mochita_rj
2024-11-16 15:41:19
27131文字
Public TwitterのSS
 

ss2022年分

1Pに各ssの内容があります。飛んでね!
※一部ここに載せてないのがpixivにあります。最初の5作と露仗週間で書いたものなど




泣いてる助をキスで泣き止ませる露伴


どんな美しい絵も見てきたが、こんなにも鮮やかで深い青は見たことがなかった。空でもあり海でもあり宇宙でもあるその青は、何か1つに例えることができないほど美しかったのだ。ぼくを夢中にさせる東方仗助のその瞳が欲しい、そう思ったのが始まりだったはずだ。



「仗助、はぁッ
「んぅ、

ベッドまで、と思ったが、もう数メートルの距離すらぼくは我慢できなかった。抱きかかえていた仗助を壁に押し付けて、強引に体を割入れてキスをする。柔らかな唇の感触を味わうように唇にではむと、仗助は甘い声をあげてぼくのシャツをぎゅ、と握りしめた。

「あ、露伴、いきなり、」
「先に言っておく。嫌なら抵抗してくれ、ぼくも我慢できないんだッ!」
「あッ!」

耳のラインに沿うように舌を這わせながら、首筋につう、と指を滑らせる。触れれば触れた分だけ反応を返す仗助が可愛くて、ついいつもやり過ぎてしまう。だが、ぼくが触れてない場所などないよう、全身くまなく愛してやりたいんだ。

「ん、ぅ、力ぬける、」
「捕まってな、大丈夫だから」

今にも床に崩れ落ちそうにガクガクと震える腰を抱き、再び唇に唇を合わせる。それにしても、さっきの屋根上でのやり取り。年下だから優しくしてるなんて思われていたのには驚いた。柄にもなく優しく甘やかして愛情表現をしてきたつもりだったのに、ちっとも伝わっていなかったなんてな。

「ん、う」
「仗助口開いて」

言われた通りにおずおずと開いた隙間を縫うように舌を突っ込む。ぼくを出迎える、少しぼくのより厚みのある舌を追いかけて、唾液をまぶすように舌を絡ませる。ぴちゅぴちゅ、と粘膜と水音がぶつかる音と荒い息は、必死に互いを貪るぼくらの欲を煽った。

「んく、んあ、ぅ、」
「可愛いなあ仗助、そんなにキスに夢中になってるのか?」

唇を一旦離してみれば、とろんとした瞳はもの欲しそうに潤んでいた。腕はしっかりとぼくの腰に回っていて、全身で求められていることに興奮が走る。

「も、意地悪、早く」
「ふふ、わかったわかった。もっとしてやるからそんな顔するな」

焦らすように濡れた唇を舐めていると、痺れを切らしたように仗助の舌から舌をすくい取られた。考えていることがわかりやすくて可愛いな、と笑みが漏れる。仗助はぼくを大層な大人だと思っているようだが、本当はそんなできた人間じゃあない。仗助と付き合ってから丸くなったとは言われるが、ワガママで自己中、自他共に認める性格の根本は変わらない。ぼくにいいように振り回されて、困ったように笑う仗助の顔を見たくて、ついいじめちまうんだから。

「んなあ仗助、ぼくはそんなに大人に見えるかい」
「う、ん

どれだけ余裕で完璧な男を演じたとしても、仗助を目の前にしたらそんな薄っぺらい仮面など壊れてしまう。今だってそうだ。どうしようもなく仗助の全てが欲しくて、エスコートもできずに無理やりキスなんかして。これじゃあぼくの方がよっぽどガキみたいなのに。

「でも、ちょっと違うかもなあ」
違う?」
「ちゃんと大人だけど、やっぱり露伴は可愛いなって、思った」
「はあっ?可愛いだと?このぼくが?」
「なんでもできるけど、やっぱりちょっとワガママだし」
「オイ」
「それにさあ、よく見たら、おれのこと好きで好きでたまらないって目してんだよな」

至近距離で見つめ合えば、仗助の瞳には当然だけどぼくが映っていた。潤んだ目は月の光を反射し、夜空を閉じ込めたような瞳に星を宿している。さっき2人で見た空をそのまま映したみたいにいや、ぼくにとってはそれ以上に美しいが。瞳なんてのはたかだか1センチのちっぽけな円だ。映せるものには限りがあり、一生その綺麗なブルーの瞳の中に入れない人間だっている。それなのにぼくが惚れ込んだその小さな空に自分がいること、それ自体が奇跡なのかもしれない。

そうだな。好きで好きでたまらないよ」
「あ、ひぅっ!」
「仗助、愛してる。ぼくももっと、君が欲しい」

存在を確かめるように骨が軋むほど強く抱きしめる。このまま1つになれたらいいのにな。そしてそのきらきら光る瞳で、君が見ている世界というものを見てみたい。必死にお互いの目を見つめて、生きるために必要な酸素を取り込むみたく噛み付くようなキスをする。もっと、全てを忘れてぼくを求めてくれ。ぼくをその瞳に閉じ込めて、永遠にそこから出られないようにしてくれ。

「君がいれば何もいらない。ぼくは全てを捨てるから、君も全てをくれないか」
「ふ、ほんとワガママっスねえ!」
「くくこれがぼくの愛情なんだよ」
「てか、もうとっくに全部あげてるつもりなんスけど」
「そうか?ぼくはワガママだからな。まだ足りないみたいだ」
「岸辺露伴ほんと、アンタってやつは

堂々と言い張るぼくに、仗助が呆れたように普段キリッとつり上がった眉を下げる。それから仗助はぼくの額に額を突き合わせ、互いの息がかかるほどの距離で、

「でも、そんなアンタに惚れたんだからしょうがないっスね。おれ、露伴になら何されてもいいし何でもしてあげたいよ」

と軽いキスを落として幸せそうに笑った。キスの後仗助の体が離れていく瞬間、乱れていたカーディガンがするりと肩を落ちて脱げていく。その光景を月の光が照らしていて、まるで濡れた蝶が羽化する瞬間みたいで思わず見とれてしまった。仗助はそんな動きが止まったぼくに構わず、甘えるようにぼくの首に腕を回した。

「ろはん。も、キツいからベッドまで連れてって」
「くく、甘えため
「甘えていいよって言ったのはそっちっスよ」
「そんなこと言ったか?」
「言った」
「はいはいていうか重いな、毎回大変なんだからもう少し痩せろよ」
「うるせー!あんたが鍛えろ!」

ぎゃあぎゃあと喚いて暴れる仗助に笑いが止まらない。世の中、ダイヤやアクセサリーなんかの高価なものに心惹かれるものだが、人間ってのは実は案外安上がりなのかもしれない。愛する人とのこんな他愛もないやり取りで、何にも代え難い幸せを感じるのだから。