終わりなき夜が明ける日

新刊「馬子の背骨に触れるものには」から抜粋してお届けします。よかったらCC福岡おいでませ。マリンメッセで会いましょう。
再録の再録みたいなところがありますが、前べったーに載せていたものに加筆修正を加えて本に収めました。ハイドノーブル家の終わりと夜明けの話です。



――『よかった。よかったわ、あなた、しあわせになったのね』


 その言葉が誰に向けられたものだったのか。
 本当は誰を言祝ぎたかったのか。今となってはもうわからない。
 けれど信じていたい。あの日、確かに結ばれたあの日の二人に向けられたものであると。
 その先にどのような地獄が待とうとも。


 その牝馬はこの国を憎悪し、たった一人を愛しながら、深い闇へと確かな足取りで歩いていった。