akinoshiroihana
2025-04-14 22:09:30
26278文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫2




手風琴

なかそらさんリスペクトの名刺が文字数オーバーでございます
のっけがまんまバナナフィッシュなの御容赦、ネオゲ號(22)
xxx

そっちじゃとうとう子供をゲッターに乗せてんのかい?
さすがによくねえやと言う、背だけひょろりと高くて生っ白いのが神隼人(高2)で、ああ、まったくだ!とその傍ら、ギフンに燃えた感じでとても澄んだ目で相槌を打つのが流竜馬(高2)で

そんな謎時空において一文字號(22)が言ったのは

「俺はアンタらより年上だよ!」だった。

x

子供ってんならアンタたちこそまさにそれじゃねえかと聞けば、

もう義務教育は終ってんだ、働きに出てる奴等だっている。甘ったれの俺達に赤紙とやらが来ちまった感じかなとの返事。成程、ここはそういう時代と世界。チョッパーハンドルの大型バイクだのサイドカーだのにしれっと乗っている彼らはつまりかなりお育ち良く、俺達の様な知られざる一市民の頭上に唐突な地獄が降って来た記憶はなく、その代わりに二度と母国を地獄にしてはならないと教えられていてそれで目一杯な、代えの効かない事を知る戦士かいっそ極上の毛並みの忠実で誠実な猟犬達だった。(前の戦争では最後まで兵役免除になっていた「そういう」連中が一転して戦火の真っただ中に放り込まれたんじゃなかったか、そういえば。)

そんな猟犬の一匹がこの夕辺ハーモニカで奏でているのはいつものあのひとさしではなく、『エーデルワイス』
ああ、そういえば「あの人」の好きなタイプもこの歌と歌詞と映画が似合いそうな女性「だ」とか「だった」とか噂に聞いたことがあるかもしれない。あとネーサー署内のクイズ大会で「ハーモニカ=手風琴」を余裕でクリアする奴がやたら多かったのはそういうことか、とも今更理解してぬぐぐともなる。

そんな後年の恨みを知るわけなく、元気ちゃんが学校でハーモニカからリコーダー学年に進むんだとさ、だから吹けないままだっただろう曲を聞かせて悔しがらせてる、そうくすくす笑うその端正な横顔はなんだかんだ言ってやはり子供だった

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頼むよ、ちゃんとぴかぴかに洗って返すから!としかめっ面の小学生に頼み込んでゲットしたソプラノリコーダーを手に、その隣に座り込んでみれば、小学校の授業なんて覚えてんのかい?と隼人がからかうが、

残念だなぁ、俺らの世界じゃ高校までアルトリコーダーの授業があるんだよ―――
そういった後、突然終わってしまったその日々を思い出し、言葉を失った。
視聴覚室に響いた空襲警報、ガラス張りの大きな窓が一斉に白く曇り襲い掛かったのは地上型メカザウルスがまだ上陸さえしてなかった時点、3階の窓から見えたそれが頭を向けていたのは、自衛隊が寄せることは一応あるものの、もう人気も少なくなったはずの市街地の方で―――骨に食い込むでもなく取り出せる所に埋まっていた最後の大きなガラス片を闇プロレスでの怪我の手当てついでで取ってもらったのは2年前になるだろうか

おい、大丈夫かい、號さんよ

声をかけるべきか迷ったのだろう空白の後、そう聞きに来るのもやはり子供だった。どこが痛むのかわからないまま撫で擦ろうとするようなところがとてもまだ汚れていない、いまだ幼く優しい、しかしその結果の積み重ねがコックピットで血を吐いた「あの人」にいたるのかもしれない。『エーデルワイス』を歌う途中で涙に声を詰まらせた、あの映画の人物もまた「大佐」だった、だから言える言葉は少なかった。

「だからさ、俺は、アンタより、年上なんだよ」

神さん。