いまち
2024-02-10 11:44:01
199057文字
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ティナとねじれた魔法の世界・2



閑話・トランプ兵のみるところ・Ⅳ


◆◇◆

 今日は待ちに待った……とはちょっと言い難い「なんでもない日」のパーティー。ここ最近のごたごたで、我らが女王様ことリドルくんはすっかりナーバスになっている。
 そんなリドルくんの醸し出すピリピリした空気のせいで、寮生たちはすっかり怯えてしまっていた。そんな彼らを宥めながら乱れや間違いがないよう、パーティーの準備を進める。

 入学式での魔物乱入騒ぎ、入学早々我が寮生の退学騒動、それから間もない盗み食い事件……そんなやらかしにやらかしを重ねた結果、リドルくんはいつも以上に神経質になっている。そのせいか寮の内外問わず、時には他寮生に対しても、その酷烈さを振りまいては暴君などと囁かれていた。
 それもまた、リドルくんの神経を逆なでしてはいるんだけど、幸いなことに実力主義のこの学園では強い者が絶対。学年主席、寮長であるリドルくんに真っ向からぶつかってくるような子はいないから、どうにかリドルくんの機嫌が爆発しないで済んでいた。

 普段であればリドルくんの機嫌が悪くても、トレイが宥めればそこそこに落ち着くはずなのに、今回はことがことだけに、二人掛かりで宥めてもまるで治まる気配がなかった。
 そんなリドルくんのフォローに寮生のフォロー、弱音こそ吐かないものの、トレイもまたくたびれているのは傍からも見て取れた。
 不機嫌な寮長、摩耗するオレたち、怯える寮生。

 こんなの、全然ハッピーじゃない。

 ――かといって何ができるわけでもなく、歯がゆく思いながらも過ごすしかなかった。いっそリドルくんが大爆発でもすれば、マシになるかもしれない……そう思ってしまうくらいにはオレも参りつつあった。
 今日はこれからリドルくんがこうなってしまった元凶、こと、エースちゃんが盗み食いしたタルトを返しにくることになっている。タルトは昨日のうちに作っておいたし、すぐ出せるよう一年生たちの席に置いてある。
 これで少しでもリドルくんの機嫌がよくなればいいな。そう切に願いながらパーティー会場のチェックに回った。バラ、テーブルセット、動物たち、パッと見た感じは問題なし。大まかなチェックを済ませて、塗り残しや塗り忘れのバラはないか見ていると、マジカメの通知が来た。
 こんな時に、とうんざりする気持ちが半分、気晴らしになるかなという期待が半分でアプリを開くと、軽音部のグループメッセで、送り主はリリアちゃんだった。

『見学希望者じゃ! 全員集合!』

 そんなメッセと共にリリアちゃんの自撮りが添えられている。端っこに見切れている子がそうなのかな? ディアソムニアの腕章が見える。腕章の位置的にリリアちゃんよりも小柄な子のようだった。それならカワイイ子なのかもしれないと、ちょっとだけ期待できた。
 それに、ディアソムニア生となるとどんな子なのか、より気になるというものだ。もしかしたらリリアちゃんに無理やり連れて来られた、なんて可能性もなきにしもあらずだけど、それでも興味は湧く。
 とはいえ、今日は「なんでもない日」のパーティー。「入部希望者がきたから部活に行ってきまーす!」なんて言えるわけがない。そんなふざけたことを言おうものなら、どんな面倒と怖い目が待っているか分からない。気にはなるけど、オレは不参加にするしかない。

『本当か!?今すぐ行くぜ!』

 不参加を伝えようとメッセを打ち込んでいる間にカリムくんの返信がきた。
 カリムくんもリリアちゃんもノリのいい、面倒見がいいコだ。二人がいればこの子も楽しんでもらえるんだろうな、と思う。
 こっちのギスギスした空気とは真逆の、温和ボーイズたちのほんわかしたお茶会。いつものそれを想像しながらメッセを打った。
「しょうがないよねぇ……
 返信して、スマホをポケットに戻す。それからバラがきちんと塗られていることを確認して、新入生ちゃんを囲む二人のことを考えながらキッチンへ向かった。

