戌丸アット
2022-05-29 23:52:24
38106文字
Public Fate
 

その肌へ口づけを

槍弓



そしてランサーは、ホテルに連れ込んだ事までは覚えている。
何故ならビジネスホテルに誘ってきたのは久しぶりにアーチャーからだったのだ。
君に我慢をさせ過ぎるのは問題なようだ、と言ってランサーが最も気に食わない鉄の仮面を被ったように表情の硬いアーチャーはランサーの前にしゃがむとランサーの性器に対して奉仕を始めた。
しかしアーチャーの身体に触れたくなり、最初はお気に入りの一つである意外と柔らかな髪から下りて逞しい首筋、そこから奉仕される気持ち良さに任せて腰を掴んで上げさせて清楚さすら感じるズボンとシャツの隙間から手を差し込んだ。
そこまでしても驚きはしても抵抗はしないアーチャーの様子と慣れ始めた奉仕をする舌や口に興奮が止まらない。
普段は清潔感すらアーチャーを、ここまで淫らな行為に慣れさせたのは調教したのは自分なのだと。
だが辿り着いた後ろの秘部に触れてランサーは頭の奥で爆竹が弾けたように怒りに飲まれた。
あっさりと己の指を受け入れる秘部など知らない。
蕩けきったアーチャーの身体など知らない。
感じていると分かる高い声など知らない。
知らないのだ。

「ふ、はぁっ」
……なぁ、どういう事だよ」
「っゃぁあ!?」

ランサーにとって五日はあまりに久しく、最初は意気揚々を隠しきれていたか怪しい程に早々に触れたのが、きっかけとなった。
そして、ランサーが不機嫌になるのも、あっという間だ。
風呂場でシャワーを浴びてランサーのお気に入りである髪を下ろしたアーチャーの姿に機嫌は更に高潮したのもあるが、後ろの秘肉の口を優しく撫でて、すぐだ。
後ろの口は指が触れる事を待ちわびたように吸い付いて来る。
この事態にランサーは内心、焦燥感に苛まれた。
折角、散々にアーチャー嫌がっていようともランサー好みに反応させられるようになってきていたのは先刻も述べた通りだが。
だと言うのに完成とまでは行かなかったアーチャーの秘部がランサーの知らぬ間に完璧な形となっている。
それはつまりランサー以外に触れた者が居ると言う事を指し示していた。

「答えてくれるだろ?お・じ・さ・ま?」
「ひ、ゃっぁあ!!!」
「俺の質問の意味、分かるよな?」
「っふ、ぐぁ……っ!わ、わかる、からゆび、をっ!」

抜いてくれ、と懇願してくるアーチャーの瞳とバチリと合ってしまったランサーは深く深呼吸する事で、その色香から逃れる。
トロリと蕩けている瞳は甘い水飴のようでいて美しさも兼ね備えており、あまりにも呑めり込ませるには充分なのだから。
だが素直に彼の言う通りにするのは癪に障ると感じるのは人生経験の浅さと焦りからなのだと言う事はランサー自身も分かったからこそ苛まれていた。

「ほら、言い訳、聞いてやるよ」
「っ、ぁ……はっ!んぐっ!?」
「で?どんな言い訳を聞かせてくれるんだ?」
「い、いや、待ってくれ!この体勢はなんだっ!ひ、膝、に乗せるなどっ!」
「ん?何か問題あんのか?」

どうせ今日は最後まで挿れるつもりだしな、と隠す気はサラサラなかったランサーが素直に言うとランサーの予想に反し、ランサーの言葉を聞くまでは真っ青になっていたアーチャーは褐色肌でも分かる程に真っ赤になって魅せた。
すぐさま顔を背けたが耳から首筋まで赤いので意味は無く、寧ろ色付いた事で更にランサーの欲を誘うだけだ。
この反応を見せられ、期待をするなと言う方が可笑しく思える程に好感触なアーチャーにほくそ笑むのを何とか堪えて腰を引き寄せる。
まだアーチャーの後ろの疑問は解決していないのだから当然だ。
お堅いアーチャーの考える事なので頭の冷えてきたランサーは察しが出来てきたが此処まで来ると敢えて本人の口から言わせたくて仕方なくなった。

