Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
森野 霞
Public
Clear cache
Export ePub
変わらない8月と君がいる9月_メインストーリー_9月
公式Twitterアカウントで画像で投稿しているメインストーリーを文章の形でまとめ直しております(複数画像やツイートに分かれていて見返しにくい部分もあるため)。
日付でページを分けています。こちらは9月更新分です。ストーリーをまとめて見返したい際などにどうぞ。
※多少修正や変更、増減している部分もあります。内容に大きな違いはありません。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
■8月30日(火) 曇り
■8月30日(火) 曇り
やっと、自分の気持ちが分かったかもしれない。
自分が何を望んでいたのか、何が怖かったのか。分かったなら
――
ちゃんと、踏み出さなくちゃ。
「(前の時の、今日、蒼葉くんは
…
、事務所の屋上から飛び降りて
……
)」
「(
……
、
……
今回も同じかどうかなんて、分からないけど。でも、蒼葉くんに会わなきゃ)」
「(私は、私の大事なものを守りたいって、ずっとそう思ってきたんだもの)」
*
あの時と同じように、息を弾ませて屋上へ向かう。
代わり映えのない景色のはずなのに、あの時とは見える景色が違う気がした。
屋上へ繋がる階段を駆け登り、扉の手前で息を整える。きっと
…
この扉の向こうには、蒼葉くんがいる。私が出した答えを知るために
――
きっと、待っている。
ドアノブに手をかけると、重たいその扉をゆっくりと押し開けた。蒼葉くんは、前とは違ってフェンスの向こう側にいて扉の開く音に気付いてこちらを振り返る。
「
――
よぉ」
蒼葉くんはいつもと同じ調子でそう声を上げる。
「
……
っ、うん」
やっとの思いでそう告げると、そのまま押し黙ってしまって
――
ただ、まだ生きている蒼葉くんのことを見つめていた。
そうしているうちに蒼葉くんの方が「あ〜
……
」と声を上げる。そうして、フェンスに寄りかかって頬杖をついて私に問いかけた。
「
……
俺を、助けに来たってとこか?」
蒼葉くんは笑っていただろうか、それとも悲しんでいただろうか。私と蒼葉くんの距離はまだ遠くて、空も暗くて、お互いに表情なんてよく見えなかった。
私はゆっくりと歩みを進めた。息を吸って、やっと自分の言葉を紡ぎ始める。
「
…
うん
…
もちろん。
――
蒼葉くん、私
…
」
「蒼葉くんを助けるって、決めたの」
「蒼葉くんだけじゃなくて、橙明くんも、私自身のことも。みんな守りたいものなのは変わらないから
…
」
「だから
…
だからね、私、もう怖くないよ」
真っ直ぐ、蒼葉くんを見つめて一息にそう告げる。
「ずっと、ず〜っと変わらないまま続いていたかったの。変わるのが怖かったの。
……
私たちの関係も、日常も、変わってほしくなかった。
…
でもそんなの
…
無理なんだって、本当は分かってる。
――
前に、進まないといけないんだね」
悲しくて、怖くて、声が震えそうだった。ぐっと唇に力を入れ、涙を堪える。それでも、声は震えてしまったかもしれない。
ダメだなぁ、笑って伝えようって、思ってたのに。
フェンスの向こう側にいる蒼葉くんに走り寄り、そのまま抱き寄せる。
――
蒼葉くんの体温を感じた。匂いを感じた。蒼葉くんは、今も生きている。
「お、おい
…
!?あぶねぇだろ!」
焦ったようなアオバくんの声が頭上から聞こえる。蒼葉くんの方が不安定な場所にいて危ないはずなのに、私の心配なんかしてて
――
何だかおかしくて、笑みが零れた。きっと今なら、言える。
「
――
アオバくん、大好き」
ちゃんと、伝えなきゃ。
目を見て、笑って、そう伝えた。
アオバくんは一瞬驚いたように見えたが、すぐに優しく微笑み、
「
……
知ってる」
といつもと同じように答えてくれた。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内