 キッチンではいつも通り、トレイが他の寮生たちとお菓子やケーキの支度をしていた。カワイイお菓子やケーキは見栄えもよく、見てるだけでも癒される。
 忙しそうにしてる中、声をかけるタイミングを見計らっていると、寮生たちとお菓子を盛り付けているトレイと目が合った。オレがキッチンに用があるなんて思ってなかったんだろう、トレイは怪訝そうな顔で「どうしたんだ?」とこっちに来た。
「問題でもあったのか?」
 トレイは眉間にぎゅっと皺を寄せていて、余裕のなさを伺わせていた。
「うんとねー、ちょーっとお菓子を分けてもらえないかなー? なんて思ったり?」
 そう伝えると、案の定トレイは訝しむように眉をひそめた。そう思われるのも仕方ない。ただでさえ寮内がこんなになってるのに、こんなことを言われれば、何をする気だって思うものだ。
 だから、トレイくんの気に障らないように「ちょっと小腹が空いちゃって」とおどければ、納得はしてくれたようで呆れ顔をしつつも「仕方ないな」とクッキーとベリースコーンを包んでくれた。
「何を考えてるのかは知らないが……リドルに見つからないようにしてくれよ」
「? ありがと!」
 ……オレ自身も疲れて感覚がマヒしていたのかもしれない。気付けばオレくんにトレイのお菓子を持たせて、部室に向かわせていた。

 ◇◆◇

 甘ったるい匂いのする包みを持たされて、軽音部の部室へと向かう。これだけじゃあなんだから、ミステリーショップに寄ってスナック菓子もいくつか買って来た。さすがというか、サムさんにはオレの事情は筒抜けだったようで、こっちから言うより先に「ツケておくよ」といたずらっぽい笑顔で渡された。

 それから部室こと空き教室へ向かうと、呼び出した当の本人ことリリアちゃんはまだ来ていなくて、カリムくんが楽しそうに棚を漁っていた。片手に熱砂の国の茶葉を抱えているのを察するに、茶器やなんかを探してるんだろう。
「カリムくん、おっつー」
「ケイトか! なぁなぁ、知ってるか? 見学したい奴が来るんだって!」
 声をかけると、カリムくんはすっかり興奮しきってるようだった。ちょっとテンションが高いことを除けば、いつも通りのリアクション。当たり前なんだけど、オレがケイトではないことに気付いてないみたいだった。
「知ってるよ。オレも、リリアちゃんからのメッセを見たからね」
「どんな奴が来るのか楽しみだな~!」
 そう言って、浮かれ調子でカリムくんはポットと電気ケトルを取り出すと、両手が塞がったままカップまで取り出そうとした。
「ちょ、カリムくん待って待って! カップはオレが出すよ!」
「そうか? ありがとな!」
 さすがにスルーできないから止めた。落として割ったりなんてしたら学園長からお目玉を食らうし、カリムくんにケガなんてされたら大問題。ただでさえリドルくんにヒヤヒヤしてるのに、これ以上うんざりすることは避けたかった。
 というか、それ以前にいつもの調子でお茶の支度をしていることが引っ掛かった。
 そもそも、軽音部なんだから出すべきは楽器のはずだ。けど、そこは「活動内容:ゆるいお茶会」の軽音部。オレたち的には正しい、合ってる。でも軽音部的には大間違い。
 とはいえ、楽しそうにしているカリムくんに水を差す気にはなれなくて、結局、一緒にお茶の用意をしてしまった。新入生ちゃんがこのゆるいノリについて来られる子だったらいいなぁ、なんて心の隅で思いながら。

