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トウメイ希望
2025-10-11 16:20:19
21571文字
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【ルデナナ】道の先へ
牧場物語「三つの里の大切な友達」の二次創作。ルデナナです。
一年目。春から夏へかけてぐらい。
憧れを胸にその道に飛び込んだお嬢さんが、現実を知って、悩んで、乗り越えて、強くなっていくのっていいよね。そんな妄想を収穫しました。
ルデナナは甘さ控えめ、ほんのり香る程度。
初めて書いたルデナナ小説です。今見返すと恥ずかしいよう。以前は某所で公開していたのですが、諸事情により非公開にしたためこちらで公開します。
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その日から、少しずつ、ナナミの様子が変わっていった。
「ハロンガ、ナナミ。今は休憩中なんダ。
……
アンタもいっしょに食うカ?」
昼時、ちょうど見かけたナナミに声をかけると、少し迷った様子こそ見せたものの、
「ありがとう。いただいてもいい?」
「ああ、そうしロ。一人じゃ食いきれないしナ」
以前は『悪いから』と断っていたのが、頷くようになった。
過剰なまでの遠慮が抜け、親切や好意を受け取るようになった。
骨ばっていた頬は、幾度か食事に誘うちに、ふっくらと本来の張りと血色を取り戻した。
たっぷり食べて、たっぷり走り回る。その姿には、もはや病的なひっ迫感は無い。
あれだけ弱っていたのに、タフな奴だ。緊急時でもない限り、ナナミの体に触れないから予想でしか無いが、さぞかし筋肉もついたに違いない。
自然が彼女を鍛えているのだろう。彼女のたくましさを見ていると、チャンバラでもしたら、案外、油断すると押し負けるかもしれないとさえ思う。もっとも、女と打ち合う機会など無いが。
力を入れて、力まない。
背筋を伸ばし、片肘は張らない。
そういったごく自然な脱力を感じるようになった。
だが、いまだに動物小屋の増築依頼は入らない。
「動物小屋のこと、なかなか結論が出せなくてごめんね」
食事中、ナナミが遠慮がちに切り出した。変化しつつあっても、どこか控えめな性分は変わらない。
「気にするナ。オレは何も困らなイ。
それに、ナナミは命と向き合っているんダ。そう簡単に答えは出ないサ」
正直言って、ナナミの体調が戻っただけで、こちらとしては十分だ。
「うん
……
考えれば考えるほど、悩んじゃって。
ルデゥスはどうやってスランプを乗り越えたの? 初めて家を建てた時、怖くなったんでしょう?」
ルデゥスは少しの間、考え込んだ。
「
……
そんな大層なものじゃナイ。
ただ、やらずにはいられなかったんダ」
最初は、もう何も作るまいと思った。
自分が生み出したものは危険にもなる。好きなことで誰かを傷つけてしまうなら、やらない方がずっといいと。
だが、道具に触れないでいるとそわそわした。
不便なものを不便なままにしているのが気持ち悪かった。
壊れかけた家具や、使えそうな素材を見つけると、『どうかその手を振るって、自分をあるべき姿にしてくれ』と語り掛けられているようにさえ感じた。
義務感や責任感ではない。結果として誰かを傷つけたとしても、作らずにはいられない。
魂から湧き上がる衝動が、再び道具を握らせた。
「
……
マ、もちろん、やるからには勉強が欠かせないけどナ。同じ失敗をしたら洒落にならなイ」
「そう
……
」
ナナミはそれっきり黙り込んだ。スプーンが皿に当たる音だけが、潮騒に溶け込んだ。
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