ろきのや
2025-04-02 19:37:20
29863文字
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アズキャ生存if 二人目のニンゲン(未完)

未完長編アズキャ生存ifな話 何でも許せる人向け。 様々な捏造
2人目に落ちてきたニンゲン君(オリキャラ)がすっげぇでしゃばる。
チャットAIに欲望ぶつけて推敲手伝ってもらってたら盛り上がってしまったのでここに供養。
https://poipiku.com/9119/11644918.html



ダミアンは椅子に座ったまま、軽く肘をついて顎を乗せていた。青い瞳がアズリエルを捉え、口元に微かな笑みが浮かんでいた。

アズリエルはダミアンの呼びかけに応じ、ゆっくりと椅子に腰を下ろす。
暖炉の中の魔法の炎が小さく弾ける音を立てて揺れ、部屋に微かな温もりを与えている。

「さっきの話、面白かったよ。アズゴアの魂をかけるって発言、結構本気だったよね?」

ダミアンが切り出した。声は軽く、どこか楽しげだ。顎を乗せていた手を離し、背もたれに体を預けて姿勢を崩す。

「それだけダミアンと真剣に向き合おうとしてるんだよ。父さんは君を軽んじたりしない」

アズリエルの声は穏やかだが、緊張感を漂わせていた。大きな瞳がダミアンを真っ直ぐに見つめ、その奥に家族を守ろうとする意志が垣間見えた。

「そうだね。個人的には結構好感持てたかも。甘すぎる感じはあったけど、僕は好きだよ彼の事」

ダミアンはどこか他人事のように微笑む。

「逆にトリエルはちょっと心配だな。キャラと僕が地上に戻りたがらないから通用してるけど……あんな感じだと、ニンゲンに真っ先に殺されるのは彼女なんじゃない?」

「ダミアン」

アズリエルが低い声で諌めた。
ダミアンの不用意な言葉は、家族への侮辱にしか聞こえない。

「君は?どうするつもり?」

アズリエルの言葉を無視して、ダミアンは続ける。好奇心に煌めく瞳がアズリエルを見据えた。

「君はキャラの親友なんだろ。あの子と共に生きていく事を選んで、こうして新しくやって来た僕の事も受け入れようと努力してる。でも、モンスターたちの事を考えるなら、ニンゲンの魂を奪った方が早いと思わない?」

アズリエルはダミアンの発言は無闇に不穏を振り撒いていると思いつつも、現実を突きつけていると感じざるを得なかった。
逃げる事が許されない問いかけだった。

「ボクは誰かの犠牲なんて望まないよ。それに君がそんな事を言うのはおかしいよ。まるで死んだって構わないみたいだ。それともまだボクたちを試そうとしているの?」

アズリエルの声には困惑と反発が混じる。彼の瞳がダミアンを睨み、暖炉の光がその視線に力を与えた。

「でも、綺麗事でも詭弁でもなく、事実だろ」

ダミアンの言葉が冷たく響いた。
選択の余地が奪われたこの世界は、地獄だった。

「集まるといいね。モンスターに友好的で、バリアを破壊する事に協力してくれる優しいニンゲンが、あと5人。気が長い話だ」

ダミアンの言葉は明らかな嘲笑を含んでいた。

「待つのはいいけど、もし地上に戻りたいニンゲンが現れて、どうしても戦わないといけなくなったら、君はどうするつもりなの?戦って相手の魂を奪う?それとも全部諦めて自分の魂を捧げちゃう?」

……そうならない手段を考えるよ」

「無いよ。そんなもの。君の言ってる事は問題の先延ばしであって、解決策じゃない」

ダミアンは冷たく切り捨てる。

「暴力に頼って出した答えが、正しいものだとは思えないよ」

「綺麗事だね」

「ボクは時間をかける事でしか答えを見つけられないと思ってる。君は納得出来ないかもしれないけど、時間をかけて、みんなで生きていく方法を探したい。ボクが示せる代案なんて、今はこれくらいだよ」