 どういうお菓子が好みかな? 甘いも辛いもしょっぱいも一通り揃ってるから、どれも気に食わないなんてことはないと思う。買ってきたお菓子と、トレイからもらったお菓子と、カリムくんが持ってきたお菓子を並べていると、リリアちゃんの話し声が聞こえてきた。
「お、来たみたいだな!」
「そうみたいだね」
 待ちきれないとばかりに部室を飛び出して行きそうなカリムくんを宥めて、座らせて待っていると、リリアちゃんが元気よくドアを開けて入って来た。
「おぉ、二人とも来ておったか!」
「えと、お邪魔します」
 リリアちゃんの後からちょこん、と頭を下げて入ってきたのは、ディアソムニアの腕章を付けた、最近ウワサの異世界からきたという女の子だった。入学式ではフードで顔が隠れていて見えなかったから、ちゃんと見るのは初めてかもしれない。素朴でかわいらしい顔立ちだった。
 見た感じは素直そうだしカワイイしで、軽音部的には十分アリな感じ。二言目には音楽性の違いで退部者が出がちなウチだけど、大人しくニコニコしている様子を見るに、うまくやってくれそうな気がする。
 言っちゃ悪いけどオレのタイプではないし、リリアちゃんは知らないけど、カリムくんは家のことがあるからか色恋にガツガツしていない。だから、いわゆるサークルクラッシャーになることもなさそう。うん、第一印象的にはアリかも。

 悪いと思いつつ、新入生ちゃんを値踏みしていると、リリアちゃんと新入生ちゃんは怪訝そうにオレを見ていた。妖精族って魔法に敏感だそうだから、オレがケイトでないことに気付いてるのかもしれない。
 だとしたら、ちょっと嬉しいかもしれない。気まずさやバレてがっかりな気持ちがないわけじゃないけど、あえてつっこんでこないところは有り難く思った。
 とはいえ、知らん顔をするのも悪いから、軽口ついでにオレがオレであることをバラしておいた。案の定、カリムくんは気付かなかったと笑った。新入生ちゃんはそれでもやっぱり、不思議そうにしている。異世界にはこういう魔法はないのかなぁ、ってなんとなく思った。
 なんであれ、こんな内輪で盛り上がっていたんじゃ新入生ちゃんに悪い。
 適当に話を切り上げると、カリムくんがじぃっと新入生ちゃんを見て、いつもの底抜けに明るい笑顔を見せた。
「ティナ! さっきぶりだな!」
 カリムくんとは面識があったらしく、その子、ティナちゃんも嬉しそうにはにかんだ。
 リリアちゃんは同じ寮だからともかく、カリムくんと知り合いだったのはちょっと意外だった。異世界のコなんて、ジャミルくんNGとか入りそうなものなのに。
 カリムくんのふわっとした話によると、ティナちゃんが困ってるとこにカリムくんが手助けをした、みたいなことがあったそうだ。カリムくんらしいなぁなんて思いながら、ティナちゃんとリリアちゃんを座らせて、いつものゆるーいティータイムとしゃれ込んだ。

 ハーツラビュルのパーティーとは違って、こっちは実にのどかなものだった。幸いなことに、ティナちゃんはここのノリについて来られる子だったようで、このゆるい空気にもすぐ馴染んでくれた。
 みんなで笑い合いながらのお茶会はギスギスとは程遠くて、不覚にもささくれた心によく沁みる。オレの本体ことケイトの恨み言を胸のうちで聞きながら、4人でのんびりお話しをした。
 ……正直、カリムくんやリリアちゃんのアットホームな空気はあまり肌には合わない。けど、誰でもゆるく受け止めてくれる感じには助かっている。オレですらそう思うんだから、異世界から一人で来たというこの子には安らげるものなんじゃないかなって、そんな気がした。

