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mochita_rj
2024-11-16 15:41:19
27131文字
Public
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ss2022年分
1Pに各ssの内容があります。飛んでね!
※一部ここに載せてないのがpixivにあります。最初の5作と露仗週間で書いたものなど
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「きみ、高校生の癖にピアスなんて開けてるのかい」
放課後、康一と億泰とでカフェでのんびりエスプレッソを啜っている背後で、嫌でも聞き馴染みがありすぎる声が聞こえた。
「あっ!露伴先生こんにちは!」
「おぉ〜露伴先生、仕事終わりかぁ〜?」
誰がいるかなんてわかっている。が、無視を決め込んだとて、余計ねちねちと嫌味を言ってくるだけなので一応振り返ってみれば、おれの耳元をじっと見つめている岸辺露伴がやはりそこに立っていた。
「やあ康一くん。今はティータイムの時間だからか、カフェもかなり混んでるみたいでね
…
ここいいかい」
いつものごとく康一にしか挨拶を返さない露伴は、4人席のうち1席空いたおれの隣を指さした。どうやら相席を頼みたいみたいだ。
「ああ、勿論大丈夫ですよ。今日は後から誰もこないし」
「由花子くんは一緒じゃないのかい?いつも放課後はカフェでだべってるみたいだけど」
「彼女は今日用事があるみたいなんですよ〜だから今日は仗助くんと億泰くんの3人なんです」
「ふうん、そうなのか
…
ああそうだ」
康一とぺらぺらと世間話を始めた露伴は、話の途中でいきなり横を向いて「さっきの話だけど、」とおれの耳をまたじろじろと見つめてきた。
「おれの耳がなんなんスか?さっきピアスがどうとか言ってたけど」
「そう、それだよ。君らさぁ、高校上がったばかりなんだろ?ピアスなんて開けちゃって生意気じゃあないか」
「べ、つに
…
おれがピアス開けてようがアンタには関係ねえだろ」
コイツらしい自己中な物言いに空いた口が塞がらない。こんなやつにファッションにまで口を出される筋合いはないのだ。そう主張すると、露伴は面白くなさそうな顔で頬杖をついていた手を近づけてきた。
「フン、耳に穴開けるのはガキにはまだ早いぜ。これでもつけてな」
「いて!いきなりなにすんだよ!」
露伴はいきなりおれの耳たぶを掴んで来たかと思うと、おれのピアスを外し始めた。意図がわからず呆然としているおれに構うことなく、露伴は自分も耳からGペンの形を模した耳飾りを外し、おれの耳にはめてきた。
「ぼくのやつはイヤリングだからな。高校生のお子ちゃまにはそれで十分だろ」
「は、え
…
?」
「おっと。外そうとしても無駄だぜ、年の為書きこんでおいたからな」
いつもより少し重みを増した耳に違和感を感じていると、露伴は自分の頭を人差し指でトントンと指さして「まあ数時間で外せるようにしたよ」と付け加えた。こんなことでスタンドを使うなんて、ますます意味がわからない。
「なんでわざわざ
…
そこまでして何の意味があるわけ」
「ん〜深い意味はないが
…
そうだな、嫌いな奴が毎日つけてるアクセサリーをつけられた気分はどうかなと思ってね」
「耳につけられても、おれにはついてるの見えねえから意味ねえんスよ
…
」
露伴は愉快そうにじーっとおれの耳を見つめている。前方から生暖かい視線を感じて振り向くと、康一と億泰が微妙な顔をしておれ達の方を眺めていた。
「ハハ、やっぱり君には似合わないなあ」
「ほんと意味わかんねえ〜なあ康一
…
康一?」
「仗助くん
…
大変だねえ
…
」
「?」
「お前らイチャイチャしやがってよお〜ぼっちの俺に当てつけかよお!」
「はあ!?!?イチャイチャなんてして、」
とんでもない事を言い出す億泰に反論しようした瞬間、テラス席に柔らかな風が吹きおれの肌を撫で付けた。その拍子に耳元でチャリ、と金属のパーツが揺れてぶつかる音がする。それと同時に、露伴の服に染み付いたのであろうインクとかすかに香水が混じった香りが鼻をかすめた。おれがつけているのとは違う、ウッディ系の露伴らしい個性的な香り。
「ッ
…
!」
途端にぶわりと顔が熱くなる。なんで。もはや顔だけじゃなくて、さっき露伴に触れられた耳までじんじんとした熱を持ち始めた。
「うん?どうした、仗助」
横に座った露伴はニヤリと笑い、含みを込めたような眼差しでこちらを覗き込んでいた。いつもよりも近い距離に露伴の顔があって、どこを見たらいいかわからないまま目を泳がせるが、3人からの視線がやけに突き刺さって痛い。
「お、おれ!帰る!」
「おい仗助〜?どうしたぁ?顔真っ赤だぜえ」
「仗助くん?いきなり立ってどうしたの
…
えっ!仗助くん!?おーい、どこ行くのー!」
突然立ち上がったおれを億泰と康一が不思議そうに見つめてくるが、これ以上露伴の野郎の近くにいたらまずい気がする。わけがわからないままおれは荷物を引っ掴んで立ち去った。
「ッ、くそ、なんで外れねえんだよ
…
!」
走る度、風が吹く度、ちゃりちゃりと耳に強制的につけられたそれが鳴る。ついでにさっきの露伴の香りまで漂って来る気がしてきて、おれは頭がおかしくなっちまったのかと泣きたくなった。なんでアイツのことで頭がいっぱいになるんだ、信じられねえ。
「も、ほんと意味わかんねえ、アイツ
…
」
立ち止まってイヤリングを外そうとしても、耳元にいる元凶は魔法でくっついているみたいに外れる気配がない。うるさいうるさい、これ以上おれをどうにかするな。まるで持ち主の存在を確かめさせるように軽快な金属音を鳴らすイヤリングごと耳を抑える。が、かえって心臓の音がうるさく頭に鳴り響くのが答えなような気がして、おれは1人途方に暮れた。
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