akinoshiroihana
2025-04-14 22:09:30
26278文字
Public
 

ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫2




夕餉

前日に書いた食べ事ネタの後日談みたいな。
アークチームです、そして必然的に湧いて出る司令(ノ∀`)

xxx

おいなんだよ、街で買ったこの盛り合わせの肉って。旨いけど付いてきたメモが日本語じゃねえどころか知ってる文字でさえねえ。
あー、これはこの鶏っぽいのが食用ガエルで、それに中華風味のがハトで、あとこの焼き鳥みたいなのは猫だって言ってる気がビンビンしやがる
げっ
つまり人間―――あー、元地上人類のやってる店だなこりゃ、こんな世界になってもまだブリーダーが多頭飼育崩壊とかやってんのかな、かわいそうだぜ
ウワー鳩ゴメンなー俺食うに困っても一生絶対食わないやつだと思ってた、鳩うわあああ、だがうまかった!
『カンタベリー物語』の映画では騎士達の果し合いを見る客達に猫の肉の串焼きを売ってなどいたな。いつの世も変わらんという事か

赤い星の上で、ある夕べそんな夕餉。

で、でもよカムイ、お前も食った事なかっただろ?
そういわれ、「食いはしなかったが、ひょっとしたら、食いたかったのかもしれないと思うものはあった」と静かに帰る声があった「今となって思えば」と。

x

両生類は養殖しやすいものが多くあった一方、鳥類や哺乳類は深海の繁殖所では流石にそうもいかない高級食材化しやすかった上、本能の箍が外れやすい連中が激しく反応してしまうこともあった。手の中で温かく動く、すべすべした体毛や羽の感触、驚くほど熱い体内の温度など、確かに別の生き物と認識しやすくて、繁殖エリアが一夜で職員によってしばしば酷い事になったとも聞いた。
たぶんあの人の学び舎を襲った連中のデータはその最たるものだったからだろう、悉く、その動脈もろとも首やあちこちを食いちぎって、頭蓋骨を輪切りにして、狩った死骸を「自分の得物」としてまとめてクリスマスツリーみたいにぶらさげていたのは。あれは多分、対外的には「残念だなお前が求めに来た二号機パイロット候補者はこうなった」という一号機パイロットへの絵だったのだろうが、勢い余ってあれを最初に見てしまったのは「お前のせいでこうなった」と受け取る羽目になったのは、今の俺達より幼い日のあの人だったのは不幸だと思う、それで恐怖のあまり失禁なさったと御自分からも。だがそれを笑う理由はなかったし、なんならときめかなくもなかったかな
……おーい?」

そのかなり後、研究所に入ってもう少ししばらくして、とてもはしこい白鼠をラボで分けてもらった事があった。とても可愛らしくて愛しくて瀟洒な作りの鳥籠にエディブルフラワーを与えて飼っていた。その白い額や腹に鼻先を押し当て、「食べちゃいたいぐらい可愛い」っていう言い回しはこういうものですか?とあの人にも聞いたものだ。それが

ある日餌をやりに籠を覗いたら、そこには腹を膨らませた蛇がいて、俺は鳥籠を研究所の池にそのまま沈めたよ。
あの白い子の名前がずっと思い出せないんだ、大好きだったのに。
そういえばあの時、あの人がどういった反応と顔をしたかももう思い出せないんだ

この中では、「子」の中では一番「彼」を知り、思い、殺した者がそんな話をし

x
……あっそういえばこの唐揚げは凄い旨いぜ、これは俺また食いたいな、なんの肉だろう
しばらくの沈黙の後、そう空気を換えたつもりの明るい声に対し、獏が返したのは
……それ火星ワニのフライだな」
爬虫類。
俺らの方が抵抗なしに食うと思われて、肉の塊がこっちの市場に流れて来てるのかもしれねえな!と空元気っぽく獏が言い、
そうか、お前らにとって旨ければそれはそれで良かった、とカムイはただそう応えた、誰が教えたかきれいな箸使いで。

連綿たる運命をのぞむのかもしれない、彼。青かった星は遠い。