 ティナちゃんは甘い物が好きなようだった。カリムくんが持ってきた口が融解しそうなくらい甘いドーナツを美味しそうに食べながら、演奏できるという楽器の話をした。
 個人的にはキーボードができる子がほしかったけど、残念ながらできないらしい。内心がっかりしつつ聞いてみると、シタールという聞いたことのない楽器だった。リリアちゃんが言うには熱砂の国の弦楽器らしい。
「なかなか渋い楽器でな、弦が多く、よぅく響くのよ」
「へぇ、ちょっと想像がつかないかも」
 スマホを持ってきてたらすぐ検索できたんだけどな。話に乗り切れなくて、ちょっとだけ、取り残された気分。
 熱砂の国の楽器ということ、そして異世界にも同じであろう楽器があるからか、カリムくんのテンションの上がりようはすごい。すっかりはしゃいだ様子でティナちゃんに絡んでいた。

 盛り上がる二人を横目にリリアちゃんはシタールの演奏動画を見せてくれた。なるほど、たしかに「ぽい」。よく響く音色が何重にも重なって、リリアちゃんの言う渋い楽器というのも頷けた。
 魅力的な楽器だとは思う、けど、軽音部向きかと聞かれたら……
「クセが強いよー……あ、でも、カリムくんのダラ……とかって太鼓と演奏したらウケるかもね」
「しかしのう、シャウトとは合わんのよ」
「リリアちゃんのシャウト押しなんなの!?」
「ライブの醍醐味じゃろ?」
「民族楽器なんだから、もうちょっとのどかな感じでお願いしていい?」
「つまらんのぅ」
 そう言いつつもリリアちゃんは楽しそうに笑った。
 これだよこれ。お茶会っていうのはこうのんびりしたいものだよね。
 ……そう思って、不覚にも今のハーツラビュルのパーティーを受け入れたくないと思っていることに気付いてしまった。気付いて、後ろめたい気持ちがじんわり胸に広がる。ハーツラビュルも、リドルくんも嫌いなわけじゃないんだけど。

 それからカリムくんがティナちゃんを宴に誘ったり、ティナちゃんの演奏を聞きたいと実家から持ってきたという楽器を貸そうとしたり、驚いたティナちゃんが自分で作ると言い出したり、と、なかなかに盛り上がった。
 こうやって話しているとティナちゃんはここに合う、温和なコだということがよく分かった。明るくて、素直っぽくて、話していて嫌味がない。たぶん、水星座のコなんだろう、リリアちゃんが気に入って連れてきたのも頷けた。
 ちょっと甘えたようなところは気にならなくもないけど、まずまずカワイイし、トラブルとか起こすような感じもないし、入ってくるのは結構イイんじゃないかなって思った。

 そんなことを考えながらお茶をしてると、途端にケイトからSOSが届いた。どうやらウチの新入生ちゃんがまたやらかしたらしい。詫びタルト作戦は失敗して、リドルくんの機嫌はなお悪くなったそう。オレを維持する気力もないから戻すのだそうだ。
 もうちょっとのんびりしたかったな、と悔いつつ、けれどハーツラビュルのみんなのため、三人に抜けることを伝えてオレは急ぎケイトの元に戻った。

◆◇◆

 オレくんは軽音部でたっぷり楽しんできたらしい。戻って来たオレくんから温かいものを感じる。けど、そんな余韻に浸るヒマはなかった。
 法律違反をした上、暴言まで吐いてくれた三人と一匹にご退場いただいた。ここからはリドルくんのため、寮生たちのために立ち回らなければならない。

 それからパーティーはつつがなく続けられた。幸い、閉会まで違反者は出ず、リドルくんはまぁまぁ機嫌よく部屋に戻って行った。
 くたびれた顔をするトレイに思うことしかないけれど、かといって責める気にはなれない。リドルくんを止められないのはオレも一緒だ。
 煮え切らないもやもやを抱えながら、みんなでパーティーの後片づけをした。片付けだって、気を使う。数は足りているか、不備はないか、きちんと確認しなければいけない。
 しばらくは寮生の誕生日が続いたはずだから、テーブルクロスとナフキンはまとめてクリーニングに出してしまおう。うっかり汚れを残して次のパーティーでリドルくんの気に障ったらことだから。
 それと、動物たちを検診に出しておくといいかもしれない。慣れない子たちの相手で疲れているだろうから。

