ろきのや
2025-04-02 19:37:20
29863文字
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アズキャ生存if 二人目のニンゲン(未完)

未完長編アズキャ生存ifな話 何でも許せる人向け。 様々な捏造
2人目に落ちてきたニンゲン君(オリキャラ)がすっげぇでしゃばる。
チャットAIに欲望ぶつけて推敲手伝ってもらってたら盛り上がってしまったのでここに供養。
https://poipiku.com/9119/11644918.html



一方アズリエルはというと、デカい体を床に投げ出し、自室の真ん中で敷物のようになっていた。

キャラを助けに入った時の堂々とした面影はなく、今や情けないモンスターに成り下がっている。

およそこの国の未来を担う王子の姿ではない。

王命のような形でアズゴアがキャラを帰らせるようガスター博士に頼み、トリエルは久しぶりにあの子が帰って来るのだからと、キャラの好物を用意するべく忙しく動き回っている。

そんな中で、アズリエルはベコベコにヘコみ、悩んでいた。

自分のやった事は間違っていたのかと。

ダミアンに謝罪する事でキャラを裏切るような形になってしまったのだろう。結果的に孤立させてしまった。

しかし、あの時は他にどうしようもなかった。
キャラがナイフを手にしていたのは事実だし、モンスターたちの目撃証言もあった。
アズリエルにできることは、状況を収めるために頭を下げることだけだった。

「大体キャラが何も話してくれないのが悪いんだよ……

流石に恨み節も出て来る。

心を閉ざし、誰にも本音を明かさない。キャラの悪い癖であり、アズリエルもまた許容してきたことだった。

アズリエルの図々しさと寛容さはキャラの心を開かせたが、踏み込み過ぎない優しさのツケが、今こうして回ってきている気がした。

ダミアンは「過保護過ぎるんじゃない?暫くそっとしておいてあげたら?」と、かつて自分が彼に言った事をそのまま突き付けてきて、アズリエルはぐうの音も出なかった。

ダミアンの主張は正論が含まれていたが、その隙を突いてダミアンがキャラに接触している事を、アズリエルは知る由もない。

二人の間に一体何があったのか。

ダミアンはアズリエルに「キャラがニンゲンの魂を狙っていたのでは」と匂わせてきたが、アズリエルは即座にそれを否定した。

もちろん、ダミアンが意図せずキャラのトラウマを引き起こし、キャラが攻撃してしまったという可能性は否定できなかった。

しかし、かつて潰えたキャラの計画。キャラの身を犠牲にして、魂を取り込んだアズリエルが地上に出て、ニンゲンの魂を6つ集める。その提案を断った時、彼はひとつだけ約束した。

「もしもキャラがこの世界で最後の時を迎えたら、その時は、キャラの魂はボクのものだ」と。

キャラの決意はそこで尽き、代わりにその約束を信じることで生き続ける事を選んでいた。

キャラは自分の魂をアズリエルに捧げると決めている。もし本気でニンゲンの魂を使った計画を実行したいなら、自分の命を断つ方が早いと考えるだろうと、アズリエルは信じていた。

それに、キャラが本気で何かを企んでいるならもっと計画的にやるはずだ。
衝動的としか思えない状況が、キャラが何かに追い詰められている事を感じさせた。

そして、キャラがそんな状況に陥っていることがアズリエルを焦らせた。

もし、キャラが全てを投げ出したくなって、「終わらせて欲しい」と言われたら、今度こそアズリエルはその願いを断れないだろう。

その可能性に対する怯えが、アズリエルとキャラの距離を遠くしていた。

計画を断った事はキャラの命を繋いだが、同時にキャラの心に大きな負担を強いていた。
自分が生き続ける事で、みんなが自由になる可能性を先延ばしにしている。

この先地上を見る事なく塵になっていくモンスターがどれだけいるのだろう。

そんな考えが、キャラの自己肯定感が低さに拍車をかけて、「いつ死んだって構わない」かのような振る舞いに変わっていく。

アズリエルはキャラを救いたいのに、どうすればいいのか分からない。

部屋の外では、トリエルがキャラのためにパイを焼く甘い香りが漂っていた。アズゴアも花を部屋に飾り付け、家族がキャラの帰りを待っている。

キャラがどこか遠くへ行ってしまう予感が胸を締め付け、アズリエルはただ悩み続けていた。