森野 霞
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変わらない8月と君がいる9月_メインストーリー_9月

公式Twitterアカウントで画像で投稿しているメインストーリーを文章の形でまとめ直しております(複数画像やツイートに分かれていて見返しにくい部分もあるため)。
日付でページを分けています。こちらは9月更新分です。ストーリーをまとめて見返したい際などにどうぞ。
※多少修正や変更、増減している部分もあります。内容に大きな違いはありません。


■8月9日(火) 雨


――前の時もそうだった。

昨日、アオバくんは「配信を辞めようと思ってる」と私たちに宣言した。分かっていたことだったけど、やっぱりショックで、動揺は隠せなかった。

*

8月8日――

「うんそっか、」

辛うじてそれだけを言葉にする。
トアくんの様子は前と変わらなくて、少し寂しそうだけど冷静に見えた。

「寂しくなっちゃうね。でもオフではまた会えるでしょ?」

「あぁまぁな。連絡断つわけじゃないし、会おうと思えば会えるだろ」

――アオバくんは、音信不通になっちゃうんだよ。
そんなこと、口が裂けても言えるわけがなくて、また私は曖昧に笑った。

……アオバくんが決めたことなら、応援するよ!」

努めて明るく、今度はちゃんと笑ってそう言えた。……はずだ。
そんな私を見て、アオバくんは意外そうな、虚をつかれたような顔をしていた。

……?ありがとな。……何か、意外だな。心晴はもっと落ち込んで――、いや、違うな、落ち込むと思ってたぜ」

何だか考え込むような様子のアオバくんに、どうしてそんな反応をするのか私は検討が付かなかった。
ただ、トアくんだけが優しく笑っていて――そんな風に、その日は終わった。

*

そして次の日の今日。

昨日は言えなかったけれど、引退について聞いたこともあって、私は『アオバくんの噂』についてアオバくんとトアくん、そしてバイターさんに報告していた。

「えぇ!アオバ、もしかして誰かにリークしたんですか!?」
「俺がそんなことするわけねぇだろ!!!!」
「あはは……アオバくんはそんなことしないよね

いつも通り、4人で話しているとワイワイと騒がしくミーティングが進む。

「アオバくんが誰にも言ってないなら、情報源がよく分からないっていうかね、アオバくん?」
「あぁそうだな。俺は昨日お前らに言うまでに誰かに言ったことは無いし
「ふ〜む……でもね〜?火のないところに煙は立たないって言いますからね〜」
「おい!どういう意味だよ!!」
「はいはい、怒らない怒らない」
「怒らせてるのはお前だろ!」

バイターさんとアオバくんはいつも通り言い合っていて、少し笑ってしまう。その二人の輪に入っていないトアくんと目が合って、こっそり笑い合った。

でも、このまま穏やかなままではいられない。
今のネット社会では、1度広まった噂は火種となって燻り続ける。今でもSNSや個人のブログなどでは『アオバくんの噂』が囁かれいる。真偽が定かではないのでまだ大きな騒ぎにはなっていないけれど――今アオバくんが引退を公表したら、『噂は本当だった』と決定付けることになる。発端の発言者は『預言者』などと神格化する可能性だってある。つまり――悪い意味で、アオバくんは大きな話題になるだろう。

……そう考えると確かに今公表するのは良くないと思うんだよな。でも引退しないって選択肢は無いし
「そこまで……………。じゃあ、いつ引退公表するか、考えよっか?」

そこまで決意が硬いのはどうしてなの?とは言えなかった。

……引退発表はしない、てのはありか?」

「ふむ発表せずにってことは、『今日の配信を最後に、引退します!』て言うってこと?」

「あぁ。まぁ、もし混乱が大きくなりそうってんなら止めるけど。今の状況で言って、その噂の根源になってるヤツを調子に乗らせるよりはいいだろ」

「うんそうかもね。状況がどうなるかはやってみないと分からないし

「今すぐ公表するよりは良いかも!私も賛成!」