はしびろこう
2026-02-09 19:02:03
20954文字
Public
 

治安悪ラヴァ

アシュヨダ前提🐮ラヴァわちゃわちゃ
アッパー集団🐮ラヴァが書きたかった




 カルナは運転が上手い。
 
 どのくらい上手いかというと、右斜め前と左斜め前にあった車の後輪がほぼ同時にバーストして走行不能になり予測不能な動きをして突っ込んできた時も、運転する車に当てることなく後方の追跡車を何台か巻き込んでお釈迦にするくらいはうまい。
「モテるなぁ旦那」
 前に出ていた目障りな車はアシュヴァッターマンが後輪を撃ち抜いたが、後ろのは何台かお釈迦にしようが関係ないくらい付いてきている。
「そうであろう」
 そんなことを言いながら後部座席でアシュヴァッターマンに頭を低くして支えられている男はPCと繋いでロック解除に夢中である。
 大企業の、ネットにつながっていないPCを、ドゥリーヨダナ曰く「わし様もらっただけだもーん」らしいが、さて誰をたぶらかしてもらっただけ、なのかと考えかけてその思考を追い出す。
 今は追われていることの方をどうにかせねばならないのだが。
「クッソ、弾が足りねえな」
 入っている残弾は二。どう考えても手持ちの武器が足りない。手榴弾で何回か吹き飛ばしたが、それでも後ろに五台、横に一台。
「任された」
「は?」
 助手席の下からカルナの白い指が杖——まあ仕込み杖だが——をするりと出して。いや、それ投げるつもりならと思ったが、窓から上半身を出したので慌ててハンドルに腕を伸ばす。
 任された、は後方の始末を任されたの意味である。
 先に任せるって言えやこの野郎!!
「ッッぶねぇな!!旦那乗せてんだぞ!?」
「揺れたぁ」
「しばし待て」
「っあ——もう!」
 全力でドゥリーヨダナに頼むから絶対頭あげんなよ!と釘を刺してから掴んだハンドルでどうにかバランスをとりながら足を突っ込んで無理やり運転席に収まる。
 ミラーを見るに、カルナは一旦天井に乗ってから散歩するみたいな軽やかさで後続車のボンネットに飛び移り、窓を足で三回ほど蹴っていたが、銃撃戦をするなら普通に車は防弾仕様だろう。
 蹴られた三箇所が蜘蛛の巣できてたのが見えるので弾丸並みの蹴りをかましたらしい。窓から上半身を出して、窓を蹴るカルナを狙って銃を構えた男の腕を引っ張って道路に落とし、お邪魔しますとばかりに入って行った車は3秒もしないうちにフロントガラスが血まみれになって脱落。カルナはあいも変わらず窓から出て次の車へと渡っていく。
「だぁ!くそ!」
 任せるしかねえかとせめて隣にある車をどうにかするかと残りの二発を横の車のタイヤに打ち込めば、ドゥリーヨダナが声を上げる。
「アシュヴァッターマン!よせろ!」
「はぁ?!」
 片側を両方ぶち抜いたのだ。放っておけばこのスピードでバーストすれば間違いなく潰せるのに。——しかしドゥリーヨダナのいうことに従わない理由はない。
 体当たりに近しいが、不快な金属音の連続が身体を通る。理由を説明して欲しい。
「っんだぁ?!」
「後ろ、ロケラン積んでるやつが控えてる。横のがいなくなったら飛んでくるぞ」
「チィッ」
 こっちにはドゥリーヨダナが乗っている。無茶をするわけにいかない。カーチェイスの時点で大分あれかも知らんが。
「なーに、カルナが後続車を片付けるまでだ。人質にさせてもらおう」
 片や片方車輪全滅——このスピードで俺たちの車が引けば全壊。
 片や周りに壁がなければ後ろから面攻撃でもっていかれる。
「ハッ!面白え!我慢くらべといこーや‼︎」
 鍔競りあうように車体への圧を更にかける。拮抗してこちらのタイヤをぶち抜かれる訳にもいかない。
「カルナァ——!こっちこさせるんじゃねえぞ‼︎」
 ミラーで確認すれば、今度の車は窓を開けてなかったからなのか車の上から極悪非道のモグラ叩きをしていた。
「頭上注意だ」
 中身はもうフロントガラス真っ赤で何も見えないが注意もクソもねえだろ。
「悪く思え」

 ※

 どうなるかと思ったが、カルナが後続車を全部潰したので車を離して横のも始末。
 は————、と速度を落としカルナ迎えにいくかと声をかければドゥリーヨダナがようやく背中を伸ばせるー!と伸びてから。
「ロック外したー‼︎」
「良かったなぁ」
「裏名簿だ——!!」
 嬉しそうな声に吹き出す。まーた悪いことに使えるんだろう。
「今夜はいい肉食べに行こう!カルナ迎えに行くぞ!」
「はいよ!任せな!」