ロンド
34473文字
Public 奈落の大穴
 

極星ノスタルジア【再録】

「まなざしのいろ」「きんぎんすなご」


     あとがき

 メイアビ十冊目です。間にコピー本や合同誌も挟んでいるので実際にはもっとあります。いっぱい書いててすごい。
 この話は「もしジルオが岸壁街の出身だったら?」というIFストーリーになります。最初から最後まで創造です。妄想と幻覚が激しいのはいつものことですが……。先の話がウェブ掲載からの加筆修正版、あとの短編が書き下ろしになります。
 単行本一巻で、「リーダーもスラム街は行ったことあるめえ」と岸壁街出身のナットに云われてしまうジルオは、品行方正で後ろ暗い匂いのしないまともな探窟家だったんだろなぁと想像が膨らみます。そして私は潔癖そうで真面目な登場人物が闇深い過去を持っているのが好きです。

 感覚が鋭いレグが(油断していたといえ)ズボンのおしりポケットに封筒を仕込まれて全然気づかなかった手癖の悪さが気になって、このIF本ではスリの少年という設定にしています。
 おまけ短編ではいつか書きたいと思っていた「ナットがリーダーに拾われる話」です。先述のセリフからして岸壁街の中で出会ってはいなさそうだなぁと……。ナットにとって、リーダーに憧れている理由が自分の夢の手本となる大人だからだけでなく、孤児院に受け入れてくれた恩人という意味があったらいいなと思います。

 単行本十二巻の終わりでついに(?)ジルオさんがオーゼンさんとともに岸壁街を歩いているのとても良すぎました。オーゼンさんがたびたび散歩しているらしいのと、組合探窟家を敵視する住民がいるのと、ジルオが不動卿に付き従っているのと、なにもかも理想すぎて、続きが楽しみすぎて夜も眠れません。