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mochita_rj
2024-11-16 15:41:19
27131文字
Public
TwitterのSS
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ss2022年分
1Pに各ssの内容があります。飛んでね!
※一部ここに載せてないのがpixivにあります。最初の5作と露仗週間で書いたものなど
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ちゃぷ、ちゃぷ。目の前のしっとりと濡れた黒髪に指を通すたび、腕が湯船の水面を揺らして浴室に音が反響する。風呂のときだけは髪を触っても仗助は何も言わない。静かな夜だ。
心地よい雰囲気にぱちりと目を閉じながら目の前の首に鼻を埋めると、ぼくが使っているボディーソープの香りが鼻腔をくすぐった。ぼくはこの瞬間が好きだ。香りものが好きな仗助は整髪量やら香水やらつけるせいでこの香りは隠れてしまうんだろう。が、ひとたびその着込んだ制服を剥がしてしまえば、ぼくが刻んだ痕だらけの肌にぼくと同じボディーソープの香りを人知れずまとっているのだ。ああたまらない。
「ふへ、匂い嗅いでんの?露伴おれに犬っぽいって言ってっけどさあ、今のあんたのが犬みてえっスよ」
「ん〜
…
」
呑気そうに笑ってる仗助の肩にある、できたばかりの噛み跡を指でなぞってみる。大人になる途中段階の柔らかな皮膚に食い込むそれは、誰がどう見ても薄暗く重い独占欲を示していた。あれほど人間は嫌いだ、なんて言ってた自分に言ってやりたい。お前は大嫌いな男に惚れ込んで、挙句好きだとか綺麗な感情通り越して執着までしてるのだと。
「あはは!くすぐったいって、露伴」
黄金の精神、だとかいう誇り高い血筋を示す星型のアザに指を滑らせる。ぼくがつけた痕なんかとは比べようもない、明るくて綺麗な星。これを見る度、ぼくは心がざわついて仕方がなくなるのだ。夜の空を一瞬で駆ける流れ星みたく、ぼくを夢中にさせるだけさせてどこかに行ってしまいそうな気がして。
「
…
なあ、ぼくのこと好きか」
「はあっ?いきなり何言ってんスか」
無意識に勝手に出ていた言葉に目を見開いた。ぼくも何を言ってるのかわからない。が、こんな静かな夜には、心の奥底で眠っている感情を吐き出したくもなるのかもしれない。ぼくは仗助の肩でいやに輝く星を見つめながら、独り言を言うように本心を言葉にして紡いだ。
「時々確かめたくなるんだ。またあの時みたいに傷を作って帰ってこなくなるんじゃないかって
…
ああクソ、ぼくらしくないな。やっぱり忘れてくれ」
「さっき散々言ったのによお、まだ足りないわけ?」
黙って聞いていた仗助はぼくの言葉を遮るように、勢い良く振り向いてぼくの両頬を手のひらで挟んだ。「恥ずいから1回しか言わねえかんな!」と前置きして、仗助は真剣な表情で言葉を続けた。
「おれ、露伴が思ってるより露伴のこと好きだよ。愛してる。わかったんならおれの傍から一生離れないで」
ちゅ、といつの間に震えていたぼくの唇をあやすようにキスが落ちてきた。ぽかんとしているぼくに構うことなく、仗助は湯船の水面を跳ねさせて体ごとぼくのほうに向き直った。
「おれだってよお、あんたとコイビトの関係になってからおれらしくないんスよ」
「仗、助
…
」
「おれ達出会ったときから『らしく』なかっただろ。あんたはおれのことが好きで、おれもあんたが好き。それでいいじゃん」
仗助がぼくの肩に顔を埋めてぎゅっとしがみついた。温まった肌同士が触れる感触に、直前までの2人愛を交わらせていた時間を思い出して顔に熱が集まってしまう。
「
…
ねえ、もう1回しようか。露伴」
「はっ?えっ」
「おれからの愛が足りないみたいだから教えてあげる。嫌だって言ってもやめてやんないから!」
挑戦的にニヤリと笑う仗助も、恐らくぼくと同じことを考えていたのだろう。湯船のせいだけじゃない熱を灯す青い瞳でぼくを求められれば、1人で悩んでいた事などすべて馬鹿らしくなってきた。
「ふ、くく
…
はは!それはこっちの台詞だ、覚悟しろよ仗助
…
!」
「ふは、望むところっス!」
濡れた髪が上がって晒された額にキスを落としてやると、仗助は幸せそうな顔で笑うもんだからつられて笑みがこぼれてしまう。本当、最高に可愛くて男前な恋人にはかなわない。我儘でマイペースなぼくをここまで翻弄するのなんか君くらいだ。こんなぼくに愛されたのが最後だったなあ仗助、せいぜい薄暗くて溢れるほどの愛を受け止めて溺れてればいいさ。
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