武蔵がぶちあたって来て
「あ、しまった早速さっき仕入れた言葉が飛んだ」
竜馬が悔し気に小さく叫ぶ
「おおあぶねえあぶねえ、おいらもだよ。忘れねえように言いながら歩いてたとこだい」
武蔵は得意げに胸を反らした。
「パウダリー!
―――
で合ってんのかな、これってどういう意味だか知ってるかいお前ら」
「はあ?」
「えっ、どうしてお前が、お前もその言葉を」
「んん?」
竜馬と武蔵の間で隼人が気の無さそうな、しかし困惑の声を挙げた。
今日の、コマンドマシンで偵察に出る時のミチルは、石鹼かシャンプーかリンスなのか、いつもよりやたらいい匂いを纏っていたのだという。純真な武蔵が思った事をそのまま口にすれば『あらありがとう、ちょっとパウダリーでしょう?』と彼女は大きな瞳をきらめかせつつ笑み、しかしそれ以上の解説はしてくれないままに華麗に飛び去ってしまったのだという。
「そういう意味もある言葉
…
なのかな、うん
……
?」
「人間関係をニンシキするジュンカツザイみてえな匂いなんておいら全然わかんねえよ?」
とは、困り顔でだが不興を訴える武蔵である。
「ミチルさんのはイチゴとかメロンとか花じゃなくって、ああすごくミチルさんだ!って感じのいい匂いだったんだよなあ」
「じゃあいかにも人間関係を良くしそうな匂いではありそうじゃないか、へっ、」
言いつつ彼らが歩くのは、学園への長い坂下の、駅に近い小さな市街地区。寮の世話にならない通学組はここから心臓破りの丘を自転車か徒歩で登ってきたり、駅からの直通バスを利用する。寮住まいの連中は、基本的に昼食の時間帯だけ開く売店の端にささやかに置かれる程度の煎餅ビスケットで我慢がきかなくなりいよいよ悲しみが抱えきれなくなってくれば、普段は私服の者も制服着用の上で街に下りる。他には売店で取り扱えない金券、つまり切手など買いにいく事もあるが。
つまり彼らは三人とも制服姿だった。普段恐竜帝国絡みやある程度変則的な背景が控えている場合のことゆえ学外にも私服で出てしまいがちだったが、今回は本当に目の前の街に一、二時間下りるだけで、同校生徒も多く行き来する平日であったから。なんというかつつしみ、であった。三人のうちの二人が湖畔で激しく殴り合った数日後の午後、ふと「買い出し行っとかねえかい?」との提案に他二人が実に素直に従った時の。
竜馬は部の活躍で新聞が取材と撮影に来た去年以来だと、「久々過ぎて流石に息苦しい」のだと早々に詰襟の襟元を開け、やがて前をくつろげてしまった。博多人形のような凛々しくも無垢なまでの光を放つような、自信にあふれた表情が乗っている下の胸板は鍛え上げられた稜線をみせる、何のことは無い博多人形のモデルは嘗ての猛将島左近であるのだから。
一方、隼人の方は襟のホックにさえ触れることなく隙一つ見せないのを「寒いからだよ」で済ます。おろしたてにしか見えない制服生地からは写真館で老人に丁寧語で話し掛けられつつ記念写真でも撮ってもらう気かそれとも冠婚葬祭の行き帰りかという只事でなさ
―――
端正さと慶事か弔事かという謎の緊急事態感が勝手に醸されていて。腰骨の位置が道行く人々より明らかに高いから、優雅なほどに緩やかに見える所作はそれでいてとても軽く早く人をすり抜け置いて行きそうになるのを気にしているようだ。
行き交う学生達は他校の者でも背の高い二人と恰幅のいい武蔵に、もしくは生活指導で明らかに引っ掛かりそうな隼人(及び、なんなら竜馬も)におやっという顔になって一斉に振り返ったし、同校の者達は男子も女子も学園の有名人の常ならぬ姿に二度三度見してささめいた。
そんな視線に気付くことなく竜馬と隼人の間を行く武蔵が
「潤滑剤ってえんなら部活用のワセリン買ったけどよお、つまりリョウは隼人とのこれからのためにも”潤滑剤”が要んのかい?」
先頭をいく竜馬が派手にけつまずく。ここまでの話を十分理解した上で武蔵の言だったが、彼が付けた括弧は音声的には表現されない。そして、
「部室に置いといてやるのとオイラが自分で使うベビーワセリ、ぅおあぶねえ
こっちは俺たちの部屋に置いとくからよ、隼人も使っていいぜ、まだクチの端切れてるだろ」
「え、ああ、ありがとよ。可愛いパッケージだな、おいリョウ平気かよいつまで転んでるんだよほら、」
「ほんとだよ、あ、なあソフトクリーム食っていこうぜえ」
ここまで、一気に。あまりな進行に、竜馬は顔面の作画が荒れた。
「あ、このチョコソフト旨い」
「だろ?新発売なんだってさ。
なんでも男子が4、5人いるとこの見た目だからウン○話する奴が必ず出て「なるほどわかったもういい」「それを嫌がった女子も最近なかなか近付かなくて、ウマイのに売り切れてないって後輩が」
「へえ、でも確かに旨いよ、ココアパウダーが口の中でふわっと匂う
―――
あ、そうだ”パウダリー”ってこんな感じじゃないのか」
「あ。うーん、チョコの匂いでもなかったんだけどなあ、でもこのフワフワはどうだろう、どうだどうだったかなあ、あのいつもより素敵だったミチルさん」
「手放しで激賞するねえムサシさんはよ」
すかして笑う隼人を見ながら竜馬も笑顔に戻り、チョコレートの味の残る口の端を舐めた。その顔を横から見ていた武蔵が数拍遅れて「なんかとっても強そうで怖ぇ
…
」とごくごく小さく呟いた
「あ、パウダリーじゃないやパウンダリーだ」
風呂のあとで、買ってきた本をしおりの場所まで読み進めた竜馬が、三段ベッドの一番上で言う
「パじゃねえと思うぜ、それ、印刷からして間違ってるんじゃなけりゃ」
「え」
「baundary.それとムサシの奴の"いい匂い"ってのは、たぶん、ふふ」
学校の成績でいえば竜馬に後れを取るが、経済環境の、つまり海外経験の差でもあろうか。そんな凡ミスの指摘に鼻白みかけた竜馬だったが、斜に構えるではない優しい笑い方が続いた気がして思いとどまる。見下ろした下のベッドの隼人は、気をゆるめた猫のようにあけっぴろげな表情のまま、はや眠りに誘われている。武蔵はまだ風呂から戻らない。
powdery:アイリス、ヘリオトロープ、ミモザなど
おしろいのような香り、ベビーパウダーのようなふわふわとした香り方
憎からず思う相手が清潔そうな母のような香りをさせたのに驚きときめくのは、恋の途上であればさぞかし幸運な事であろう、傍目には眩しくもあろう。
それとは少し違う、恋自体とも少し違うかもしれないなにかに足を踏み入れた彼には、彼らには。
秋深し。
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