DRRV11037
2026-02-05 13:21:14
18106文字
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DRRV 1章 日常編



ヨツバの個室


個室の扉を開ける。

あの地下道で何度も水に転落していた私は、濡れた服の冷たさと気持ち悪さから逃れるために、服を着替えなければならなかった。

クローゼットを開ける。
引き出しには、乾いた清潔な服が眠っていた。私の高校の制服だけがたくさん置かれているのは不気味だけど、三品くんが予め報告してくれていたおかげで、ショックが少なかった。

私はバスルームの扉を締め切る。部屋に誰もいないと分かっていても、なんとなくそうする。そのなかで服をすっかり脱いでしまうと、ちょうど運良く傍に掛けてあったタオルを持ってきて、髪や身体についた水気を荒く拭う。それから新しい服に着替え、三つ編みをくるくると手早く結っていき、一番最後に四つ葉のクローバーのヘアゴムを留めた。

早くみんなのもとに行かなきゃ。
お腹も空いている。

バスルームを出た私は、机の上に置かれた鍵を手に取り、ポケットにしまおうと───

あれ?

これでいいのかな。

寄宿舎を利用することはないから、個室に鍵もかけたくないんじゃなかったっけ。
数時間前の私は、確かにそう思っていたはず。

でも、

「一旦引くだけ、だよね。」

今、できることは全てやり尽くした。

何度でも全力で挑ませてくれた改瀬さんと、区切りをつけてくれた裁門さんのおかげだ。
引くという選択肢を肯定できるくらいには気分がせいせいしていて、未来へ視野も広がっていた。

だから私は、新しい制服のポケットに鍵をしまうことができた。

晴れやかだ。