アズリエルは既に決断している。親友の命を奪わないと決めたのだ。
キャラの命が続く限り共に生き、最後の時はその魂をもらうと約束した。
例えそれがキャラの苦しみに繋がるとしても。

……ひどい事するんだな、君」

ダミアンの呟きは冷たく、心を見透かされたように感じてアズリエルの心臓が跳ねた。

「君には時間がいくらでもあって、いつまでも待てるかもしれないけど、ニンゲンはそうじゃない。君の永遠には付き合い切れないんだよ。いつだって結果を求めて効率的に動きたくなってしまう。それを制限される事がどれほどの苦痛を伴うか、僕にはよく分かるよ」

ダミアンの声は、どこか遠くを見つめるような響きがあった。

「退屈と停滞はニンゲンにとっての猛毒だ。あの子、よく今まで生きていられたね」

「キャラの事を言ってるの?君が何を言いたいのかわからないよ」

アズリエルの声に困惑が混じり、眉が寄った。

「だから君は僕らニンゲンの事を理解出来ないんだよ……君って案外、キャラの事何も知らないんだね」

ダミアンの言葉が挑発のように感じたのは、アズリエルの気のせいではないだろう。

……君には分かるって言うの?」

アズリエルの声が低く響く。

「分かるよ。ニンゲン同士だからね。モンスターだってモンスター同士にしか分からない事があるだろ?魔法で感情表現したりだとかさ」

「分かってるならキャラを怖がらせたりしないはずだよ」

「大丈夫だよ。僕ら仲直りしたんだ。もう引き離す必要なんてないよ」

ダミアンがさらりと答え、首を傾げてアズリエルを見た。

「え?」

ダミアンの言葉に、アズリエルは動揺した。
キャラが倒れて帰ってきた。その前に仲直りをしているという事になる。
ダミアンがどこまで本気で言っているのか分からない。

「何?その反応。僕らが仲直りしちゃ面白くないの?」  

「そんな事は……キャラがそう決めたなら、何も問題は無いよ」

「そうだね。でも君は本当にキャラに決めさせる気があるのかな?」

ダミアンはおもむろに立ち上がり、座っているアズリエルを見下ろした。

「君がキャラから僕を遠ざけようとするのは、本当にあの子のためだったの?まるでキャラを独占してるようで……あの子を閉じ込めたいだけに感じるよ。アズリエル」

ダミアンの瞳はアズリエルを試すかのようで、鋭く刺さるものがあった。

……何を、」

アズリエルの声が途切れ、瞳が揺れた。

「家族ごっこもいいけど、キャラの事を理解してあげられるのは僕だけだって、理解して欲しいな」

ダミアンは静かに言い放つ。

「ボクたちが、何か間違ってるって言いたいのか?」

「さぁ?でも実際キャラは君たちを頼らず無理をして、結局僕が助けてあげた。僕は同じニンゲンとして、キャラを同情しているだけさ」

沈黙と二人の睨み合いが続き、暖炉の炎は徐々に勢いを弱くしていた。
アズリエルは立ち上がり、暖炉に近づいて追加の魔法の炎を注ぎ入れた。炎が再び勢いを取り戻してパチパチと鳴り始めた。

「完璧に理解出来ないと家族になれないなんて事はないよ。僕は時間をかけてキャラと歩み寄って来たし、本当の家族になれたと信じてる」

アズリエルの瞳は暖炉の炎を受けて強く輝いていた。

「それは君も同じだよ、ダミアン。僕らは歩み寄る努力が必要だと思う。例え時間が掛かっても」

ダミアンは「ふーん」と小さく呟き、青い瞳が一瞬細まったかと思うと、肩をすくめて笑った。

暖炉の炎が二人の間に揺れ、部屋に静かな緊張と微かな温もりが漂っていた。