 使ったテーブルウェアを洗い終わったということで、オレとトレイで数は合っているか、ヒビや欠けなんかはないかと検めた。
 寮生達は芝の手入れに回ってもらって、ここではオレとトレイの二人きり。だから気を張る必要もない。少しだけ楽な気持ちで作業ができた。とはいえ、どこで誰が聞き耳を立てているか分からないから愚痴は厳禁、当たり障りのない雑談をしながら作業した。
「そういえばケイト、お前どこに行ってたんだ?」
「んー? なんのこと?」
「とぼけるなよ。お前、分身をどこかにやってただろ」
「えー、バレちゃってたカンジ?」
「リドルは気付いていないようだったけどな」
 それは本当によかった。もしリドルくんにバレてたら、オレも首をはねられてただろう。トレイも、気付いても黙っててくれて助かった。
 ……まぁ、リドルくんに告げ口したところで、面倒事が増えるだけだ。マメなわりに手を抜きたがるトレイがそんなこと、しないとは思うけど。
「部活。リリアちゃんが見学希望者を連れてきたんだ」
……それは、珍しいな」
 話しながらカトラリーをしまう。今年の部活勧誘会の演奏もなかなかに微妙な空気だった。リリアちゃんのダイブこそ止められたけど、アドリブにアドリブを重ねた演奏は新入生ちゃんたちは軒並み引いていたように見える。そんなだから、トレイが意外そうにしたのは、まぁ、当然の反応だ。
「ね。しかもさ、誰だったと思う?」
「分かるわけないだろ。リリアからもそんな話は聞いてないしな」
「いやー、トレイくんも見たことある子だよ」
「新入生は一応全員見たからな」
 それもそうだ。オレもトレイも入学式に参加してたから、新入生は一通り見ている。
 それよりも、いつもはそれなりに話に乗ってくれるトレイなのに、今日はやたらと食い付きが悪いのが気になった。やっぱり、今日のパーティーはトレイにも相当堪えたんだろうな、って思った。
「ほら、入学式にさ、女のコが混ざってたでしょ?」
「あぁ、クルーウェル先生に退場させられてた子か」
「そうそう。リリアちゃんってばその子を連れてきてさ、ビックリしちゃった」
「へぇ」
「素直そうでイイ子っぽかったよ。……ウチの一年生も、ああいうコばかりだったらよかったんだけどね」
「ケイト」
 トレイの手が止まる。そうだ、こんなのはよくない。今のハーツラビュルがこうなってしまったのは、なにも新入生たちのせいじゃない。
 むしろ、オレたち上級生に責はある。オレもトレイもその自覚は重々にあった。それなのに責任転嫁しようとした。そんなオレに向けられたトレイの目は厳しいものだった。
……ごめん、言い過ぎた」
……。残り、任せてもいいか?」
 片付けが残っているのは大小さまざまな皿だけだ。もう数えたから、あとはしまうだけ。オレ一人で充分こなせる量だった。
「ん、オッケー」
「悪いな」
 そう言って、トレイはレシピ本片手にキッチンを出て行った。管理用のシールがついてたから、図書室に返しに行くんだろう。なにもこんなタイミングでなくとも、ってちょっとだけ思ったけど、トレイも一人になりたいのかもしれない。それにもしかしたらだけど、追い出した子たちのフォローに行くのかもしれない。だとしたらよくやるよなぁ……そんなことを考えながら、残った皿を傷付けないよう、定位置に戻した。
 本当に、今日まで色々ありすぎた。ついついため息を漏らしながら、オレは残りの皿を片付けた。