akinoshiroihana
2025-04-14 22:09:30
26278文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫2



歩行訓練02

実際のリハビリではおばさんがおばさんにしてもらってますw
xxx

「前頭葉でもやっちまったのかい」
「いいや」
脳のこの部位へのダメージは人格を危ういものに変化させることがあるのだという。やたら叫んだり暴れたりしてしまうこともある、怪我するとこわいところだと。

呆れた風に尋ねる隼人こそ、先日学園内で死球的なものを頭に食らって現在入院中の身なのだが

リハビリ室のピンクのマットの上、仰臥して両手で腰骨を掴まれている隼人の姿に何やら叫び出しそうになったのは確かだ、そのタイミングで隼人と目が合い、怪訝そうな、もしくは困ったような顔をされたところからこの話は始まる

「今のはなんだ俺は知らない」
「いやあのな」
「ボランティアとはいえ子供の頃から手伝っていた施術にあんなのは無かった」
「違うってば」
「あれは俺だってやったことがないぞといっている」
「わあ、駄々っ子だぁ」

浮気女は現場に踏み込まれてもまだ『これはちがうの』と言い張るというのは本当だなとか、そんな話一体いつどこで聞いたんだろうとぐるぐるしたり、ああ多分いつぞやの部の合同合宿の夜、布団をかぶっても聞こえてきた、他校の誰かの修羅場話だ、俺たちの話じゃないしっかりしろ、と思い出して、すう、と頭が冷える。そうすれば
「骨格をみてくれてただけだよ」
傍目に際どいストレッチさんざんかけてんのに。そう寝間着姿で腕組みしてみせる隼人の毒づきがあった。(これはやっぱりあらぬシチュエーションを想像してしまっていけない)

掴んだ肩を近いよ、と振り払われ、しかし、なんて顔してんだい、と溜め息をつかれる。
「どんな顔に見える?」
「聞くな」

腰を落とした膝立ちで、隼人の足を肩に担ぎ上げての施術の時には、ああこれはさすがに隼人も違う意味の方も読み取った上でいま目を伏せたなと確信しつつ尋ねた「痛いか」。
なのに先程の何だかわからない、家の都合だの(なぜ)見合いだの(だからなぜ)でもって、何一つ無かったかのような顔をして何処か他所に捧げられてしまったかのようなむごい幕切れの幻視。
そんなものを見て、俺はどんな顔をしていたのだろう、隼人にはどう見えたというのだろう

『聞くな』

「ったく、じゃあ後頭葉でもやっちまったのかい」
そちらも隼人がやられなくて助かったところだ、なんと言っても視力へのダメージになる、失明だってするというのだから。
「いいや……いや、うん」
いやひょっとしたら、俺の脳は「若さゆえの小さな血栓」かなにかで本当にそこがやられてしまって「見えなくなった」きりで、他の回路に肩代わりしてもらって回復した後には人知れず立つ脳細胞の小さな墓場があるのかもしれない、だって昔から言うじゃないか、

「やっちまってるのかもしれない」


ナントカは、盲目。