トウメイ希望
2025-10-11 16:20:19
21571文字
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【ルデナナ】道の先へ

牧場物語「三つの里の大切な友達」の二次創作。ルデナナです。
 一年目。春から夏へかけてぐらい。
 憧れを胸にその道に飛び込んだお嬢さんが、現実を知って、悩んで、乗り越えて、強くなっていくのっていいよね。そんな妄想を収穫しました。
 ルデナナは甘さ控えめ、ほんのり香る程度。
 初めて書いたルデナナ小説です。今見返すと恥ずかしいよう。以前は某所で公開していたのですが、諸事情により非公開にしたためこちらで公開します。



 家を出ると、思いもよらず夕刻の風が二人を撫でた。
 桃色に染まった入道雲が、ゆったりと陰影を濃くし、色を移ろわせていく。
 気の早いふくろうの声がする。今は子育ての時期だから、鳥たちも忙しい。
 ジャッ、ジャッ、ジャッ、と鳴くのは夏の夜の虫だろうか。ルルココ村では聞かない音だ。

 じっと目をこらして、辺りを見渡す。
 見えにくくなった牧場にナナミの姿を探すが、三つの里のどこかに行ってしまったのか、見当たらない。

 じきに暗くなる。篝火も無いこの牧場は、すぐに闇に沈むだろう。
 深く考えたことも無かったが、ナナミは一人、この人里はなれた牧場に住んでいるのだ。

「おぉい、ルデゥス。何してるんだ。帰り道はこっちだぜ」
 集荷を終えてもなおきょろきょろとしていると、フランクに呼ばれた。生返事をして彼に続く。

「ナナミのことは、そっとしてやってくれ。
 やたらと世話を焼くより、ある程度放っておいた方が強くなるのは、作物も人間も同じだ」
……そうだナ」
 顔を見たところで、何ができるわけでもない。
 彼女と立場を変わってやれるわけではないし、第一ナナミも頑なに弱みを見せず気張ってきたのだ。
 意図せずして暴かれてしまった今、静かにしておいてほしいだろう。

 後ろ髪引かれる思いではあったが、牧場を後にした。