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akinoshiroihana
2025-04-14 22:09:30
26278文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫2
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]歩行訓練03
書いた時期的にはこっちが02。
なんだか入院編は異例のハピエンぽくなってきたのに困惑しつつ、当初の走り書きから修正中
xxx
ふわりと無計画に、無責任な具合に上半身が泳いだと思い、軽く驚く。まずいと気付くのがようやく始まったかというところで
「大丈夫。」
そんな声とともに彼の長身は支えられていた。咄嗟に出るのが素の彼なら大声で口にするだろう「危ない」じゃないんだなあと感心しつつ、知らないマナーに従っての所作をこなす友人にはなんというか、心がざわつくというか、どこかなにかが臆病になる。
「手摺をつかめる場所に誘導するから、大丈夫だ、今は凭れ掛かっているといい」
教科書のクリムトくらいに?はは
生憎美術を選択しているのは二人のうち竜馬だけで、隣席とのお喋りには加わることも耳を貸すことも好まない隼人の方は兼視聴覚室である音楽室の闇の中、オペラのビデオ上映が行われる方を選んでいた、だから
凭れかかる、ね。
その言葉に彼は少しばかり眉をひそめる。
「あれ」だとしたら話は早いが、はたして竜馬が触れたがるような絵だったろうかとの疑問符が頭をもたげる。
凭れているといえば『吸血鬼』もそうだっただろうか、いやしかしあれは俺たちのような子供用教本に出るような「はじめてのクリムト」ではないだろう
竜馬が好きになるとしたら、もっと金が豪奢で勇ましさが物騒なユディトとかゼウスの黄金の雨に抱かれて眠るダナエだとか--後者などはその裸身を強く優しい目で眺めそうだ--が、あれは「凭れる」ことからしていない。
リョウさんの言ってんのはG.クリムトの何て絵ですかね、そう彼が問えば、しばしの沈黙の後
「
……
『
…
吻』
……
」
と呟きにしては絞り出したような唸りのようなものが語尾に滲んだ。
「好きだよ、ああいうの、でも」
(ちぇっ、やっぱり『あれ』じゃないか、おまえには好きでいてほしくなかった)
あんな断崖でのキスだなんて
「お前さんを必要もなく落っことすのはイヤだよ」
言えば俺だってそうさ、との声が返る、俺たちは地獄までも一緒なはずなのに、なぜかな、おまえが
崖の上で一人泣いているのを感じながらあんな顔で笑いたくなるのは。
ぞくりとする。黄金の雨に抱かれるダナエの姿に笑むような、嘘偽りはないが一方的なようないつくしみの感触、白い身体に金色と見事な赤毛だけを纏い、真っ黒な長い睫毛を伏せるその姿に、「リョウ」がやさしく笑っていて、それに、「地獄」だなんて。
「好きだ、どうしてかはわからないけれど」
そんな言葉とともに、パジャマに包まれた手首が強く掴み直され、そしてどこへつれていこうと言うのだろう。
『そんなふうにいきたの あなたとわたしは』
そんな幕切れは、誰が遺した詩だっただろう
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