「お、重いだろう……降ろしてくれ」
「鍛えてるんだから問題ねぇよ。それよりどうしてすんなり入った?聞かせろよ」
「な!?わ、分かって、いる、のだろう……?」
「なんだ、焦らしか?止めとけ、俺は気が短いんだ」

言わないなら直接、舐めて確認しねぇと気が済まねぇぞ?とアーチャーが嫌がりそうな脅し文句を言いながら、回した両手で腰からお尻へと下がりながらきめ細やかな肌を楽しんで悩ましい程に心地よく受け入れる後ろの秘肉へと繋がる周囲をわざと虐める。
すると触れると肩を震わせて声を上げ、撫でると嫌だと頭を振るが出る溜め息には確実にドロドロとしたマグマのように纏わりつくような熱が溜まっているのが見受けられた。

「あっ、ぅ、この、う、後ろはっ、その!」
「あぁ、どうしたんだよ?言ってみな」
「じ、自分でしたんだ!だから舐め、るのは……おぁ!?」
「ふーん、やっぱりか。お堅そうなアンタが……で?どんな風にしたんだ?」

俺の性器を舐めた事を思い出しながらしたのか?
毎日毎日、女でもないのに俺が教え込んだ此処で気持ち良くなってたんだ?
しかも指を締め付けながら拡がって喜ぶ完成度なら指だけじゃなくて道具も使ってるよな……随分とひとり遊びが上手いじゃん。
もしかして俺と関係を持つ前から遊んでたのか?アーチャー。と尽きぬ疑問と考えが当たり淫らな身体へと変わった喜びにランサーは歯止めが壊れてしまった。

「ぁあ!?ひ、ぅ、ぐっ!ンんぁ!」
「なぁ、教えてくれるだろ?アーチャーさん?」
「ふぅ、はっ!も、やめっぅあ!?」

逃げるように身体を離そうとするアーチャーの腰を掴むと秘肉の奥には触れずに問いかけながら尻を掴んで揉みしだきながら、アーチャーの立派な胸に付いている飾りにむしゃぶりつくと可愛らしい声を上げる事に満足感を感じ。
快感からかアーチャーが脱力して覆い被さって来るとランサーは嬉々として熱の篭った吐息を耳元に掛けながらアーチャーの興奮している熱量を楽しみながら、腰を抱き留めながらゆっくりと秘肉の奥へと指を侵入させて蹂躙していく。

「ふっ、ぅ、ぁあ!?や、やめっ!」
「って!そんな力むなよ……つか爪立てても奥の具合はいいんだな?アーチャーさんよ」
「ぐ、はっぁ!ぁは、やく!終わ、ら、せろっ!」
「なんで?楽しもうぜ、アーチャー。それにアンタも気持ち良くするから安心しろ」

会わなかった分も払って貰わなきゃなんねぇしな、と石膏のように美しい白い肌を仄かに色付けて興奮していると分かりやすいランサーに対してアーチャーは混乱の渦中に居た。
彼に告白した通り、自分で弄っていたし理由もランサーが恋しかったからだ。
最初はなんと馬鹿な事をと冷めもしたが結局、止める事も出来なかった。
浅ましいと思わずには、いられない。
けれど会う度に身体を弄られ続けた為に、ランサーを思い出す度にアーチャーはすっかり身体が条件反射のように情事を思い出して火照るようになっていた。
だからこそ恥ずかしくて堪らない。
これでは隠そうとしているにも関わらずランサーが愛しいと、好きで堪らないとバレる。
しかし誰にでも足を開く人間なのだと誤解された方がマシだ、とアーチャーは蕩けきった脳で選んだ。